さようなら窓 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 281
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771665

感想・レビュー・書評

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  • 最初の数ページから泣いてしまった…家で読んでたら泣きっぱなしだったと思う。甘やかされることで腐っていくじぶんを見ながら、どうしようもあるのに、どうしようもないとこにこだわることで、うまく生活のポケットの中に隠れる。学生だからこそできるし、家族だからこそ逃げられないし、遂に優しさが甘やかしにしか感じられなくなる…っていうのは、あーもーなんだかなぁ。究極でさびしすぎる一連のごっこ遊びに、いちいち泣いてしまいました。
    東さんの小説初めて読んだのですが、短歌の世界が解かれたような不思議さを感じて、これはどういうことかなーと思ったんだけど、たぶん複数の短編から構成されてるからだと思う。章立てというよりは、それぞれが独立してるように思えて、より世界観が切り取られた感じになるような。

  • ことばには「書きことば」、「話しことば」とあるけど、この本は「想いことば」で書かれてる。心で想う時のことばってたしかにこんなだ。

    寂しさは誰かにすがることでは埋められないと気付いたきいちゃん。
    えらかった。がんばったね、きいちゃん。

  • 東さんの物語は、いつもガラス越しでみているのような感じがする。それも、昔の手作りガラス。透明なはずなのに、ところどころゆがんだり、色が変わったり、きらきらしたり………。そして、手が届かない。十二の物語はどれも切なくて、ゆらゆらでキラキラしている。

  • ネタバレ
    西加奈子さん推薦
    「ふわふわしてる癖に、どうしたって胸を掴んで離さない」
    というのが気になって、あと、表紙がかわいくて購入。
    比較的薄い部類なので、サッと読めます。

    まずは、甘い!甘いよー。
    かなり最初のとこ
    ゆうちゃんの指は、その森の中を自由に、すばやく走りまわる、森のおおかみ。(引用)
    のところとかで
    あ、これ駄目かもって思ってしまったけど、最後まで読みました。

    読んでるとドキドキしてくる。(良い意味ではなく、ハラハラっていうか動悸に近い。笑)
    元(本当)のお父さんが実に嫌な人で、少しは良いところも見せて欲しかったかな。(まあ、そこはしょうがないのか?)
    好きなのは、くしゅの話!ミリさん!

    サルコも少し気になる話。

    そういう不思議な感覚、ふわふわ?した感じは好き。

    でも、読み終わった後の何とも言えない感じが、いやこの終わりでいいんだろうけど…、でも、っていうのが。うーん、何度も読み返したい!!!とは、ならないかなぁ。個人的な好みの問題かな!

    あとは、妹(異父姉妹)の希望ちゃん。
    姉妹間で、通じあえてないことってあるだろうな。近くにいても、家族でも。
    自分のことしか考えてなかったとか、きいちゃん気付けてよかったね。

  • きいちゃんとその恋人ゆうちゃんの連作短編集。
    痛みを感じないって、どんな感じなんだろう。

  • ふわふわときゅんとする、感じが好きです。
    ゆうちゃんはすてき男子。こんな人いたら甘え過ぎてしまいそう。

    不安定な人ってすごくいるけど、ただ甘えてるんじゃなくって、心が弱いんじゃなくって、難しいところにいるんだと思う。
    きいちゃんのように、何かのタイミングで気づいたり変われたりするといいな、って思う。

  • ひらがな多めの童話タッチのトーンで、全体の雰囲気も、ひとつひとつのエピソードも嫌いではないんですが、個人的には主人公「きいちゃん」のキャラが最大の難点でした。申し訳ないけど全く共感できない。

