千世と与一郎の関ヶ原 (講談社文庫)

著者 : 佐藤雅美
  • 講談社 (2012年2月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771849

作品紹介

細川忠興の嫡子与一郎は秀吉の仲立ちで前田利家の七女千世を娶った。睦まじい夫婦ぶりも束の間、秀吉の死後家康から前田家との縁切りを迫られる。姑の玉も石田三成が人質にとろうとするのを拒んで自害し、追い詰められた千世は屋敷を逃れて落魄の身に…。関ヶ原の思わぬ実像を描き出した傑作歴史小説。

千世と与一郎の関ヶ原 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ずばり、面白くなかった。

    細川忠隆と前田千世は夫婦。忠隆が廃嫡されてしまった後も離縁しなかったり、徳川から離縁を申し渡されても離縁しなかったりと愛情の存在と数奇な人生が想像される。

    この本の帯を見て存在を知り、興味を持ち、手に取ったが、実際の中身で忠隆と千世夫婦の話が出てくるのは3%位。
    主人公不在の歴史を読むようで、ただただしんどかったし、とってもがっかりした。

  • 千世と与一郎ってより細川家の関ヶ原。忠興の存在が強すぎて忠隆がずっとぼけ~っとしてる印象。全体的に細川兄弟のやりとりがとってもかわいかった。

  • 本作の与一郎のような、大名家の嫡子ともなれば「何処までも公人」という存在であることを求められたかもしれない。「公人」として「公人」たる妻―他の有力な大名家の娘―を娶った筈だったが…二人は互いに「私人」として、仲睦まじい夫婦となって行ったことで、“波紋”が起こってしまう…色々と「読みどころ」の多い作品で愉しかった…

  •  う~む、さてさて。佐藤雅美の市井捕物シリーズはまあまあなんだけど、こういう歴史物は今ひとつなんだよな。悪いというのではない、読み手がそれについていけないということなんだろうけど。
     千世と与一郎というのは、細川忠興の嫡男忠隆と内儀千世。この話は同じ著者が「戦国女人抄おんなのみち」の中の“新婚夫婦を翻弄した家康の苛酷な命”という章に書いている。それをふくらませて関ヶ原の戦い前後の史実を交えて長篇化したのが本作。
     まあ忠隆と千世の世過ぎの仕方には何も言うまい。戦国の世にはあるまじき未練なという見方もあるだろうけれど、生き方は人それぞれ、他人がとやかくいうことはない。細川ガラシャこと玉の生きざまは立派だけど、それが当たり前といえるほど人間は強くないし、現代からみて逃げた千世、逃がした忠隆をどうこう言うのはどうかと思う。
     それはともかく、関ヶ原前後の緊迫するやりとりが本作の主題ではある。そこを綿密に読み込めばおもしろいのだろうとは思う。だけど、誰それの軍勢がどこそこに何万、かなたの誰かの手勢があそこに何千ありそれがどう動いて、というのをきちんと把握して読み進むというのがぼくにはできない。本作全体の人間ドラマにそれは瑣末事のように思えて読み飛ばしてしまうからだ。著者はそういうところこそ力を入れて従来の諸説を勘案しながら独自の解釈を加えて書きこんでいるのだから、それを飛ばしては申し訳ないというか読む意味が減じるのだろうけれど、そこまでメモしたり記憶したりしながら緻密に読む気にはなれないんだよな。
     というわけでこんな低い評価になってしまった著者には申し訳ない。だけどこれを司馬遼太郎が書いたら、いかにも人間くさいドラマで一気に読ませる作品になって★5個がつくのも事実。作品の巧拙ではなく、軸足をどこに置くかという違いなんだろうか。

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