凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)

  • 講談社 (2012年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784062771542

作品紹介・あらすじ

空前絶後の人間消失。巫女が消える!見事な消失、ミステリー界騒然!! 瀬戸内海の鳥坏島、断崖絶壁の拝殿で行われる<鳥人の儀>とは何か? 刀城言耶シリーズ第二長編、待望の刊行。(講談社文庫)


空前絶後の人間消失。巫女が消える!
見事な消失、ミステリー界騒然!! 瀬戸内海の鳥坏島、断崖絶壁の拝殿で行われる<鳥人の儀>とは何か? 刀城言耶シリーズ第二長編、待望の刊行。

感想・レビュー・書評

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  • すごく好き。
    文句なしです。
    私の好みが凝縮されてます(*´ω`*)

    刀城言耶シリーズ第二弾!
    瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島。
    この島にある鵺敷神社の祭壇で、18年ぶりに「鳥人の儀」が行われる。
    その神事に参加する事ができた刀城言耶。
    儀式の最中に、巫女の朱音が姿を消してしまう。
    拝殿は崖の上に存在し、扉は言耶が見張り、密室状態であった。

    『厭魅の如き憑くもの』の時の感想と被るかもしれませんが、

    ホラー
    時代背景が昭和初期
    宗教
    不気味な言い伝え
    密室状態
    美しい巫女
    そして、ミステリーである。

    これはシリーズ全部貫かれるのかなぁ(*´﹃`*)
    もう外れませんよ。

    幽霊のような禍々しい怖さではなく、宗教・儀式とか、人間消失といった恐さですかね。
    島の名の由来であったり、神社の巫女の名前もとても綺麗。今回はモンゴル密教なども関連していて、宗教率濃い目。

    ネタバレしたくないからあまり言えないのがもどかしい…!

    前作とはまた違うホラーを楽しめます^_^

  • 刀城言耶シリーズ二作目。
    信仰や神事に懐疑的な人間が複数おり、密室からの人間消失というシチュエーションも相俟って、前作と比べて、ミステリ色が強めな作品。
    特に中盤に差し込まれる、"人間消失講義"は完全にミステリ小説のそれでした。
    ただ序盤の信仰と儀式に関する説明や、ラストのとあるシーンなど、怪奇要素もしっかり残っており、シリーズ特有のミステリとホラーの良い塩梅を楽しめました。

  • 鳥坏(とりつき)島の大鳥の間の祭壇で行われる儀式。鵺敷(ぬえじき)神社の巫女が代々行う秘儀であるのだが、18年前に行われた儀式は失敗に終わり、当時の巫女朱名(あかな)を含め立ち会った8人のうち7人が行方不明となる事態に。儀式に失敗した巫女は鳥女(とりめ)という化物になってしまうと言われている...。他の行方不明者は鳥女に襲われてしまったのか...? 唯一の生き残りは朱名の子供である朱音(あかね)、現在の巫女である。

    朱音は失敗した母の汚名を雪ぐため、また鵺敷神社の信仰をより強くするために18年ぶりに儀式を行うことに。小説家であり全国の怪異譚蒐集がライフワークになっている刀城言耶(とうじょうげんや)はこの儀式の噂を聞きつけ立ち会いを許可される。他には民俗学を研究しているという学生北代瑞子(きたしろたまこ)、鵺敷神社の使用人の赤黒と呼ばれる男、そして兜離(とり)の浦の住人4名。巫女も入れて8名が島に上陸することになるのだが奇しくも18年前と同じ人数である。嫌な予感しかしないのだが果たして儀式は成功するのか...。

    前半の書き込みがしっかりしていていきなり気持ちを掴まれた。推理フェーズに入った時は急にデジタルな感じになってストーリーの温度感がやや薄れた気がした。まぁ、後で理由がわかるのだが。ミスリードも多くあれかな?これかな?と頭の中でぐるぐると予想できて楽しく読めた。真相についてはにわかには信じ難い部分があって正直納得がいかない気持ちがないではないのだけど、文献にあるとのことなので矛を納める。自分で実際に見たわけではないのでそこはそうなんだと受け入れるしかない...。実際に見れないのが残念。

    とにかく鳥、とり、トリ...で頭の中が鳥だらけになることと思う。その土地だけの風習、伝説、特殊な環境と、世界観に没入しやすかった。

  • 鳥坏島で行われる鳥人の儀で起こる人間消失の謎。結末が予想外すぎだった…。
    頭の中で拝殿とか島の様子を想像しても、いまいちピンとこなかったなぁ…。少々図解が必要かも。

