猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2166
レビュー : 284
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772211

作品紹介・あらすじ

お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。
笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生! 
TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。2012年4月には、TBSでTVドラマが放映されました。
表紙のイラストはカスヤナガトさん。

感想・レビュー・書評

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  • ある事件を担当・解決したことからペット問題(なかでも猫)専門の弁護士と世間に思われている百瀬太郎。
    優秀な頭脳と優しすぎるハートのバランスが悪く、そのせいか事務所は年中火の車だし、お見合いも上手くいかない。
    そんな百瀬の事務所に舞い込んだやっかいな依頼。

    猫が11匹もいる事務所!
    猫好きにはそれだけでテンションあがります。
    百瀬さんの事務所で働きたい(笑)

    イメージぴったりの吉岡秀隆さんの百瀬さんはもちろん、猫もたくさん出ていたであろうドラマを観損ねたのが残念~。


    以下、内容について。進むにつれネタバレ気味なのでご注意を。

    作者がもともと脚本を書いておられたこと、ドラマの原作として書かれたこと、のせいか、簡潔でテンポが良い文章とシーンの切り替えでサクサク読める。
    反面、情景や心情の書き込みが少し薄い気も。

    平行して進む複数のエピソードと人物がだんだん繋がっていくのが、2時間ドラマ的ご都合主義で「どれだけ世間が狭いのよ?!」と突っ込んでしまったけれど、取りこぼしなく全てのピースが収まるところに収まるのでスッキリする。

    どれだけご都合主義でも、登場人物がみんな幸せになるお話は好きだ。
    「時間をかけてあらゆる制度を総動員し、オールハッピー」に導く百瀬さんのキャラが活きている。

    大河内親子は二人とも素直に表現できないけれど、根っこはとても愛情深い。似たもの親子なんだなぁ。
    母親を超えよう・倒そうと常に考えて、憎むほどになってしまった『究極のマザコン』の息子。
    口では「死ね」やら「犯人が殺してくれてれば」など物騒で親不孝な言葉を言うが、いざ母親が殺された?!となるや赤鬼のような形相で犯人に襲いかかる。
    かたや、ケンカ越しな物言いでわざと怒らせることで息子の背中を押す母親。
    「母親の気持ちなど男にわかるものか」と三千代は言う。
    けれど、わたしは進も心のどこかでわかっていると思いたい。

    ラスト、七重の語る悲しい思い出。ひまわりの色。
    最後にこの人にもっていかれるとは。

  • 猫がらみの事件が多い弁護士の話。
    表紙イラストのイメージで期待したとおり。
    ひょうひょうとした主人公の、ユーモラスな話です。

    百瀬太郎は、キャリア15年の弁護士。
    東大を卒業した年に弁護士となり、大手のオフィスに所属、世田谷猫屋敷事件をまるくおさめました。
    それが評判となってペットにかかわる事件が殺到しすぎたため、独立。小さな事務所を構えて5年になります。
    事務所には10匹を越す猫がいて、事務員の七重は猫の世話ばかりに忙しい。
    もうかっているとはいえないけれど、仕事は途切れなく舞い込みます。

    百瀬は痩せた身体に安い背広を着て、見た目はあまりぱっとしない。
    じつは婚活のため、結婚相談所に通っているが、30連敗中。
    その理由とは?

    靴が汚れた百瀬は、たまたま近くにいた靴磨きの老婆に、片方だけを見事にぴかぴかにしてもらいます。
    靴を買いに行き、シンデレラ・シューズの見事な靴を買ってみることに。普段は買わない高価な品だけど、実に足にぴったり来るのでした。

    霊柩車が盗まれたので取り返してほしいという依頼を受け、これがシンデレラ・シューズの社長・大河内から。
    社長の母である会長の葬儀の後のことでした。
    遺体の身代金を要求する電話がかかってきたので、身代金を届けるなど交渉を一切任せるというのですが‥?

    とぼけたテンポで淡々と進むうち、癖のある登場人物が次第に生き生きと絡み合います。
    ただ、百瀬は天才ということになっているけど、あまりそういう感じはしないですねえ。
    偶然というかめぐり合わせで解決するので、ご都合主義には違いないけど~心地よく読めて、キャラや台詞にところどころ光るものがあるので、十分かも。

    うまくいかない夫婦も母子もどこかで心通い合い、うまくいかない婚活も意外な進展へ。
    文句を言う事務員さえも最後の発言に真意が見えて、と心うたれるハッピーエンド。
    読後感はとても良い!

    2011年にTBS・講談社第3回ドラマ原作大賞を受賞した作品。
    すでにドラマ化され、続きも出ています。

  • こんなに大団円なすべてが幸せに包まれるような
    ハッピーエンドがあるんだろうかというほどの幸せに
    包まれた読後感でした!!!!!

    読んでいる途中は、見えてくる筋もいくつかあったりするので
    こんな感じかなぁ…なんて下手に推理なんてしてたら
    当たっている部分も細かく予想を超えてくれることが
    たくさん用意されていて、最後は号泣でした。

    いやな人も出てくるのに、最後にはすべてをまぁるくしてくれる
    猫弁こと百瀬弁護士。気弱なようで芯がしっかりとした
    根っからの優しいあったかいヒーローです。
    ほんとうに優しい人はココロが強い人。百瀬弁護士はほんとうに
    そんなタイプのステキな人でした。

    ちょっと…と思う登場人物もいつしかステキで
    大好きな人に変わっていく、ほんとうに幸せな物語でした。
    続編も買ってあるので、読むのがすごく楽しみです!

