密室の如き籠るもの (講談社文庫)

著者 : 三津田信三
  • 講談社 (2012年5月15日発売)
3.52
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  • レビュー :49
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771528

作品紹介・あらすじ

猪丸(いまり)家に突然、謎の女が現れる。その名は、葦子(よしこ)。狐狗狸(こっくり)さんのお告げを伝える彼女が後妻に来てから、何かがおかしい……。そんなある日、屋敷の2階で密室殺人が起きた。惨事の元凶は狐狗狸さんなのか、はたまた……。旧家をおそった凄惨な事件を、刀城言耶が解明する!(「密室の如き籠るもの」) 表題作ほか、全4編収録。

刀城言耶シリーズ第一短編集、待望の文庫化です。

密室の如き籠るもの (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 三津田信三の「冬城言耶」シリーズの第四作目にあたる短編集。正確にいうと、短編が三本に、中長編(表題作)が一本。
    正直にいうと、前作(特に衝撃度がハンパない第一作=厭魅の如き憑くもの)ほどの迫力も、背筋の凍る怖さもない。・・・といっても面白くないわけではなく、これはこれで良くできているし、そこそこ面白いのよ。
    ただ、この本を読んではっきり明確に、このシリーズの構成要素&どこがおもしろいのか、が見えてきました。そう言う意味では収穫は大きかった。
    1、こわ~い怪異にはページ数が要る。
    身の毛もよだつようなホラー要素を十分に描写するには、つまり作品世界の情緒を引き出すにはかなりのページを割く必要がある。これは長編の強み。短編ではこれが必要最低限の状況説明で終わってしまうので(必然的に)、どうしても怖さに深みがない。
    2、このシリーズの構成がよく見える。
    謎(怪異)の提起→繰り返される過去の逸話→現在進行形のトラブル→言耶登場→巻き込まれる・リアルタイムで怪奇を体験→謎解き。長編だとこれが怪異ウンチク、人物情景描写、過去と現在両方のエピソード満載で、真相は注意深く隠されている。ミスリードや伏線もたっぷり。短編では物語の背骨がくっきり浮かび上がってしまう。言耶の謎ときが占める割合が多すぎて理屈っぽくなる。
    ・・・文句じゃありません(笑)。これはこれで面白かった。でも、もっと深く掘り下げてほしかった怪異がいっぱいで、若干心のこりです。

  • 刀城言耶シリーズの初の短編集。今までだと「天魔の如き」が唯一の短編でしたが、今回は短編集。といっても最後の表題作は中編くらいのボリュームですが。

    読んでみて・・表題作はなかなかに面白かったです。これまでと比べてそれほど遜色のない出来というか。
    ただあとの「短編」は正直ちょっと物足りない感じがしました。もともとが「その土地に根付く言い伝え」なんかを丹念に積み上げて雰囲気づくりをした上での事件、という流れが強いシリーズなのでそういう雰囲気を十分に作れないまま「こんな事件があって、真相はこれです」というさっぱりしすぎた印象が強い。ちょっと短編のボリュームではきついのかもしれないなあ、と。

  • 2007年から2009年にかけて『メフィスト』に掲載された短編3編と
    表題作である書き下ろし中編「密室の如き籠るもの」を加えた
    刊行順としては刀城言耶シリーズ第5作目に当たる短篇集。

    短編の物語の形式として、地方での怪異譚蒐集から東京に戻った際に
    怪想舎の編集者である祖父江偲から事件の相談を持ちかけられ・・・
    という形になっていて、「隙魔の如き覗くもの」は、
    物語の時期的に『凶鳥の如き忌むもの』で描かれている
    鳥憑島(ここでは鳥坏島ではない)での鳥人の儀の後に当たるので、
    「隙魔の如き覗くもの」の最後に『凶鳥の如き忌むもの』に関する
    思わぬ後日談が書かれていて、ちょっとホッコリしてしまった。

    刀城言耶シリーズの土着的ホラー部分が楽しめるのが
    「迷家の如く動くもの」なのに対して、
    ミステリーとしての部分が楽しめるのが「密室の如き籠るもの」。
    刀城言耶の密室講義や土壇場でのちゃぶ台返し、
    最後に残る薄気味悪さは、中編ながら長編作品で
    感じられるそれに近いものがあります。

  • 短編集でもシリーズの雰囲気は損なわれていないのはお見事。「迷家」と「隙魔」がホラーもミステリもいい感じ。そして「迷家」のオチは笑える。

  • このシリーズは全部読んでいて、面白いのだけれど、いかんせん長い、と思っていた。なので短編集はありがたく、怪奇な雰囲気はいくぶん損なわれるものの、私はこのくらいの長さの方が読みやすい。表題作は最後まで気がぬけず楽しかった。

  • 刀城言耶シリーズの短編集。

    このシリーズは前半で延々と
    地方に残る奇妙な風習や
    その地方の社会システム、
    人間模様を怪異譚を交えながら描き、
    事件の重要な伏線を
    サラリと幾重にも張り巡らせる。
    こうして物語の雰囲気を
    しっかり作り上げてから
    ようやく凄惨な事件が起こり、展開し、
    名物のどんでん返しが繰り返される
    謎解きが始まる形をとる。

    雰囲気のある物語はいつも通り楽しめが、
    ミステリとしては従来ほど重厚さ、
    緻密さを感じられなかったのは
    短編形式なので仕方ないところだろうか。

    「密室の如き〜」は短編という制約の中でも
    長編並みの高い完成度で素晴らしかった。

  • 怪異と合理的解釈が程よいバランスでよかった。
    祖父江偲は、祖父江耕介の妹なんだろうなぁ。『凶鳥のごとき忌むもの』との絡みもあったりと、三津田氏の本は読めば読むほどつながりがあって面白い。

  • 短編集ながら相変わらずよく作りこまれている。コックリさんに関する解釈が色々あることには驚いた。「秘室の如き籠るもの」の結末も二転三転して飽きさせないようになっている。個人的には「迷家の如き動くもの」が一番楽しめた。

  • シリーズ短編集。
    短編なのでいつものひっくり返し、ひっくり返し、ひっくり返し……そして漸く真相が……というようなものはありませんでしたが読みやすくてそしてやはりとても面白かったです。
    このシリーズ大好きです。途中途中に、今までの長編に出てきたあれこれがちらっと覗くのも楽しいです。長編を読んでいるとニヤリとしてしまいます。

  • 刀城言耶シリーズの短編集。
    長編読んだ後だと若干の物足りなさはあるけど、それでも面白いですね。

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