チェーン・ポイズン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2156
レビュー : 298
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771450

作品紹介・あらすじ

本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?人気絶頂のバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族、三十代のOL。三つの自殺に不思議な関連性を見出した週刊誌記者・原田は、"死のセールスマン"が運んだらしき、謎のメッセージの存在を知る。「命の取り引き」がもたらす意外な結末とは?心揺さぶるミステリアス長編。

感想・レビュー・書評

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  • これは面白いし感動するしたぶん騙される。

  • 一歩間違えたら私もこういう思考や行動になっていたかもしれないと思った。社会人初めたて(今でも時々考えるけど)は、なんのために働いてる?生きるためだとしたら、そこまでして生きたい理由が欲しい。と思っていた。

    3つの自殺を通して、何か一途に頑張ってきた人は、それが途切れた瞬間に、脆く、崩れやすい様が見て取れた。何を目標にしたらいいのか迷ったり、昔の自分の姿と重ねて惨めに思えたり、出来ない今を不満に感じたりしてしまう。それはある意味、目標に縋って生きてきたとも思えた。

    生きがいや、生きる理由が見つかるのも、要は偶然でしかなくて、見つけても経済的な理由だったり、環境だったりで続けていけるかどうかも分からない。だからこそ掴み取れた人は運がいいし、その中でトップを取れるような人は、その運の強さの中で努力を続けられてきた人なんだろうなと思った。

    ミステリーとしては、ゴリゴリに頭使ってとっても疲れるけど、心地よい疲労感が残る本だと思う。要は最高。

  • 個人的に好きになれない話だった。
    読んでいる内にどんどん疲れて読み終えた時はくたびれた。

    内容は、
    見知らぬ人物に声をかけられ1年間死ぬ事を待った自殺志望の女性と、
    彼女を含めて三人の男女の服毒自殺の真相を追う雑誌記者、それぞれの目線で描かれた物語。

    序盤に結末が分かるので、最初に書くと、主人公の女性は養護施設のボランティアをして様々な人と関わったりしながらも結局は自殺してしまう。
    人が自殺するのはそれぞれの事情があるし、人それぞれ許容量もある訳だから、何で?とは言えないけど、この主人公に関してはやはり自殺する事に疑問を感じた。
    亡くなった後、心痛める親がいる。
    仕事や人間関係に失望していたとしてもやり直せる若さもある。
    そして、後半は自分自身で手繰り寄せた縁で、自分の居場所のようなものを作ったりしてるのに・・・。
    ボランティアを通して養護施設の子供たち、様々な人に関わって再生を果たす・・・というのはありがちな話ではあるけど・・・。

    この本に関してはそんな風に感じさせるのも作者の意図のような気がして嫌~な気分になった。
    何となく読み終えて感じたのは、奇をてらってるということ。
    普通とちょっとズレた所にもっていく事によって読み手を惹きつけているという感じがした。
    私はもっと地味な部分で読ませてくれる話が好きなので、こういう作為的なのが見えた時点でしらけてしまう。

    主人公の女性は生真面目でどちらかというと面白味のない人間のように書かれているけど、それとボランティア施設のためにある人に食ってかかる場面、この本のタイトルになっている、死ぬ際に人を巻き込む、というのがどうも同じ人のような気がしなくて違和感を感じた。
    また、雑誌記者が服毒自殺という事件をここまで丁寧に時間をかけて取材するかな?とも思った。
    もっと大人数が関わっているならまだしも・・・。
    それに、この本では他の2人の自殺者の事をほとんど書いてないという事も物足りなさを感じた。

    衝撃的な事を書いてあるけれど、中身がスカスカで伝わってくるもののない本だった。

  • 久々に爽やかな読後感だった(^^)
    なんの疑問も持たなかったけど、ちょいちょい違和感があったなぁ、たしかに!
    おもしろかった(o^^o)

  • だまされた!(笑)
    人生に希望を見つけられなくて、自殺を考えていた女性の前に「1年後に、楽に死ねる手段を提供します」という提案が降って湧いてくる。
    その言葉を信じ、1年だけ生きてみようと思う女性と、連続しておこった服毒自殺者を追うライターとの話が交互に展開されていく。
    死んでしまった人が、毒を飲んだ理由というかきっかけが、なんとなくわかる気がした。
    そして、眠るように楽に死ねる毒があったら、俺でも酔っ払っていたら飲んでしまうかもしれない。っていう作中の台詞に納得した。

