浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772518

作品紹介・あらすじ

函館の数学エリート養成所「斐三郎(あやさぶろう)進学会」の卒業生たちが「黒い三角定規」の一員となりテロを画策しているとの情報が入った。数学好き中学生・浜村渚は武藤刑事と共に函館に向かう。五稜郭の数学的美しさに感動する渚だが、そこに最強の敵キューティー・オイラーが現れ……。

絶好調数学ミステリー第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 3冊目。難易度はアップしたが、それでも読んでしまうのは先が気になるから。

    嘘つきグモと正直グモの謎は、昔なにかのナゾナゾで読んだ覚えがあるのだが、解き方をすっかり忘れていた。
    しかし、武藤さんや渚が順を追って分かりやすく解説してくれるので、「そうそう」と思い出しつつ楽しめた。

    アイシテルの正弦は、最後の最後で作者の意図したところがわかった。(ブレーキランプのところ)
    数学好きがときめくプロポーズも素敵だなと思えたが、お互いに知識がないと何のことだかサッパリになるため、ハイレベルだなぁ、羨ましいなぁと素直に思えた。
    数学以外にも、「知識があるからこそできるプロポーズ」があるなら、調べてみるのもおもしろいかもしれない。

    五稜郭のお話は、少し感動的だった。
    おそらく一度は見たと思うのだが、残念ながらその美しい形を覚えていない。
    いつかまた北海道に行くことがあれば、その時こそは新たな目線で五稜郭を見つめることができるだろう。

  • 計算ノートも3さつめ。
    渚をはじめとする登場人物たちの会話に登場する問題を、思わず自分でも解いてみたくなる。
    読んでる横にメモと鉛筆を置いておきたくなるくらい(笑)
    ほんまに不思議なシリーズやと思う。
    名探偵!?は中学二年の数学好きな少女で、事件というよりも数学のパズルを解き明かし、でもその純粋な数学を愛する思いでもって、さらに犯人の心もつかんでしまう。
    起こる事件自体は、さらっと人が死んでいたりして、賛否両論はあるやろうけど、ミステリーでありながら算数や数学にこれだけ親しみを感じさせる本は僕の記憶には思いあたらない。
    「学校教育から数学が姿を消してしまった」歪な世界が舞台なのに、誰もを数学の魅力に気づかせてしまう、ある意味恐ろしいシリーズ。続きが楽しみである。

  • 数学が全くダメな超文系の自分でも十分楽しめる数学ミステリー。

    ただし、解説を書いている木村美紀のような、作中に出てくる問題を自分も解きながら、なんていう読み方はとてもできませんけど。
    へぇ~、そうなんだ~、とただただ感心するばかり。

    でも、三角関数なんて、高校生の時だってまったく理解できてなかったのに、この本を読むと何となくわかったような気がするから不思議。

    にしても、4話目は北海道の人が読んだらどう思うんだろう?
    喜ぶのか、怒るのか、ちょっと興味深い。

  • シリーズ3作目。解けそうかなって思うんだけど、まぁもちろん無理なのよね。笑)数学好きじゃなかったら、読もうと思わないかも(^^;;私は好きだけど(^^)

  • 数学好きにはたまらない、ただ今回はその数学の中でも個人的に苦手としている論理問題。「クレタ島人は嘘つきであると、クレタ人は言った」
    それでも、とくに拒絶反応を起こさずに読み切れて、すごくすがすがしい気分だ。

    難しい数学の話をこうした読みやすい小説にしてくれるのは、大変喜ばしい。この本を読んで数学すきが増えるなら、なお嬉しい。

  • 数学にちょっと興味が持てるミステリー

    数学好きには超おすすめ
    数学嫌いでもミステリー好きにはおすすめ

  • 既読ですが文庫版が出たので購入。単行本刊行時とはタイトルが微妙に変わっています。年末のミステリランキングにはかすりもしませんでしたが、仮に『本ミス・2012』の投票期間内で5本選ぶのであれば、米澤穂信『折れた竜骨』、皆川博子『開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU-』、城平京『虚構推理 鋼人七瀬』に次いで4番目に推したい作品です(あとのひとつは望月守宮『無貌伝 ~人形姫の産声~』)。本格としてももっと評価されてほしいシリーズです。

  • この本と一緒に数学を受けたいと思いました。もっと数学をわかるようになりたいです。

  • 整数論やらトポロジーやら、数学苦手な人はどう思うか判らないけど、昔数学好きだった自分はとても愉しめました。
    割と、しっかりわかりやすく説明がされているんですよね。
    小学校中学年ぐらいに読ませると、その後の数学教育に良い影響が出そう。

  • 昨夜、一人の少女が――

    「はじめまして。千葉市立麻砂第二中学校二年の浜村渚といいます」
    「あれ、キミは……。どうしてこんなところに?」
    「最近あるネットのサイトで、『tenkiya友の会』という数学サークルができたという情報が入りまして、ひょっとしたら数学テロ組織『黒い三角定規』と関連があるのでは……と武藤さんが言っていたもので。あ、武藤さんというのは警視庁の『黒い三角定規・特別対策本部』の方です。武藤さんはまだ来ていませんか?」
    「来ていませんが」
    「困ったなあ。ちょっと待たせてもらっていいですか?あなたがtenkiyaさんですよね?」
    「ええ、ボクがtenkiyaです。待ってもらうのは構いませんが」
    「ありがとうございます。では失礼します」

