マルス・ブルー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 78
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771399

作品紹介・あらすじ

新潟県沖に小舟に乗った死体が漂着する。死体が履いていたブーツは、7年前、悪天候を突いて緊急発進したF‐15パイロット、景坂志朗のものだった。景坂は生きている?-捜査に乗りだしたのは、警視庁公安部。明らかになる北朝鮮、中国、ロシアの謀略、そして孤高の戦闘機乗りの熱くも哀しい動機だった。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争反対だけど戦闘機とか戦艦ってカッコイイのよねー
    フィクションだからこそ楽しめるんだけど、それはそれ、リアリティ感じるとこがあるのがイイ

  • 面白いけど…。主人公の行動理由が今一つ弱いように感じた。
    なんでだろ。「サムライ」として、愛国者として、戦闘機乗りとして、理屈はわかるけど、「カゲロウ」の意味も良いけど、結婚してこの時期に…やむにやまれぬ感じがどうもしない。
    種明かしが遅い感じもする。最後の最後でいまさらそんな事言われてもってな感じ。操縦感(変な言葉)、リアルさは充分。もっとこういう部分が欲しい。

    ちょいと時間を置いて、また読んでみたら違う感想になるかも。

  • 読み終わって感じたことは、細かな戦闘機のメカニズムや描写はとても細密で、ストーリーを含めドキドキハラハラしました。
    正直飛行シーンについては私には難しすぎるほどの細かく描かれていましたが、好きな人にとって期待を裏切らない描写なのではないかと思います。
    景坂のように核の保有やミサイルなどの無人兵器を否定し自らの命をかけサムライとして戦いたいと思うのか、武藤のように空戦での抑止力をもって日本の主権を守ろうとするのか。
    航空自衛隊という現代の日本の在り方を表す組織の中で映し出される2つの生き方や想いは、変わりゆく世界情勢の中で考えさせられるものだと思います。
    戦争とは?何を守り何の為に生きるのか?様々な考え方があるからこそ自分はどう思うのかを考えるきっかけになると思います。

    好きなシーンは景坂と美紀、武藤が飛び回る蜉蝣のなかで会話をするシーンです。
    ちっぽけなカゲロウも一つの命、自分も一つの命。いつか失われる命という点では等価なのたと感じたカゲロウ。
    「理想の戦闘機乗りじゃないか」という言葉は景坂の想いをストレートに、美しく表現しているセリフだと思いました。そして物語の終盤で出てきたこの回想シーンは、景坂、美紀、武藤と読み手の気持ちを繋げてくれると感じます。
    私自身恥ずかしながらカゲロウという生き物を初めて知ったのですが、読み終わって調べてみると姿形がとても美しく驚きました。数ある虫の中から重要なワードとしてこの物語に登場させた理由が自分なりに納得でき、作者の想いを感じることができました。

  • 小松基地をベースとした航空自衛隊をテーマとした軍事スリラー。ここにカテゴライズされる作品では夏目氏かすでに君臨しており、その類似性以上のものであることを筆致で示すには至らなかったというのか第一感である。エンターテイメントとしては、十分読み応えがあり、鳴海氏の過去作と比しても出色の出来と思うが、やはり作の構図か類似しているので損している感がぐえない。
    物語はカゲロウのコードネームを持つ数年前にF15もろとも行方不明となっていたトップパイロットのネームが入ったパイロットブーツを履いた脱北者と思われる死体が漂着したことから展開する。カゲロウは生存しているのか。

  • 終わりかたが、釈然としない感じ。
    ただ、こんな世界に身をおいたら毎日がつらいだろうなぁ、と思う。
    それぞれのその後がもう少し明かされてもいい気がする。

  • 240222

  • アイディア、ストーリーともに面白い。もしも、日本にカゲロウのような男が居たとしたら…国家間の均衡は如何にして保たれているのだろうか。ボタン一つで、その微妙な均衡が崩れるとしたら、どうなるのか。不安と興味を掻き立てられる作品。

    某国が大陸間弾道ミサイルの実験を繰り返す中、日本の自衛隊にそれを良しとせぬ男が居たとしても不思議ではないと思う。

  • 表紙裏を見て購入。北朝鮮、中国、ロシアの謀略。警視庁公安部・・・
    戦闘機パイロットを絡めた防諜系かと思いきや、かなりリアルな航空系。この手の小説は初めて読んだが、期待を裏切られたにもかかわらず、これはこれでかなり面白く夢中になってしまった。
    カゲロウ、悲しい人生だったな。どんでん返しがあったが伏線がなかったために唐突過ぎて逆効果。無理があったかな

  • 空自の日常だったり、空戦のシーンだったり、この作者の得意なところが十分に出ている作品ですね。
    初期の作品群を思い出したりしました。
    ただ、主要登場人物の行動の動機が今ひとつ。
    共感できない以前に、あまりの単純さにびっくりって感じ。
    サスペンスというより、素直に空戦小説として読むべきかな。

  • 戦闘機好きには楽しいかも。ミステリ小説としては意味不明で破綻しているけど。

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著者プロフィール

1958年北海道生まれ。’91年『ナイト・ダンサー』にて江戸川乱歩賞受賞。以後、航空小説の分野で独自の世界を描き続けつつ、警察小説、時代小説でも活躍。’18年からは池寒魚名義で時代小説を発表。作家デビュー30年、100タイトル目の新作『レジェンド・ゼロ1985』(集英社文庫)が最新刊。

「2021年 『14歳、夏。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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