  • どんでん返しありと知りながらも、最後まで全く気づけず。そーゆうことか、とすっかり騙された。
    主人公のおばちゃんが、最後、ちゃんと生きがいを見つけて生きようと思ってくれて、、結末もすっきり納得して読了。

  • 世界の中から悪意が消えることはきっとない・・・。

    その悪意から目を背けたり、あきらめたりせず、その存在を認め、それでも進み続けることが生きるということなのかもしれない。

    でも、自分のためだけでは、きっと頑張れない・・・。
    一緒にいたい。そばで成長を見守り続けたい。そんな想いを持てる存在が近くにいるからこそ、人は頑張り続けることができるのだと思った。

    たまたま、チラシを見ていた時や落とし物をした時、自分にとっては何気ない小さなきっかけが大きな出会いをつくることがある。

    今、いる場所だけがすべてじゃない・・・。
    そこから、一歩踏み出したとき、見えてくる世界は無限に広がっている。

    そして、そんな世界の中で、何か大切にしたいものを見つけたとき、人は生き続けようと思うのかもしれない・・・。

    「生きがいがある。」それだけで、人はもう幸福なんだろうなと思った小説でした。

  • 久しぶりに作品の世界に入り込めた。高野章子の謎が解けないまま終わるかと思ったけど、最後の最後で大ドンデン返しがあって身体が冷たくなった。すごく面白かった!!

  • 最後まで面白く読めました。
    こういう構成の小説、個人的に好きです。
    好きなので、期待値もあがりますが…。

    文庫で読んだのですが、
    この装丁とタイトル、好きじゃないです。
    えと、個人的な感想ですが。

    あと、身も蓋もないですが、この話に、
    このトリックは必要だったのでしょうか?

    しかし、おばちゃんと子供たちの交流の描写、
    『こんにちはだけじゃなく、いい天気ですね〜』の考え方と
    ラストの結び方は、素晴らしいものだったと思う。

  • 「もし、本気で死ぬ気なら、1年待ってみませんか?」

    ―もう死にたい。
    "死のセールスマン"から「眠るように楽に死ねる薬」を約束された代わりにもう一年だけ生きる時間を与えられた女性。そしてその一年後に、”死のセールスマン”の謎を追うジャーナリストが交錯するミステリ。

    この本をミステリとして読むとその価値は半減してしまうかもしれない。
    最近良く見かける叙述トリックであることから結末が途中で分かってしまう読者も多いのではないかと思う。寧ろ作者は、トリックを見破ってほしいとすら思っているように感じた。なぜなら、主人公の女性の描き方がジャーナリストが追う自殺した女性の客観像と大きく離れている印象を受けたからだ。ジャーナリストが追う”客観的事実”は上手く符合させているが、主人公から語られる”主観的事実”の印象が全く違っているように感じた。

    寧ろこの本の主題は人の繋がりと自殺について、そして生きることの素晴らしさにあり、与えられた1年間の時間の中で死を選んだ人と生きる事を選んだ人の対比を通して(ミステリの手法で読者を引き付けつつ)作者のメッセージが込められているのではないかと思う。
    この主題に対して作者はジャーナリストの原田との口を借りてホスピスの院長との会話の中でこう表現している。
    「近所でたまに顔を見かける名前も知らない人に、こんにちは、だけではなく、そこに続けて、いいお天気ですね、と声をかけていれば高野章子は死ななかったんじゃないか」と。
    それに対して、生きる事を選んだ槇村が原田の「こんにちは、いい天気ですね」という声掛けに対して「ええ。本当に。本当にいいお天気。」と返すラストには清々しい感動を覚える。
    ミステリの体を取りつつ、自殺、生という重いメッセージを織り込ませる作者の手腕に脱帽である。

    余談だけど、ゲルセミウム・エレガンスって、本当に楽に死ねるのかしら?
    wikipediaには苦しそうな症状しか書いてなかったけど…笑


    それにしても
    「もし、本気で死ぬ気なら、1年待ってみませんか?」
    という問いは本当に考えさせられるものがありますね。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。94年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。99年同作を収録した『MISSING』で単行本デビュー。「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高い評価を得て一躍脚光を浴びる。著書に『FINEDAYS』『真夜中の五分前』『正義のミカタ』『チェーン・ポイズン』『MOMENT』『WILL』『ストレイヤーズ・クロニクル』『at Home』『MEMORY』『魔術師の視線』『君の隣に』『Good old boys』『dele』などがある。

「2019年 『dele3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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