    「何かこの部屋。本がたくさんありますね。本棚に収まらず、机の上やパソコンの周りにまで。この本を全部読んでいるのですか?」
    「いや、大半の本は“積読”状態だよ。そのキミが言っていた『tenkiya友の会』ができたサイトの影響で読みたい本がどんどん増えていくんだ。このままでは家計にも響いてくるとつれあいもいい顔をしていないね」
    「あ、これ、『オイラーの贈り物』。かのオイラー先生が書いた本ですね」
    「オイラー自身が、「はい、贈り物」って本を書いたんだったら相当お茶目なんだけど。それはオイラーの公式e^πi=-1について一から解説している本だよ。今ひそかに売れているそうだね」
    「『その2』でキューティー・オイラーが着ていたTシャツにも書かれていた式ですね。あ、私の本もあります」
    「そうなんだよ。ちょうど一週間前に本屋さんで見つけて、思わず3冊買ってしまった。そこで今『3さつめ』を読み終えたところさ。『1さつめ』,『2さつめ』に比べてかなり難しくなっているみたいだね。何度も前を読み返したりして、少し時間がかかったよ」
    「そしたら、私のこともよくご存じですよね。『黒い三角定規』のテロ活動と闘っていることも……。『tenkiya友の会』にとっては、やっかいな存在なのでは?」
    「いや、ちょっと待って。どうも誤解があるようだ。先ほどキミは『tenkiya友の会』を“数学サークル”と言ったけど、正しくは“数楽サークル”だ。いや、サークルですらないのかもしれない。何せ、面白い数楽の本を紹介することが会員の唯一の任務で、他に何もない。もちろん「幽霊」でも構わない。数学テロ組織『黒い三角定規』とは一切無関係だよ」
    「では、武藤さんたちの情報は誤りなんですね」
    「その情報はもしかして、クレタ人から得たものでは?『その3』の第log10章では登場してきているよね」
    「私は詳しくは聞いていないけど、そうかもしれません。千葉から出てきてタイヘンだったのに……」
    「そう言えば、『その3』では第log10000章で北海道の函館まで行ったよね。五稜郭はやっぱり美しかったかい?」
    「それはもう……。正五角形って黄金比も隠れていて、美しいですよね」
    「でも今回ボクが楽しめたのは、第log1000章の『「プラトン立体城」殺人事件』だった。読んでいて森博嗣の『笑わない数学者』を思い出したよ。立体トリックは素敵だよね」
    「そうなんです。私も小説は読まないのに。あれは本当に数学の問題だったんですよ」

    「ところで、一つ気になったことがあるんだけど」
    「何ですか?」
    「第log10000章でマダム・エミーが黒い三角定規のメンバーかと聞かれたキューティー・オイラーが『真部分集合ではないけど、共通部分はφ(ファイ)ではないって感じ?』と答えているよね。このφは空集合の意味で使っていると思うけど間違いじゃないかな」
    「えっ!どういうことですか?」
    「そこの『数学入門辞典』で「空集合」を引いてごらん。何て書いてある?」
    「えっと、『自然数について0を考えたように,集合についても元(要素)を1つも持たないものも集合と考えると扱いやすい.これを空集合という.なお空集合の記号は,もともとゼロ記号0(またはO)と記号/の合成であり,ギリシア小文字φと混同しやすいので注意する必要がある.』……」
    「つまり、空集合の記号はφではないんだよ。キューティー・オイラーにしては初歩的なミスを犯したものだ」
    「でも、いろいろな本に空集合の記号はφって書いてありますよ。それはどうしてですか」
    「おそらく、印刷技術によるものなのだろう。『ゼロ記号0(またはO)と記号/の合成』という記号が作りにくくて、ギリシア小文字φで代用した。それを読んだ人が空集合の記号はφと誤解した。その誤解が広まったという次第さ。学校の先生でもφ(ファイ)って言う人が多いからね。でも最近は、正しく『ゼロ記号0(またはO)と記号/の合成』で書いてある本も増えているよ」
    「ありがとうございます!千葉からわざわざ出てきた甲斐がありました。私も『tenkiya友の会』に入ってもいいですか?」
    「ああ、もちろん大歓迎だよ」…………

    ――目が覚めた。

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著者プロフィール

【青柳碧人(あおやぎ・あいと)】
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。早稲田大学クイズ研究会OB。『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し、小説家デビュー。「浜村渚の計算ノート」シリーズはロングセラーの大ヒットとなり、「月刊少年シリウス」でコミカライズもされている。他の著作に、「ヘンたて」シリーズ(ハヤカワ文庫JA)、「朧月市役所妖怪課」シリーズ(角川文庫)、「ブタカン!」シリーズ(新潮文庫nex)など著書多数。

「2018年 『上手な犬の壊しかた 玩具都市弁護士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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