- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062772174
作品紹介・あらすじ
継母と弟を斬り堀越公方となった足利茶々丸。遊女・香月を伴い奥修善寺の隠し湯へ赴いた茶々丸は、湯壷で痩せぎすの若僧と打ち解ける。その正体も知らず-(「修善寺の菩薩」)。戦国黎明期を駆けた伊勢宗瑞こと北条早雲とは破滅の凶手か、革命の嚆矢か。宗瑞が照らし出す名だたる武将たちの光と影を描いた名篇集。
感想・レビュー・書評
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この時代の関東は複雑で、その辺りの背景をこの作品だけで理解するのが難しくて苦労した。
ただ、物語としては面白かった。
北条、今川あたりは詳しく勉強してみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
道灌謀殺
守護家の馬丁
修善寺の菩薩
箱根山の守護神
稀なる人
かわらけ
解説 末國善己 -
太田道灌、扇谷上杉定正、足利茶々丸、伊勢宗瑞らの短編集。良きにつけ悪しきにつけ、この時代というのは、互いに戦場で見える無骨な武将の世てすね。これは、これで、人間臭く、面白い。
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伊勢宗瑞が周囲の人物を描き出しているのか、周囲の人物たちが伊勢宗瑞を描き出しているのか。
自分は周囲を見、周囲は自分を見ている。双方から見ることによって、より立体的になってくる。
道灌の死を描いた「道灌謀殺」、茶々丸の死を描いた「修善寺の菩薩」、今川氏親を描いた「稀なる人」……「かわらけ」も良かった。構成もよく練られていて、どんでん返しがあったりと、読む手が止まらなかった。 -
普通でした。
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天地雷動ですっかり、伊東潤のリズミカルな展開にどうもはまってしまったらしい。今回の小説は、早雲の誕生に関係する人物を通して描いていくもので、短編の手法ではあるものの、いずれも人物像に深みを感じさせる。他の短編集も同様のようだ。早雲の実像を知ることができる貴重な一冊。
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北条早雲の呼称で有名な伊勢新九郎入道宗瑞を狂言回しに、戦国前夜の関東の戦乱を描く短編集。
それぞれのエピソードが連続しているので状況を掴みやすいかわりに、この時代に馴染みのない読者向けの説明が吸引力のある物語のテンポを乱していて残念。でもおかげでこの時代への興味が俄然湧いてきた。 -
早雲に関係した人物たち(道灌、扇谷上杉定正、茶々丸たち)の物語
早雲が何らかの影響を与えている -
7つの短編はいってます。
それぞれ主人公は違えど、室町後期~戦国時代へと移り変わる関東の戦乱です。
7つ全てで暗躍する北条早雲。一つの話は、別の人間の話だけど、通して読み終わったときに、早雲の話として完了します。
ここにも早雲、あそこにも早雲。
その構成がしびれますね。
個人的には、この時代の人間関係がイマイチ把握しきれていないので、読み進むのに時間かかりました。
短編なので、振り返るのも楽だけど、いかんせん人間関係の把握がね。洋の東西問わず、どの時代でもそれは同じことですが。
なぜか室町後期の人間関係って、抜けてるんですよ。
そんなに、今まで接してこなかったのかなぁ?信長が、張り切りだす時期のほうが、接しやすいからかな?
まだまだ知らないことたくさんです。
楽しみが尽きなくて、ありがたいです。 -
北条早雲を描く短編集。
必ずしも、早雲が主役ではないところがとても面白い。
正直、戦国時代に関する知識が乏しいのだが、伊東氏の本は全く知らない人物や出来事であっても、読めてしまうのがすごい。