モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.31
  • (42)
  • (28)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 293
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771481

作品紹介・あらすじ

靴だけが帰ってくるようになったパパ。体調を崩したママのところには死に神までやってくる。モモちゃんと妹のアカネちゃんは少し大きくなって-結婚のみならず、離婚や別れとはなにかを明確に教えてくれた、日本で初めての物語。『モモちゃんとアカネちゃん』『ちいさいアカネちゃん』収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • とても素敵な本。
    この本が読みつづけられているのは、おとぎ話だけでなく、パパとママのさよならという現実が児童書に書かれているから大人からも読み続けているのだろうか。
    育つ木と歩く木の話は、少しリアル過ぎる気がしたが、表現としてなるほどと思った。
    おとぎ話としては、プーが金魚ではなく金魚水が好きなこと、ラクラク山のウサギがつくる雲の話が可愛く、子どもに読んであげたくなりました。
    子どもって純粋。だから可愛い。

    最後アカネちゃんが、ママに「パパもだれかにあげちゃったの?」は、なんてこたえるのが正解か長いこと考えてしまいました。

    • 9nanokaさん
      子供は純粋でどきっとするようなことを言いますね^^;
      あれは、聞かれたらどう答えればいいのかわからないです。
      私も木の話、なるほどと思い...
      子供は純粋でどきっとするようなことを言いますね^^;
      あれは、聞かれたらどう答えればいいのかわからないです。
      私も木の話、なるほどと思いました。歩く木の旦那さんは大変だなぁと^^;
      児童書ならではの表現が可愛いなと私も思いました。
      2014/11/03
  • 子供の頃に読んだハードカバーは、「ちいさいモモちゃん」「モモちゃんとプー」、そして3冊目が「モモちゃんとアカネちゃん」でした。

    だけど文庫になって、ハードカバー2冊分が1冊におさめられ、「モモちゃんとアカネちゃん」「ちいさいアカネちゃん」と続けて読むと、とても子供向きに書かれた本とは思えなくなりました。

    私の(勝手に思い込んでいるだけであっても)お友達であるはずの、モモちゃんのお話なのに。

    子供の頃、私が怖いと思ったのは、ママのところへ現れる死神ではなく、くつしか帰ってこないパパでした。家庭を顧みないパパなんだと思っていたのに、ママとモモちゃんとアカネちゃんが引っ越した後、置き忘れられたアカネちゃんのまりを見てたたずむパパの姿がさみしく思えて、混乱しました。

    文庫版には、ハードカバーにある挿絵は一切ありません。なのに、ページをめくると、この場面にはこんな挿絵、ここでのママはこんな顔をしていた、とひとつひとつが蘇ることに驚くと同時に、なんだかとても懐かしい、あたたかい気持ちになりました。

    もう何年も何年も、ずいぶん長いことモモちゃんには会っていませんでしたが、やっぱり彼女は今でも私の中に、あの頃のままで住んでいるのだと思いました。素敵な本に巡りあえたのだと、その幸運な出会いに感謝するばかりです。

    だから、本をよむのはやめられない。

  • 子供のときに大好きだったモモちゃんシリーズが文庫になっていた。帯に「結婚って、離婚って何?夫婦って何?これは、鳥肌がたつほど納得させられる物語です。」とあり、そんなお話だったっけ、という驚きとともに思わず購入。読んでビックリ、そして納得。こどもが読んでも大人が読んでも、こどもはこどもなりに、大人は大人として、離婚を受け止められるのではないか、というすごい内容。やはり実体験に基づいたフィクションは力強い。再読して良かった。帯には騙されることも時々ありますが、今回は踊らされてみて本当に良かったです。アカネちゃんのモデルとなった松谷みよ子さんの次女がまだこどものときに、「モモちゃんはおねえちゃんでアカネちゃんは自分なのだから、このお話の続きがあればどうして両親が別れてしまったかがわかるはず」と、松谷さんに「続きを書いて」とおねだりし、松谷さんがそこから時間をかけてようよう宿題を終えるような気持ちで書きあげたお話なのだそうです。すごい。

  • 『モモちゃんとアカネちゃん』、『ちいさいアカネちゃん』のお話を文庫化した本。ママとパパの2人をを木に例え、2人の進む道は別々であることが森のおばあさんによって示されるシーンは、小さい頃読んだ時も印象深かったことを思い出しました。