    • しをん。さん
      おおお!
      そんな素敵な本だったとは…。
      古本屋さんで表紙が凄く素敵で、手に入れたのですがいざ一文目を読んでみると…。

      これを機に、また読ん...
      おおお!
      そんな素敵な本だったとは…。
      古本屋さんで表紙が凄く素敵で、手に入れたのですがいざ一文目を読んでみると…。

      これを機に、また読んでみようと思います^^♪
      2012/12/02
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡えぬちゃん

      本の後でドラマを見てみたけど、ドラマもほんっとに
      ステキな世界でステキだねーー♡
      本ではドラマに書かれてなかっ...
      [♥óܫò]∠♡えぬちゃん

      本の後でドラマを見てみたけど、ドラマもほんっとに
      ステキな世界でステキだねーー♡
      本ではドラマに書かれてなかった細かな部分を補完してくれて
      それが1つ1つすごくあったかくてステキだったよ~♡

      こからもあったかい百瀬さんシリーズが長く続いてほしいよね♡
      2012/12/03
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡紫苑さん

      ご都合主義で進んでいくところもあるんですが[笑]
      でも、ここまでのハッピーエンドならそれも構わないから
      ど...
      [♥óܫò]∠♡紫苑さん

      ご都合主義で進んでいくところもあるんですが[笑]
      でも、ここまでのハッピーエンドならそれも構わないから
      どんどんハッピーな方向にオネガイっ!!!って思っちゃうぐらい[笑]
      みんなが優しさに溢れてしまうハッピーエンドで
      こんな法律の魔法が使える人がいたらステキだなぁって思う1冊でした♡

      紫苑さんにとってもステキな魔法でありますように☆
      2012/12/03
  • 面白かった。
    特に最後のパターンは好きです。
    猫が好きな人はどうなんでしょう?
    より楽しく読むのでしょうか。

    • 9nanokaさん
      私も最後好きでした。
      確かに、猫好きは見方が違うかもしれませんね。これが犬(夢)弁だったらとてもありがたかったです笑。
      私も最後好きでした。
      確かに、猫好きは見方が違うかもしれませんね。これが犬(夢)弁だったらとてもありがたかったです笑。
      2014/09/08
  • どのキャラクターも魅力的で可愛らしい。
    登場人物同士が繋がっていることに後から気づく。面白かった。

    • komoroさん
      タイトルから猫の言葉が、わかる人の話ですか?
      猫弁?
      想像できない小説ですね。
      9nanokaさんが面白かった本、読んでみたいです。(...
      タイトルから猫の言葉が、わかる人の話ですか?
      猫弁?
      想像できない小説ですね。
      9nanokaさんが面白かった本、読んでみたいです。(^-^)
      2014/08/24
  • ミステリー二冊目。主人公が道端で排泄物(しかも人間の)を踏んでしまう所から始まった時は、どうなることかと思いましたが面白かったです。
    内容は、よくある探偵モノのような感じ(こちらは弁護士ですけど)。
    おかしな依頼ばかりで、でも実は全て繋がっている。
    犯人も霊柩車を盗むなんて、とんだお馬鹿さんですよね。けれど、人が人を呼ぶ、そんな見えない鎖が連鎖されていき、最後はスッキリ大団円。
    潔く、王道をいくストーリーで読んでいて気持ちよかったです。
    一番よかったのは最後の、黄色いドア。
    なるほど!が、いくつもあって、いい終わり方だったと思います。
    楽しくスラスラ読めました。
    ドラマやってたんですね。見てみたいです。

  • ドラマ原作大賞受賞だけあって、シーンの切り替えがドラマっぽいです。
    ドラマっぽいゆえに、第三者的目線ですべてが書かれていて、人物の人となりが掘り下げられていない。
    ふだんであれば、登場人物の誰かしらに感情移入、あるいは共感しながら読み進めるのですが、これはそうではなかった。ですが、つまんないと感じることがなかったです。

    おそらく枠が決まっているからでしょうか。ピースがぱちんぱちんとはまっていくラストにかけての駆け足感と詰め込み感が少し目立ちましたが大団円。
    登場人物のほぼ全員が幸せになるラストって、やっぱりいいなぁ。

    (鈍感なわたしにも)わかりやすいミステリーでした。
    続編も出ているということで、読みたいと思います。

  • メガネを消さない理由と黄色いドア。ハートフルにゃんにゃんミステリー。なんでこんないい奴が30連敗なんだ。リアリティがない!と思いながら読んでましたが・・・この理由ならイイ!イイヨ!( ゚Д゚)b何か勘違いで大福さんは仲人のオバチャン的なものを想像してたから、全然オチが読めなかったのも結果良かった。

  • 伏線が良く回収されていて、面白かった。ドラマ版も観てみたい。

  • 吉岡さんのイメージにあまりにもぴったりなのでおかしくなりました。
    お見合い30連敗のさえない弁護士さんのお話。
    事件も笑えるような物で、ホッコリ系のミステリーです。
    気軽に読めます

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。
2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。
2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に「あずかりやさん」シリーズ、『赤い靴』、『通夜女』など。「猫弁」シリーズは多くの読者に愛され大ヒットを記録したものの、惜しまれつつ、2014年に第1部完結。本作は百瀬と亜子の新しい物語のスタートである。

「2020年 『猫弁と星の王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大山淳子の作品

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