  • 刀城言耶シリーズ第二作目。前作『厭魅の如き憑くもの』より恐怖描写は少なく、密室での人間消失を描く、ミステリ指向の強い作品。特に、密室からの消失を論理で分類し、分析しようとする推理と、解決編の伏線回収は圧巻。前者だけでも凄いと思ってしまう。

  • シリーズ2作目。

    一作目ほどホラー要素は強くなかったですが、前回と同じで最後の最後の終わり方がすきです。

    密室のトリックは奇想天外。よくこんなことを思いついたなと。想像するだけでもおぞましいです笑


  • 刀城言耶シリーズ第2弾!!

    極上のクローズドサークル〜(*´﹃`*)

    あらすじ

    空前絶後の人間消失。巫女が消える!見事な消失、ミステリー界騒然!! 瀬戸内海の鳥坏島、断崖絶壁の拝殿で行われる<鳥人の儀>とは何か? 刀城言耶シリーズ第二長編


    舞台は絶海の孤島で行われる鳥人の儀……

    それに合わせての人間失踪事件!!

    前回の「厭魅の如き憑くもの 」よりかは少々怖さが半減した感はあるが!

    それでも全然問題なく!面白かった!!

    今回は儀式の為に人間が次々と失踪してしまうのだが……

    真相知った時の驚きは……うん!言葉には表せないが……とにかく…やばいっ!と思いました!

    とくに印象に残った事は…
    覚悟を決めた人間は
    めっちゃかっこいいーー!!と思いました!!

    やっぱりこのシリーズは、面白いな〜( •̀∀•́ )✧

  • ★2.5くらい。
    決してつまらなかったわけではないけど前作の方が面白かった。序盤の方は正直全然そそられなくてページをめくる手がかなり遅かった…
    今作はホラー感もほぼないし、クローズドサークルと言っても死体が出るわけでもなく静かにスッといなくなるから、恐ろしい殺人事件が起こってる感も感じられず…
    「特殊な状況下で人間が消えるにはどんな方法があるか」をひたすら淡々と検討していく話といった印象しか受けられなかったな。
    でも解説にあったように今作は〈推理〉がメインになっていてより本格ミステリ色が強いらしいからそう感じるのも当然っちゃ当然かもだけど私はもう少しホラー感ある方が良かったかなぁ…
    と言ってもみんなでこの方法はどうだこれはどうだと話し合ってるとこは確かに面白かった。

    (ただ、今作のキーである「鳥」が私は苦手で好きじゃないので最初からお話自体にあまり興味が持ててなかった部分もあるかもしれない…それは単純に私のせい^^;)

  • 詳細が不明な曰く付きの秘儀が十八年ぶりに行われると聞いた刀城言弥が立会人として参加すると、厳重に閉ざされた拝殿の中で巫女が消失する。その後同じ立会人が一人、また一人と姿を消していき…と、密室からの人間消失といった本格ミステリにはお馴染みのテーマだが、その枠組みが宗教的・秘儀的な要素に彩られて描かれる
    まさにと言った具合の推理の細やかさで、登場人物たちと同じ心境で推理に参加しながら読み進めていくことが出来た
    その直前の描写から謎解きにかけての内容はどんでん返しの数々で、驚くほかなかった
    作中張り巡らされた伏線があっという間に回収されて妖しげな雰囲気も残しつつ謎が解決されていくのが楽しかった!
    探偵役自身が立てた仮説を否定して、自分の思考の流れを追わせるような語りにはとても引き込まれた

  • 怪異と論理的思考を組み合わせた硬めのミステリー。
    民俗学的な謂れが長くてやや辟易したり、推理が格式ばりすぎて頭がついていかなかったりと読中疲れるが、次回作も読むこと間違いなしのシリーズ。

  • ホラーとミステリーが高次元融合をしている、という評価を受ける「刀城言耶シリーズ」の第二長編。講談社文庫の刊行順がぐちゃぐちゃになった原因的作品なので、検索するとだいたい「読む順番」が予測変換に出るのが面白い。

    読みながら思う事には、今回はホラー度が高くないぞ…で、「詳細不明の儀式が行われている密室状況からの消失」+「登場人物の限られた島ミステリー」+「毒チョコめいた意見出し合い展開」という、ザ・面白い本格推理という味わい。

    だったのだが

    読了後には、前作より心的ダメージのでかい私がいたのでした……。

  • シリーズ2作目。孤島で起きた儀式と、消えていく人々。この度は、警察が介入することなく、主人公が事件解き明かし、幕を下ろしました。でも、最後の最後に、これはただの事件では無かった可能性。。匂わせてくれる作者様に脱帽です。ハラハラ、ドキドキを、ありがとうございます!

