整形前夜 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 785
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772310

作品紹介・あらすじ

だが、と私は思う。日本女性の美への進化もまだ完璧ではない。例えば、踵。あの踵たちもやがては克服され、「おばさんパーマ」のように絶滅してゆくのだろうか。かっこ悪い髪型からの脱出を試み、大学デビューを阻む山伏に戦く。完璧な自分、完璧な世界を強く求めながら、平凡な日常の暴走に振り切られる生ぬるき魂の記録。人気歌人の頭からあふれ出す、思索のかけらを集めたエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 講演で穂村さんに会ったとき、この人の人間的豊かさに驚かされたことがある。世界音痴などといいながら、さりげなくこの世界を見事に掌握している人だと思った。なのにそのあとで読んだこれに、また騙されそうな自分がいた。すべてを包み込んで後ろ向きで囁き声の、この人の世界観というか言葉の選び方すべてが好きだ。

  • 気持の「強張り」が
    読んでいるうちに
    やわらかく
    ほぐされてしまう

    穂村弘さんの
    エッセイを読むたびに
    感じてしまう
    ことです

  • 怪しげなタイトルは著者の次の一首から採ったもの。

      整形前夜ノーマ・ジーンが泣きながら
      兎の尻に挿すアスピリン

    ノーマ・ジーンはマリリン・モンローの本名。整形手術のbefore/after、女優(芸名)とオフの素顔(本名)。どちらも同一人物でふたつの顔。素顔の方にドキリとします。

    著者は馴染みやすい短歌で人気歌人でありながら、エッセイではヘナチョコぶりで楽しませてくれます。

    ヘナチョコぶりは、穂村弘と世間の常識とのギャップが源。
    その非常識こそ、彼が短歌を産み出す原動力です。
    他の人が見過ごす場面を、著者は新鮮な視点から切りとり、読み手も共感できる三十一文字に磨きます。

    エッセイでは、
    友人が買ったフリスクに憧れ、
    七三の髪型から脱出すべく涙ぐましく試み、
    都会で人の気配をのキャッチできずに不安になり、
    古本の値段の損得を気にやんだり etc.
    ぐだぐだしながらも、鋭いアンテナが光ります。

    非常識から短歌とエッセイ。ひと粒で2度おいしい穂村弘。
    短歌の方にドキリとするのは、きっとそちらが素顔だからです。

  • エッセイ。自分と世界とのズレ、違和感、新しいものをキャッチする強力なセンサー、つっこみ力。ユーモアたっぷりの文体。すごい。こういうことを考えている人が世の中にいる、というだけで嬉しくなった。

  • 世界は無数の前夜に充ちている。
    明日こそ本当の今日がやってくるんじゃないか、と毎日くりかえし思い、運命の出逢いの前夜を妄想して興奮する歌人・穂村弘によるエッセイ。
    ちょこっとずつ読もうと思ったのに、言葉の魔術師・ほむほむの「なぜか続きを読んでしまう魔法」にかかってしまった。

  • エッセイ、時々短歌。穂村さんのような人生の生きにくさ、全然違う世界が自分の外側で進んでいる感は私にはわからないけど、「生き延びる」ことと「生きる」ことの違いは感じる気がする。そこにフィリップ・マーロウが出てくるとは。となると、「生きる」ことは自分の心のフィルターを通して世界を見て、琴線に触れたことを大切にしていくことなのか。

  • 読みながら声に出して笑っちゃう本ってなかなかない

  • 笑いながら読めました

    東京というおしゃれな街でうまく生きれない

    初めて入ったスターバックスコーヒーのメニューに「コーヒー」も「紅茶」も「カフェオレ」もみつけられなかったときの恐怖が甦る。

    なぜ男性は

  • 加齢とともに驚異を驚異のまま受け止められなくなり、また驚異エネルギーを抑える「私」の支配力は強まっていくので、驚異を共感性に変換するということが起こる。だから詩や短歌から小説へ移る書き手は沢山いるのに、その逆は皆無だそう。なるほど。。。
    3分の2くらいは言語表現者である穂村弘の、残り3分の1は43歳にして初めての海外旅行(グアム)へ行きアタフタしているほむほむのエッセイです。
    私はどちらの側面も好きです。

  • 生産的じゃないなーとおもったときによむほん

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著者プロフィール

1962年、札幌市生まれ。歌人。『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞を受賞。歌集に『水中翼船炎上中』他。エッセイ集に『世界音痴』『現実入門』他。絵本翻訳も多数。

「2021年 『これから泳ぎにいきませんか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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