さようなら窓 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771665

感想・レビュー・書評

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  • 歌人の著者。
    小説は初めて読んだ。
    雰囲気がすごく好き。
    なんだろ、色で言ったら、薄い水色か緑色な
    さやさや~とした感じの文章がとてもここちよかった。
    登場人物がみんなどこか不思議だけど優しくて、好きです

    引用。

    「仕方のないことって、どうしてこう、人生にまとわりついてくるんだろう、とため息をつきそうになった。」

    「あたしとゆうちゃんも、の続きは『ジャムみたいだね』だった。
     でも、そう言ったとたん、今のできごとが全部ジャムみたいにかたまって、
     思い出にかわってしまいそうでこわくなったのだ。だから、言わなかった。
     あたしとゆうちゃんの時間は、小さな炎で煮続けていくんだ。
     ずっとずっと、どんなに小さな炎でも、かまわないから。」

    「あたしの中に、『加減のわかる装置』のようなものがあればいいのに。
     いろいろなことの加減ができる装置。とくに心の加減の。」

    「おれは、男のストーカーなんかじゃなくて、この世でたった一人の、
     ずっとそばにいてくれる女の子が欲しいんだよ」

    「ゆうちゃんがあたし一人のものじゃないってこと、分かってる。
     よく分かってる。でも、今はここにいてほしい」

    「ゆうちゃん、好き。大好き。ゆうちゃんも、あたしのこと、ずっと好きでいてね。ウソでもいいから」

  • 登場人物の頼りなさも優しさも強さも、ひとつひとつの台詞も、全部まるごと大事にしたくなる。ここまで感覚的に読める小説もなかなかない。ふわっとしていながらもしっかりと着地するような、不思議な言葉の魅力がある。ひとりの目線から見る世界がふたり、その周りへと広がっていく過程がとても心地よく、儚くも何かが残る物語。

  • 2008年3月にマガジンハウス社から単行本として出版されたものを文庫化。

    メンタルに問題を抱えた20歳の娘・築(きずき)が、再生の道を歩みはじめるまでの12編の物語。きずきを支える心優しき美容師のゆうちゃんとの同棲生活が、いかにも現代的。でも、こんなに優しき男の子がいるかよと突っ込みたくなる内容。

    時系列に沿った12編の短編が一つの物語を構成するのだが、短いタイトルからなる各短編が独立した物語としても読める。次第に明らかになる、きずきの複雑な家庭環境。眠れぬきずきに聞かせる、ゆうちゃんの寝物語が実にユニーク。

  • こんなのには年を取りすぎてしまった。
    主人公中学生にしたらいいんじゃないか。
    精神年齢は小学生。

  • ちょっとワケありな家族と離れ、美容師をしている恋人の部屋に居候している女子大生が主人公です。彼女は少しばかり心のバランスを崩していて、大学も休学中。何をするでもなく、ただただ日々をやり過ごしています。そんな彼女が眠れない夜は、恋人がお話を聴かせてくれます。それは、子供の頃の友人の話であったり、むかし近所に住んでいた人の話であったり、アルバイトをしていた頃の同僚の話であったりです。著者は歌人でもありますから、言葉の使い方がとても巧みです。どれも取り留めのないお話のようですが、なんだか妙に心に引っ掛かります。
    ときには、なんだかおかしな人と関わりを持ったりしながら、少しずつ前に歩み始める主人公なのですが、得てしてこの世に命を繋ぎとめるもととなっているのは、取るに足りない日常的なことなのかもしれませんネ。

  • ほっこりなるけれども切ない。
    最後はあれで良かったのかも知れないけども、自分としては胸がぎゅーとなって辛くなったので4つ星。
    大好きな一冊になった。

  • 「岩ちゃん」が好き。子どもすぎやしないかい。

  • とても優しいけど、切ないお話しでした。

  • 表紙がかわいいなぁと思い購入。
    主人公のあまりの頼りなさ、子供っぽさ加減に
    イライラすること多々ありましたが
    なんとか無事に読み終えました。
    全体的に暗い話ばかりの印象で
    この先読み返すことはないかもしれないけれど
    ひとつひとつのエピソードに出てくる
    キーになる人物や動物は、この先忘れることないかもしれない。
    そのくらい印象に残る話ばかりでした。

    この本に対する私の評価が低いのは、
    恋愛物語があまり好きではないからかもしれません。
    女の子にはお勧めの1冊かもしれないなと思いつつ
    書棚の奥に入れてたまには表紙を眺めたいです。

  • なんとも言えない感情でいっぱいになった。

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著者プロフィール

1963年広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』、エッセイ集に『短歌の不思議』など。穂村弘との共著に『回転ドアは、順番に』がある。

「2019年 『しびれる短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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