    他人と上手くまじわれないのは感受性が強いから、不幸な生い立ちだから変わった子に育っても仕方ないみたいな、自分を甘やかしてる感じがとても苦手です。結局そういうのって、弱い自分、繊細で傷つき易い自分が大好きで自己陶酔してるとしか思えない。不思議ちゃん、と括ってしまえばそれまでだけど、この子の言動があまりにも幼稚でイライラしすぎて、途中何度も本を投げそうになりました(こらこら)。「サイレントきつねさん」とか、素直な人はほのぼのするかもしれない場面で、「しばいたろか!」と思う私が心の汚れた大人なだけでしょうか。

    一方彼氏の「ゆうちゃん」は、基本的にはすごく良い子で、彼が「きいちゃん」に語って聞かせるエピソードはどれも一つの物語として成立していて、その部分はとても魅力的でした。ただあまりにも良い子すぎて、もういっそドリームっていうか、逆に都合の良いだけの男っていうか、あるいは逆に病んでる子しか好きになれない彼もまた病んでるのかなって思ってしまう(後者はある意味正解)。そういう意味ではラストだけは正解だと思うし、最終的にヒロインが成長するためにはスタート地点では未熟であることは必然なのかもしれないけれど、これはもう個人の感じ方ですよね。私は本当にこの主人公の性格は受け付けなかったし、絶対友達にもなりたくないし、結局最後まで拒否反応しか出なかった。心のきれいな人だけ読むがいいよ。

  • 帯タイトルは、
    「西加奈子さん推薦!
     ‘ふわふわしている癖に、
     どうしたって胸を掴んで離さない’」

    「眠れないなら、またなにか話をしてあげようか」
     眠る前に一編ずつ味わいたい、現代の「千夜一夜物語」



    文章の感じが小説っぽくないなーと思っていたら、
    歌人の方だったんですね。

    ゆうちゃんときいちゃん。

    気弱で生真面目で甘えん坊。
    たぶん、苛々する人もいるんでは。
    私は好きです。
    こーゆー、淡い感じの本。

    文章がまぁるい感じです。
    本当物語というか絵本というか、
    小説!って感じがしない一冊です。

    外では居場所を見つけられずに
    唯一自分でいられる場所が
    恋人である美容師ゆうちゃんの住むアパート。

    眠れないきいちゃんのために、
    ゆうちゃんが話す不思議な物語が主軸で
    展開していきます。

    ゆうちゃんが話す物語が
    きいちゃんの現実に少しずつ影響していき
    不思議な出来事も起こります。

    最後、
    きいちゃんも
    ゆうちゃんも
    自分自身や相手を見つめて
    動き出すように
    切なくて優しいハッピーエンドでした。

    最初の一編が「青鬼」でしたが、
    最後まで読むと、
    すごく納得なんです。

    一冊全部読み切って
    青鬼を読み返すと、
    そーなのかあ、最初が青鬼だったのって
    意味があったのかな、って。

    やさしくて綺麗で愛しいだけではなくて、
    どこか終わりや最後を感じさせてくれるスパイスが入っています。

    「どっかにぶつかってもさあ、
     気がつかなくて、
     どんどん当たっちゃって、
     こうなっちゃうんだよね。
     痛くなさすぎて、
     生きてるかどうかも分かんないって感じ。
     もう人生そのものがわけ分かんない」


    愛しく不器用な人ばかり。
    優しくて不器用な人ばかり。
    自分勝手でワガママで憎めない人たち。

    青鬼はどうなったんだろう。
    どんな気持ちだったんだろう。

  • ゆうちゃんときいちゃんの幸せな生活。幸せな生活がなぜか悲しいのはそれがいつか終わるから。

    それにしてもピョートル大帝はその後どうなったのでしょう。

  • 反則だ、と思う。説明したくないな、と思う。ただ一つ言えるのは、わたしはきいちゃんではないのに、どうしようもない気持ちになったということ。

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著者プロフィール

1963年広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』、エッセイ集に『短歌の不思議』など。穂村弘との共著に『回転ドアは、順番に』がある。

「2019年 『しびれる短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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さようなら窓 単行本 さようなら窓 東直子

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