  • 鳥坏島で十八年振りに執り行われる『鳥人の儀』。
    その儀式に参加した刀城言耶の目前で起きた人間消失。
    これは人々が崇める大鳥様の奇跡か、鳥女の呪いか、それとも事件なのか。
    驚愕の真相が待ち受ける怪奇ミステリー。
    謎の一つである『鳥人の儀』の意味を知った瞬間、背筋が凍った。

  • 多くの方が感想で書かれているように、島の地形図や建物の中がどうなっているか想像するのが難しかったけれど、何とか楽しめた(畳の下の板をはがすと岩肌、が不思議で仕方なかった…)

    衝撃的な儀式だったなぁ。
    ラストシーンはとても切なく、でも私はこの終わり方好きでした。

    1冊目よりは読みやすかったように思う。

  • 怖くない。怪異がない。仮説だけで話が進む。田舎っぽい爺様たちで知的な検討会なんて違和感ありすぎ。残念だ…。

  • 今回はミステリ寄り(前作が怪奇寄りでイマイチ受けなかったので、2作目はわざとミステリ色を強めにして執筆したと、講演会でおっしゃってました)。密室からの人の消失についてのパターン分け検討の部分などとても好き。
    ちょっと島の構造が判りにくくて理解しづらいところもありましたが、こういう伝承とのミックスっぷりが醸し出す雰囲気は大好物なので楽しく読めました。

  • 人間が消失する神事〈鳥人の儀〉とは何か?「こんな儀式がある」「こんな伝承がある」という民俗学トークがずーーーっと続き、200頁読んでも事件が起きない!前作以上に立ち上がりが遅くて流石に焦れったい。毎回こうなのかな?次作がミステリ最高峰らしいので期待…。

  • 刀城言耶シリーズ長篇の中では登場人物が少なく、複雑な家系図を把握する必要もないので読みやすい作品です。更に早々に限られた人数で舞台となる島に渡ってしまうため、起こる事件や怪異も多くありません。それなより必然的にシリーズの中ではミステリ色の強い作品になっています。
    また同じ理由で、ほぼ主人公の刀城言耶を中心で進むため混乱しないことに加え、彼の人柄もよくわかります。長くなるので詳しくは書きませんが、彼のある癖によって生じる笑いにつられて笑ってしまうのですが、誰も傷つかない笑いが心地いいです。
    事件が起きた理由が弱いとのレビューもありますが、そういうことが有り得た時代であり、そういったことも含めた、壮大なミステリとして楽しめる作品かと思います。

  • 途中までは現場のイメージが沸かず、やや苦しかった。しかし、事件発生後は言耶の本領発揮といったところ。可能性をピックアップしてつぶしていくのがやはり良い。何よりも、この設定によって動機面に正当性をもたせられるのが本当に見事だ。

  • 地方の漁師町で古来より信仰される孤島の神社。十八年前そこで秘密の儀式が催行され、巫女含む男女6人が彼女の娘一人を残して不可解にも消失した。そして今、その娘によって秘儀が再び行われ、彼女もまた消失してしまった。
    密室状態の拝殿からの消失、そこに残された異様な惨状を前に、読者は人智を超えた宗教的な力の作用を直感する。合理的な解釈の検討を試みる主人公を横目に、一人また一人と次々に一行が消失する様は、読者を恐怖に陥れると共に、現象の超自然性を強め、合理的解釈即ち事の真相への読者の注目度を格段に高める。不可解な言動や消失に伴う状況証拠、島を探索して得られた発見などから導き出された真相は、常人には到底想像もつかぬ様な、常軌を逸した内容であった。それは、秘儀が、その現象こそ合理的即現実的であれど、内容は極めて狂信的であったということを指し示し、読者にこれまでにない劇的なインパクトを残して、物語の幕を閉じる。
    読後感の強さが甚だしく、何か壮絶な体験をした感覚さえ得られる。途中の合理的解釈を検討する部分で間延びして少々の読み辛さを感じたものの、買って後悔のない一冊であった。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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