ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 630
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772242

感想・レビュー・書評

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  • 長く内容が重い小説だった。母親を殺した娘が失踪。それを仲の良かった同級生の主人公が探すストーリーだけど、主人公が関わりがあった人の話を聞くうちに女性特有のマウンティングが出てくる出てくる。これがディープにリアルに書かれていて凄いと思う。登場人物の女性、みんなキャラクターが違うのに、それぞれが持ってる感情を理解できる。娘を支配したいタイプが真逆な2人の母親も鍵。主人公の母親はイヤだなぁ。タイトルはどこから?と思っていたがラストでわかる。深いです。

  • みずほのように、お互い真正面から向き合えない親子。チエミのように、近すぎて離れられない親子。
    どちらも対照的な関係性だけど、母親が子に残すものは大きい、ということには変わりない。
    みずほの母親のように、親のちょっとした悪戯が、子どもにとっては大きな心の傷になり得ることを、覚えておかなければと思った。

    娘目線でも、母親目線でも、考えさせられる。
    幼い私に母がしてくれたこと、されたこと。
    そして、自分の子どもたちにしてやれること。
    今は腕の中におさまる小さなこの子たちが、大人になって、母親のことをどんな風に思い出すのか。

  • 辻村深月さんの作品が好きだ。
    もう何作目だろう。

    けれど、辻村作品の中ではそこまで評価は高くできない。
    フラグ回収度が低かったから。
    出てくる女性たちに魅力を感じなかったから。

    いや、女性心理は見事に表現している。
    表面的な付き合いとか、本音と建て前とか。
    様々なシーン。
    女性である私にとってはどこかで体験したような対人関係。

    感動ポイントはゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
    タイトルの意味が明かされる時がイチバンのクライマックス。
    そこは相変わらず上手いなと思った。
    作中、タイトルが全く繋がらなかったから気になっていたのだ。

    と言うわけで、面白くはあったけど再読はしないだろうということで☆3つ。

  • 『 頭が割れそうな痛みと戦いながら』

    咳をしながらコーヒーを片手に読んだ本は、今の私に必要な物語だった。

    女ってなんだろうね。本能と煩悩の生き物。もちろん作品はフィクションだけれど、この生々しいほどの感情の渦は作り物ではない。

    物語の主人公になったら人は気付けないことばかりだ。ありがとうもさようならも、ごめんなさいも、また明日ねも。当たり前のようで、当たり前じゃない。劣化コピーペーストのように感じる日々の中で、掴んだものは確かな光。出口か入口かはわからないけれど、それは生に宿るもの。

    辻村深月、久しぶりに読んだけれど、彼女の作品は薬のような毒だ。抗体を作るか、ショックで死ぬかは体質次第だろう。

  • 私の嫌いな女同志のいやな関係(友人や母娘の関係)で途中までは辟易したけれど、ゼロハチゼロナナの謎が解けたとき
    私まで救われた気がした。

  • 決して悪くはないけど、読み返すことはないかなと思う。
    登場する女性たちに共感しつつも、女性の友情の定義や本質がまたわからなくなった。

  • 母と娘、そして女同士の関係を中心としたミステリー仕立ての物語。
    正直、男の自分にとってはいまいち..っていうか、ここに描かれている女性たちって面倒くさッ(笑)
    描写が奥深いところまで描かれているので、きっと、世の中の女性達には「あるある」っていう感じなんだろうなぁとは思いますがちょっと辛い。
    登場人物のだれにも感情移入出来ませんでした。

    ストーリとしては、アラサーの二人の娘がメインの物語。
    一人は、田舎で金持ちの家で育ち、一流大学をでて、結婚して、ジャーナリストとして雑誌に名前付きで記事をかく「みずほ」
    もう一人は、その幼馴染で親友だけど、母親を殺して、失踪している「チエミ」
    みずほがチエミの行方を捜そうと、田舎に戻って、当時の友人たちからヒアリングをしていく中で、女同士のどろどろっとした人間関係、嫉妬、さげすみ、そして、母娘のコントロールをこれでもかというぐらい語っていきます。
    いろんなタイプの女性が出て来て、女性同士の関係をいろいろ語られ、おなかいっぱい(笑)

    なぜ、チエミはにげたのか?
    チエミはどこにいるのか?
    母親を殺した理由は?
    といった展開です。
    女性の関係話がメインなので、それほどミステリー色が強いわけではありません。
    なので、驚愕の真実は?ということでもありません。
    本当に明かされたのは母と娘の関係
    そして女性達の生きざま

    そんな中、唯一、ぐっときたのは、本書の「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」の意味が明らかになったところ。

    女性にはきっとお勧め。
    女性の気持ちを知りたい男性にもたぶんお勧め

  • 人が死んでしまったら、最後がどんなに良くても前向きでも、それはハッピーエンドとは思えないよ…
    小説の半分以上を占める、下の上だけど、自分は平均以上の幸せを掴みたい、つまり短大卒で地味で閉鎖的な田舎だけど、結婚したくて選ばれたくて、30手前で周りが結婚してく焦りと見栄とうまくいってるふりをしてでも男に振られて喧嘩して縋ってでもやっぱり振られて、価値観も教養も低くお母さんにべったりな女の子、ドロドロ感という他人からの冷静な評価の話が自己嫌悪なのか何なのか、心が削られてキリキリした。
    対極的な存在であるみずほちゃんも、計算高く知的でありながらちょっと臆病で闇を抱えててそれを内省する、、

    辻村さんの描く女性の、個人的に苦手な部分がつまったお話でした。
    私はハッピーエンドを求めている!

    もう少し若いときに、もしくはおばさんになって落ち着いてから、他人事としてこれを読みたい。

  • 女性同士の難しい関係性がとても鮮烈にうまく描かれていた。
    それは本当に嫌になるほど覚えのある感情で、女性の心の醜さをすべてさらけ出した物語だなあと。
    もう少し歳を重ねて読み返すと、また違った感じ方をするかもしれないので、またきっといつか。

  • 女同士のやりとりがリアル。
    だからなのか、読んでいると常にザラザラした感情が湧き上がり、居心地が悪かった。
    私はチエミの母親殺しには何か秘密があるのか?を考えながら読むというより、女ってこうだよなって思いながら読んでいた。

    集中して読めれば良かったんだけど、細切れに読んでいたので、話があっちに行ったりこっちに行ったりで少し読みづらかった。

著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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