凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771542

作品紹介・あらすじ

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇"大鳥様の間"で巫女、朱音は神事"鳥人の儀"を執り行う。怪異譚蒐集の為、この地を訪ねた刀城言耶の目前で、謎の人間消失は起きた。大鳥様の奇跡か?鳥女と呼ばれる化け物の仕業か?『厭魅の如き憑くもの』に続く"刀城言耶"シリーズ第二長編待望の刊行。

感想・レビュー・書評

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  • すごく好き。
    文句なしです。
    私の好みが凝縮されてます(*´ω`*)

    刀城言耶シリーズ第二弾!
    瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島。
    この島にある鵺敷神社の祭壇で、18年ぶりに「鳥人の儀」が行われる。
    その神事に参加する事ができた刀城言耶。
    儀式の最中に、巫女の朱音が姿を消してしまう。
    拝殿は崖の上に存在し、扉は言耶が見張り、密室状態であった。

    『厭魅の如き憑くもの』の時の感想と被るかもしれませんが、

    ホラー
    時代背景が昭和初期
    宗教
    不気味な言い伝え
    密室状態
    美しい巫女
    そして、ミステリーである。

    これはシリーズ全部貫かれるのかなぁ(*´﹃`*)
    もう外れませんよ。

    幽霊のような禍々しい怖さではなく、宗教・儀式とか、人間消失といった恐さですかね。
    島の名の由来であったり、神社の巫女の名前もとても綺麗。今回はモンゴル密教なども関連していて、宗教率濃い目。

    ネタバレしたくないからあまり言えないのがもどかしい…!

    前作とはまた違うホラーを楽しめます^_^

  • 鳥坏(とりつき)島の大鳥の間の祭壇で行われる儀式。鵺敷(ぬえじき)神社の巫女が代々行う秘儀であるのだが、18年前に行われた儀式は失敗に終わり、当時の巫女朱名(あかな)を含め立ち会った8人のうち7人が行方不明となる事態に。儀式に失敗した巫女は鳥女(とりめ)という化物になってしまうと言われている...。他の行方不明者は鳥女に襲われてしまったのか...? 唯一の生き残りは朱名の子供である朱音(あかね)、現在の巫女である。

    朱音は失敗した母の汚名を雪ぐため、また鵺敷神社の信仰をより強くするために18年ぶりに儀式を行うことに。小説家であり全国の怪異譚蒐集がライフワークになっている刀城言耶(とうじょうげんや)はこの儀式の噂を聞きつけ立ち会いを許可される。他には民俗学を研究しているという学生北代瑞子(きたしろたまこ)、鵺敷神社の使用人の赤黒と呼ばれる男、そして兜離(とり)の浦の住人4名。巫女も入れて8名が島に上陸することになるのだが奇しくも18年前と同じ人数である。嫌な予感しかしないのだが果たして儀式は成功するのか...。

    前半の書き込みがしっかりしていていきなり気持ちを掴まれた。推理フェーズに入った時は急にデジタルな感じになってストーリーの温度感がやや薄れた気がした。まぁ、後で理由がわかるのだが。ミスリードも多くあれかな?これかな?と頭の中でぐるぐると予想できて楽しく読めた。真相についてはにわかには信じ難い部分があって正直納得がいかない気持ちがないではないのだけど、文献にあるとのことなので矛を納める。自分で実際に見たわけではないのでそこはそうなんだと受け入れるしかない...。実際に見れないのが残念。

    とにかく鳥、とり、トリ...で頭の中が鳥だらけになることと思う。その土地だけの風習、伝説、特殊な環境と、世界観に没入しやすかった。

  • 鳥坏島で行われる鳥人の儀で起こる人間消失の謎。結末が予想外すぎだった…。
    頭の中で拝殿とか島の様子を想像しても、いまいちピンとこなかったなぁ…。少々図解が必要かも。

  • 刀城言耶シリーズ第二作目。前作『厭魅の如き憑くもの』より恐怖描写は少なく、密室での人間消失を描く、ミステリ指向の強い作品。特に、密室からの消失を論理で分類し、分析しようとする推理と、解決編の伏線回収は圧巻。前者だけでも凄いと思ってしまう。

  • シリーズ2作目。

    一作目ほどホラー要素は強くなかったですが、前回と同じで最後の最後の終わり方がすきです。

    密室のトリックは奇想天外。よくこんなことを思いついたなと。想像するだけでもおぞましいです笑


  • 刀城言耶シリーズ第2弾!!

    極上のクローズドサークル〜(*´﹃`*)

    あらすじ

    空前絶後の人間消失。巫女が消える!見事な消失、ミステリー界騒然!! 瀬戸内海の鳥坏島、断崖絶壁の拝殿で行われる<鳥人の儀>とは何か? 刀城言耶シリーズ第二長編


    舞台は絶海の孤島で行われる鳥人の儀……

    それに合わせての人間失踪事件!!

    前回の「厭魅の如き憑くもの 」よりかは少々怖さが半減した感はあるが!

    それでも全然問題なく!面白かった!!

    今回は儀式の為に人間が次々と失踪してしまうのだが……

    真相知った時の驚きは……うん!言葉には表せないが……とにかく…やばいっ!と思いました!

    とくに印象に残った事は…
    覚悟を決めた人間は
    めっちゃかっこいいーー!!と思いました!!

    やっぱりこのシリーズは、面白いな〜( •̀∀•́ )✧

  • ホラーとミステリーが高次元融合をしている、という評価を受ける「刀城言耶シリーズ」の第二長編。講談社文庫の刊行順がぐちゃぐちゃになった原因的作品なので、検索するとだいたい「読む順番」が予測変換に出るのが面白い。

    読みながら思う事には、今回はホラー度が高くないぞ…で、「詳細不明の儀式が行われている密室状況からの消失」+「登場人物の限られた島ミステリー」+「毒チョコめいた意見出し合い展開」という、ザ・面白い本格推理という味わい。

    だったのだが

    読了後には、前作より心的ダメージのでかい私がいたのでした……。

  • シリーズ2作目。孤島で起きた儀式と、消えていく人々。この度は、警察が介入することなく、主人公が事件解き明かし、幕を下ろしました。でも、最後の最後に、これはただの事件では無かった可能性。。匂わせてくれる作者様に脱帽です。ハラハラ、ドキドキを、ありがとうございます!

  • 鳥坏島で十八年振りに執り行われる『鳥人の儀』。
    その儀式に参加した刀城言耶の目前で起きた人間消失。
    これは人々が崇める大鳥様の奇跡か、鳥女の呪いか、それとも事件なのか。
    驚愕の真相が待ち受ける怪奇ミステリー。
    謎の一つである『鳥人の儀』の意味を知った瞬間、背筋が凍った。

  • 多くの方が感想で書かれているように、島の地形図や建物の中がどうなっているか想像するのが難しかったけれど、何とか楽しめた(畳の下の板をはがすと岩肌、が不思議で仕方なかった…)

    衝撃的な儀式だったなぁ。
    ラストシーンはとても切なく、でも私はこの終わり方好きでした。

    1冊目よりは読みやすかったように思う。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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