  • 子供の頃読んだモモちゃんとアカネちゃんが大人向けに文庫になってると知って読んでみた。
    中身は子供の頃に読んだものと同じだと思うが、子供の頃には見えなかった背景が見えてきた。
    お母さんの気持ちがリアルに伝わってきた。
    離婚なんていう厳しい現実を児童書の中に伝えていたと言う事にも些か驚いた。
    子供の私はその時はどんな風に捉えたのかもう知る由も無い。

  • トイアンナさんのブログとそこから導かれた紫原明子さんの文章がきっかけで手に取った一冊。子供達のファンタジックな挿話に、ママのつぶやきや思考が現実的に挟み込まれてきて。/人間って、ときどきヘビになるのじゃないかしらって。それは、自分でも気づかないときなのかもしれませんけれども。/「どちらも枯れる。それはいけないわ。だから、根分けしなくっちゃ。からまりあったねを分けて、息ができるようにしなくては…」/「ママ、タッタちゃんとタアタちゃんをあげちゃったみたいに、パパもだれかにあげちゃったの?」

  • 再読。モモちゃんがお姉ちゃんになって奮闘して、アカネちゃんはおしゃべりできるようになって…あたりまえのような成長だけど、子どもの世界と可能性の果てしない広がりにつくづく感心。
    歩く木と育つ木の話や「…すぐにふたりとも大きくなって、自分の道を歩いて行くのね」というママならではのため息が深く心に刻まれる。忘れちゃいけないプーの存在も、恐ろしい死神も、重い大人のリアルも、全てひっくるめて愛おしい物語。

  • 2012/1

  • 「ちいさいモモちゃん」の続編。

    アカネちゃんの生まれて初めてのお友達の靴下の双子「タッタちゃんとタアタちゃん」、「おいしいもののすきなくまさん」、「死に神」…個性的なキャラクター達が現実の世界で当然のようにモモちゃん達と話をするおとぎ話の要素がありながら、パパとママの離婚が容赦なく描かれていたり…。
    児童文学というカテゴリーにある物語ですが、大人でも引き込まれる世界観。

  • やっぱり面白い。

    モモちゃんは小学校入学~2年生?くらい、アカネちゃんは初めての誕生日~3歳くらいの時期のお話で、前半の『モモちゃんとアカネちゃん』でママとパパは離婚します。
    離婚に至るまでの夫婦の関係を、「近頃パパは靴だけ帰ってくる」というふうに表現します。ぞくっとする表現。

    母子家庭になったモモちゃん一家。
    ママは「はたらくママ」で、アカネちゃんは「赤ちゃんのいえ」に通い、ときには「おいしいもののすきなくまさん」他、リスさんやうさぎさんに預かってもらうこともあります。
    ひろこおばさんに映画につれていってもらうためにひとりで出掛けたモモちゃんは、すれ違う人たちに「ひとりでいくの?ママといっしょじゃないの?」と何度も聞かれ、よそゆきの服をふつうの服にわざわざ着替えに戻ってきます。
    何かと助けてくれる「おいしいもののすきなくまさん」の存在が本当にありがたい。

    今は離婚家庭もワーキングマザーも珍しくないけれど、珍しくないからって苦労しない訳ではなくて、モモちゃん一家にとっての「おいしいもののすきなくまさん」のような人が、それぞれの人生にいたらいい。

    松谷みよ子さんの自伝『じょうちゃん』というのがあるらしく、そちらも読んでみたい。

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1926年東京生まれ。児童文学作家。戦時中の1943年、童話『とかげのぼうや』を執筆。戦後、坪田譲治に師事し、1951年に『貝になった子供』を出版。1955年、瀬川拓男と結婚後、ともに民話の採訪に取り組み、共著『信濃の民話』『秋田の民話』を皮切りに、民話の採録・再話をつづける。
『龍の子太郎』(国際アンデルセン賞優良賞)、『ちいさいモモちゃん』(野間児童文芸賞)以降のモモちゃんシリーズ、『いないいないばあ』以降の「あかちゃんの本」シリーズや「あかちゃんのわらべうた」シリーズ、『朝鮮の民話』全3巻、『私のアンネ=フランク』(日本児童文学者協会)、『あの世からの火』(小学館文学賞)など著書多数。民話に関する著作に『昔話十二か月』全12巻、『現代民話考』全12巻、『現代の民話』など。

「2014年 『民話の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫)のその他の作品

松谷みよ子の作品

モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする