密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1058
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772525

作品紹介・あらすじ

あの殺人ゲームが帰ってきた。ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。第10回(2010年)本格ミステリ大賞受賞作、2010本格ミステリ★ベストテン第1位。

感想・レビュー・書評

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  • こんなに素敵でクレイジーな遊びが出来るのは自分達だけだと思っていた。他にもいたなんて…?

    シリーズ2作目。前作が気になる終わり方だったので続編も読まずにはいられませんね。
    その気になる部分はおいといて、のっけから引き込まれる展開です。
    ニヤニヤが止まりません(*´∀`*)
    不謹慎、不道徳、残虐、鬼畜…なのに何だか憎めないんだよな。こう思うのは私だけじゃないはず!
    “彼等”に関しては前作の方が好きですけどね。(中盤でちょっと落ち込みましたもん)
    後半さすがに少し飽きてきましたが、異なるタイプの名探偵が議論を戦わせる推理合戦が最高に面白い。歌野氏に脱帽です!

  • 確かに面白かったんだけど、新・頭狂人の正体と前作キャラの行く末が出てから没入感がガクッと下がった。登場人物の喋り方や彼らの関係性が全部元祖を模したコスプレ演技だったとなると冷めてしまう。トリックも前作より切れ味は数段落ちる。良かったのはカレンダー殺人くらいか。新・頭狂人は元祖に比べるとちょっといけ好かないキャラだけど、新5人の中では一番キャラが立っていた。次は彼らのコスプレじゃない本当の性格が見えるといいんだけど。

  • インターネットを通じて互いに推理合戦をする5人。
    しかし、推理ゲームを成立させるためには実際に殺人を犯さなければならない。
    本末転倒もいいところの展開だが、登場人物たちはいたって真面目に推理を働かせている。
    実際に調査に出かけたり、あれこれと試行錯誤しながらも真実に近づいていく。
    その情熱を他に向けたらもっといいのに・・・とも思うけれど、夢中になれるもの以外には目もくれないタイプは案外多い。
    荒唐無稽なストーリーに、少し無理があるトリックだったけれど、意外度は大きかった。

  • 「密室殺人ゲーム2.0」
    あの殺人ゲームが帰ってきた。


    ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。5人の参加者は、自称見破れないトリックを証明する為、殺人を繰り返す。彼らは、探偵でありながら殺人者。これは悍ましい殺人サークルのお話。


    Q1 次は誰が殺しますか?
    Q2 密室などない
    Q3 切り裂きジャック三十分の孤独
    Q4 相当な悪魔
    Q5 三つの門 
    Q6 密室よ、さらば
    Q? そして扉が開かれた


    王手飛車取りに続く第2弾。前作よりもトリックが練られていて、犯人達の推理合戦と罵り合いもヒートアップしている印象。前作とは違い5人と殺人サークルの正体に迫る展開があることもGood Point。後、てっきり、続編かと思いきや、こういう意味で続編だったという点も効いてます。第3弾はどうなるのだろう。全てが明かされると良いです。


    犯人が仕掛けた密室トリックを時に単独で短略的にまた精巧に、はたまた助け合いながら推理して行く探偵と言う構図は変わらないながら、前述に記した様に、犯行自体は難易度が上がっているよう。イカレ具合も相当きてます。最後のトリックは、大掛かりでどんでん返し感がありました。動機もそれっぽいですし。


    個人的には色々突っ込みポイントが多々ありました。とはいえ、トリックに対してよりも登場人物の描写についてですが。例えば、ザンギャの恋人を殺すなんてみたいな発言、これってザンギャっぽくないとか「Q4 相当な悪魔」では、”片目が隠れてしまうほど前髪を伸ばし、橙色の洒落たフレームの眼鏡を掛けている”男がイケメン扱いになってます。おいおい待てよ、どこがイケメンやねんと!ありえない。


    とちらほら謎の表現があったりで、こ

  • 前作から併せたシリーズとして見れば,そこそこ楽しめる。前作のラストとのズレ,今作のキャラクターとの関係性が明らかになる中盤までは楽しく読めたが,今作のキャラクターの正体が,前作のキャラクターを真似ている別人と分かった後はダレた。最後の,意外な被害者というトリックを実行するために自分を殺すという意外性も,ここまで読みすすめてきた展開を踏まえると,ふーんという印象にとどまってしまう。下手にメッセージ性を持たせようとしなのが失敗の原因だと思う。トリックはバカミス的だし,構成上,個々の人間のキャラクターも人間関係も描けないのだから,前作のキャラクターとのズレをオチに使った衝撃だけを狙ったエンターテイメントとして描いた方がインパクトが残ったと思う。

    サプライズ ★★★☆☆
     冒頭から前作「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」のラストを無視するかのように、頭狂人,aXe,ザンギャ君,伴道全教授,044APDの5人による推理ゲームが展開される。パラレルワールドにおける作品なのか,前作より前の時系列の作品なのか…と推測させるが,その真相は物語の途中で明らかにされる。前作のメンバーは,前作のラストで,頭狂人が仕掛けた爆弾が爆発し,頭狂人とザンギャ君は死亡,aXeが逮捕され,伴道全教授は生死不明という展開となっていた。aXeが逮捕された際の捜査資料がインターネットから流出。その資料を見て,彼らのキャラクターを真似,同じようなゲームをしているのが本作のメンバーという設定。この真相を,前作同様,頭狂人が自分自身の身近な人を殺害するという形で正体を現し,その正体が男性という形で明かされる。この部分はミステリとして十分な意外性を示している。
    最後の出題を044APDが行い,自分自身を殺害=自殺し,プログラムを利用いて出題やチャットを続けていたというラストは見事というより,マンネリを感じてしまった。驚愕というほどの驚きはないが,前作からのズレを上手く意外性に繋げたところは上手いが,サプライズとしては普通。

    熱中度 ★★★☆☆
     前作はすごい熱中して,一気にラストまで読めた。本作も,5人の正体が分かるところまでは非常に熱中して読めたが,そこから先がややダレた。ラストも普通。

    キャラクター ★★☆☆☆
     個々のキャラクターは,一見,強烈なのだが,実はそれほど人間が描けておらず,あまり入り込めない。もっとも,正体を隠してチャットしているので,人間が描けないのは仕方ない。動機などもなく,トリックを披露するために殺人をするので,被害者側のキャラクターも深まらない。前作のキャラクターを真似たという設定もあって,前作のキャラクターを模しているという設定のため,今作の5人の個性は非常に薄い。シリーズとしてはそこそこ個性的だが,今作の5人としては評価は低くなる。

    読後感 ★★☆☆☆
     良くもないし悪くもない。歌野晶吾としては,最後の044ADPの遺書として紹介される「ゲーマーにとって自分の死は快感」研究を考えるという記事で,「人間は,たとえ仮装世界の中であっても,人殺しが悪いことだと認識しているということだ」,とか「ゲーム内で自分が死ぬことで,ゲームへの没入感から一時的に解放されることを意味する…自分の精神を健全に保つには,おそらく死ぬことが必要なのだ」といった文章で,ミステリを娯楽として読んでいる読者に衝撃を与えようとしているのかもしれないが(解説でもそのようなことが書いているが),あまり感じなかった。読後感が悪くなれば,歌野晶吾の狙いが当たるということだろうが,正直,感じず,ラストがイマイチだったなという印象を残しただけ。被害者はもとより,今作の5人のキャラクターの個性が薄すぎるので,044ADPが死んでもほとんど衝撃がなく,読後感の悪さにもならない。

    インパクト ★☆☆☆☆
     薄い。シリーズとして見れば,このシリーズにインパクトはあるのだが,個々の作品として見ると,この2作目には全くインパクトがない。まさに前作の続編であり,マンネリ。いっそ,前作とのズレを活かし,5人の正体が分かったところをラストとすれば,今作としては意外性があるラストであり,インパクトは残ったと思う。今作の5人の正体をさらっと描き,044ADPが自殺をすること及びその理由で読者に衝撃を与えたかったのだろうが,ここまで馬鹿げた小説でラストだけ,そのような工夫をしてもインパクトには繋がらない。仮想社会でも人を殺害することは問題だというモチーフで小説を書きたいなら,もっと個々のキャラクターに感情移入させるような小説にした方がよかったと思う。この小説としては,単なるエンターテイメントとして,前作とのズレを生かした意外な真相で閉めるべきだったと思う。

    希少価値 ★☆☆☆☆
     現時点では希少価値はない。ただし,今のネット環境などを踏まえた小説なので,将来的にネット環境や社会情勢が大きく変わったときにに,読み継がれるとは思いがたい。古典とはならないと思う。10年,20年単位で考えると,持っておいたほうがよさそう。

  • 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続編。第一作で衝撃な結末を残したその続きはどうなるのかと思いきや、そんな展開などあったかしらと言わんばかりにいつもと同様にAVチャットは行われる。疑問に思って読み進めていくと、近頃彼らのようなゲームを行う輩が他にもいるらしい。ここは前回とは少し違う。でもまだ気付かない。更に読み進めて行くと頭狂人の正体が第一作と完全に違う。ここで狐につままれた気分になり、読むスピードは加速する。そこでついに前回どういう風に物語が完結したのかということが判明する。あの後爆弾は爆発し、2名の死者を出していた。1名は逃亡し、もう1名は警察に連行される。ここから全てが世間に明らかになり、更に共有ファイルの流出により漏れ出したこの事件に関するデータを見た者達が彼らの名を語り、彼らと同様に推理ゲームを行い始めていたのだった。第一作目、あそこで物語は完結してしまっていたのだという悲壮感を覚え、その事件に対する伏線や後日談を示唆する文章にわくわくした。前回同様、いや、前回とリンクさせている部分、前回と異なる部分と2種類の楽しみがある分前回よりも面白かったかもしれない。とにかく夢中で読み進めてしまった。

  • 王手飛車取りを読まずに突入。前作を知らなくても十分楽しめる。どちらかというとスターウォーズみたいにエピソード1~3に戻る感じができて、王手飛車取りと読む楽しみができた。なんていう感想から始まるけど、上手く死語となってしまったWeb2.0の概念を使っていると思う。集合知によるマッシュアップは同盟を組んでトリックを解決することだったり、普通炎上するはずの自作自演だったり、すぐにソースを求めたり。虚実入り交じるネットの情報の渦の中で、甲斐甲斐しくも殺人者たちか、お題に対して現場に赴く懐古主義的なところも警告めいて良い。非常に悪趣味だけど。
    前作の続きで2.0とWeb2.0を繋ぎあわせていて、最終作はO2O(現場で直接Webで殺害状況を確かめる)みたいな感じかNaverみたいにまとめるか、LINEのように固定グループで、はたまた先を行くのかも気になるところ。
    さて、今作品は色んな意味で挑戦していると思う。勝手な解釈だけど2ch発の電車男やブラック企業に努めているが俺はもうダメかもしれない、のような開放的リアルタイム作品(?)に対するアンチテーゼのような感もあるし、メタファーのような感覚もある。
    前述しているが死語なっているWeb2.0を用いた時点で作者はこの作品を終わったことにしている様にも思える。
    それでもなお懐古主義的なところもなく、実態がないのに現実的に感じるのは、まさに小説のなすところでROMってる状況に置かれた読者の様が、まさにこの時の空気感をリアルに再現している。
    止めたいけど止めれない、やめて欲しいけど続きが気になる、エスカレートして麻痺してくる、などもうミステリーではなく、スレッドを読み続けていく傍観者にすぎない。それでいて置いてけぼり感はなく、ぐいぐいと複雑すぎる(もしくは妄想チックな)トリックと軽すぎる人間の死は、僕達も一歩間違えれば同じ状態だし、ゲーム上でバンバン人を殺すことに対して、そんなに罪悪感を感じない(ゲームだから)ということに対して遠回しな警鐘がなっているような気がして、それがこの作品の魅力になっているのだと思う。
    エンターテインメントとして読んだほうが良いととおすすめしたいけど、なんとなく後ろめたいきがするのも事実。ただし作品単体としては、王手飛車取りを読んでなくても、ぐいぐい引きこまれ、分量の割に1日で読んでしまった、作品の魅力と魔力には恐れ入る。

  • 前作未読。私にとって家シリーズから久しぶりの歌野さん。本格が大好きで大好きすぎるがゆえに行き詰まってしまいそうだった歌野さんがこんなに飛躍するなんて嬉しい。

    ネットのチャットで繰り広げられる「本格派」推理ゲーム。
    推理対象は、現実世界のでの未解決事件。コテコテのミステリファンであるチャット参加者により犯人や犯行手段が喧々諤々推理されていく…というのはまだよくある話だが、殺人事件を「出題」と称し、「今度は僕が出題します」と、チャット参加者みずから人殺しをやってしまうので、まあこの話、こわいこわい。しかし推理小説としてはこんなに豪華な出題はない。トリックのためのトリック、出題のための出題。考えたなー歌野さん。
    これはシリーズ二作目だそう。
    頭を空っぽにしてひたすら現実から逃げ、殺人事件などのパズラーに没頭したいなと思うとき読み初めたミステリでした (この波は度々来ますが、前は麻耶雄高の隻眼の少女でした。)目的はとてもよく達成できました。
    楽しかった!

  • 一作目と比べて衝撃度は少し落ちたかも、、、
    続編といえば続編。

  • お話として殺人事件の推理を楽しむ人間からすると、そうそう面白がっていると、行き着く先はここだぞ、というラストはひやりとさせられた。

    作品の良さでは最初という驚きもあって「王手飛車取り」の方が上かと。

    まだ外伝もあるようなので、記憶新たな内に読みたい。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。東京農工大学卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」共に第1位、第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞。10年には『密室殺人ゲーム2.0』で史上初、2度目となる第10回本格ミステリ大賞を受賞。その他の著書に、『世界の終わり、あるいは始まり』『家守』『ずっとあなたが好きでした』等がある。

「2019年 『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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