密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1063
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772525

感想・レビュー・書評

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  • 確かに面白かったんだけど、新・頭狂人の正体と前作キャラの行く末が出てから没入感がガクッと下がった。登場人物の喋り方や彼らの関係性が全部元祖を模したコスプレ演技だったとなると冷めてしまう。トリックも前作より切れ味は数段落ちる。良かったのはカレンダー殺人くらいか。新・頭狂人は元祖に比べるとちょっといけ好かないキャラだけど、新5人の中では一番キャラが立っていた。次は彼らのコスプレじゃない本当の性格が見えるといいんだけど。

  • インターネットを通じて互いに推理合戦をする5人。
    しかし、推理ゲームを成立させるためには実際に殺人を犯さなければならない。
    本末転倒もいいところの展開だが、登場人物たちはいたって真面目に推理を働かせている。
    実際に調査に出かけたり、あれこれと試行錯誤しながらも真実に近づいていく。
    その情熱を他に向けたらもっといいのに・・・とも思うけれど、夢中になれるもの以外には目もくれないタイプは案外多い。
    荒唐無稽なストーリーに、少し無理があるトリックだったけれど、意外度は大きかった。

  • 前作から併せたシリーズとして見れば,そこそこ楽しめる。前作のラストとのズレ,今作のキャラクターとの関係性が明らかになる中盤までは楽しく読めたが,今作のキャラクターの正体が,前作のキャラクターを真似ている別人と分かった後はダレた。最後の,意外な被害者というトリックを実行するために自分を殺すという意外性も,ここまで読みすすめてきた展開を踏まえると,ふーんという印象にとどまってしまう。下手にメッセージ性を持たせようとしなのが失敗の原因だと思う。トリックはバカミス的だし,構成上,個々の人間のキャラクターも人間関係も描けないのだから,前作のキャラクターとのズレをオチに使った衝撃だけを狙ったエンターテイメントとして描いた方がインパクトが残ったと思う。

    サプライズ ★★★☆☆
     冒頭から前作「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」のラストを無視するかのように、頭狂人,aXe,ザンギャ君,伴道全教授,044APDの5人による推理ゲームが展開される。パラレルワールドにおける作品なのか,前作より前の時系列の作品なのか…と推測させるが,その真相は物語の途中で明らかにされる。前作のメンバーは,前作のラストで,頭狂人が仕掛けた爆弾が爆発し,頭狂人とザンギャ君は死亡,aXeが逮捕され,伴道全教授は生死不明という展開となっていた。aXeが逮捕された際の捜査資料がインターネットから流出。その資料を見て,彼らのキャラクターを真似,同じようなゲームをしているのが本作のメンバーという設定。この真相を,前作同様,頭狂人が自分自身の身近な人を殺害するという形で正体を現し,その正体が男性という形で明かされる。この部分はミステリとして十分な意外性を示している。
    最後の出題を044APDが行い,自分自身を殺害=自殺し,プログラムを利用いて出題やチャットを続けていたというラストは見事というより,マンネリを感じてしまった。驚愕というほどの驚きはないが,前作からのズレを上手く意外性に繋げたところは上手いが,サプライズとしては普通。

    熱中度 ★★★☆☆
     前作はすごい熱中して,一気にラストまで読めた。本作も,5人の正体が分かるところまでは非常に熱中して読めたが,そこから先がややダレた。ラストも普通。

    キャラクター ★★☆☆☆
     個々のキャラクターは,一見,強烈なのだが,実はそれほど人間が描けておらず,あまり入り込めない。もっとも,正体を隠してチャットしているので,人間が描けないのは仕方ない。動機などもなく,トリックを披露するために殺人をするので,被害者側のキャラクターも深まらない。前作のキャラクターを真似たという設定もあって,前作のキャラクターを模しているという設定のため,今作の5人の個性は非常に薄い。シリーズとしてはそこそこ個性的だが,今作の5人としては評価は低くなる。

    読後感 ★★☆☆☆
     良くもないし悪くもない。歌野晶吾としては,最後の044ADPの遺書として紹介される「ゲーマーにとって自分の死は快感」研究を考えるという記事で,「人間は,たとえ仮装世界の中であっても,人殺しが悪いことだと認識しているということだ」,とか「ゲーム内で自分が死ぬことで,ゲームへの没入感から一時的に解放されることを意味する…自分の精神を健全に保つには,おそらく死ぬことが必要なのだ」といった文章で,ミステリを娯楽として読んでいる読者に衝撃を与えようとしているのかもしれないが(解説でもそのようなことが書いているが),あまり感じなかった。読後感が悪くなれば,歌野晶吾の狙いが当たるということだろうが,正直,感じず,ラストがイマイチだったなという印象を残しただけ。被害者はもとより,今作の5人のキャラクターの個性が薄すぎるので,044ADPが死んでもほとんど衝撃がなく,読後感の悪さにもならない。

    インパクト ★☆☆☆☆
     薄い。シリーズとして見れば,このシリーズにインパクトはあるのだが,個々の作品として見ると,この2作目には全くインパクトがない。まさに前作の続編であり,マンネリ。いっそ,前作とのズレを活かし,5人の正体が分かったところをラストとすれば,今作としては意外性があるラストであり,インパクトは残ったと思う。今作の5人の正体をさらっと描き,044ADPが自殺をすること及びその理由で読者に衝撃を与えたかったのだろうが,ここまで馬鹿げた小説でラストだけ,そのような工夫をしてもインパクトには繋がらない。仮想社会でも人を殺害することは問題だというモチーフで小説を書きたいなら,もっと個々のキャラクターに感情移入させるような小説にした方がよかったと思う。この小説としては,単なるエンターテイメントとして,前作とのズレを生かした意外な真相で閉めるべきだったと思う。

    希少価値 ★☆☆☆☆
     現時点では希少価値はない。ただし,今のネット環境などを踏まえた小説なので,将来的にネット環境や社会情勢が大きく変わったときにに,読み継がれるとは思いがたい。古典とはならないと思う。10年,20年単位で考えると,持っておいたほうがよさそう。

  • ちょっとでも下手なことを書くとネタバレになるので、気になるなら次の文は読まない方がいいかも。



    一作目『王手飛車取り』の終わり方は初回しかできないし破壊的な手法だったため、続編と言われてもどう続くのよと思っていたが、見事に2回目にしかできない手法で展開させたと思う。

    しかし面白さというとやっぱりちょっと疑問が…。このシリーズは「これをやりたいだけ作品」になっていると思う。

  • 一作目と比べて衝撃度は少し落ちたかも、、、
    続編といえば続編。

  • お話として殺人事件の推理を楽しむ人間からすると、そうそう面白がっていると、行き着く先はここだぞ、というラストはひやりとさせられた。

    作品の良さでは最初という驚きもあって「王手飛車取り」の方が上かと。

    まだ外伝もあるようなので、記憶新たな内に読みたい。

  • 密室殺人好きの5人が復活!
    果たして今回はどのようなトリック勝負なのか…?

    前回の終わり方が「ええええっ!?」という感じだったので、続編ってどう繋がるのかドキドキだったが、そこはさすが歌野晶午さん。期待を裏切らないストーリー&トリック展開でした。しかし、リアル密室殺人好きな人って多いんだね…。トリッキー度では、前作を凌ぐかもしれません。
    読み終えて「あ〜今作も面白かった!」と言っちゃうものの、犯罪理由がコスプレ殺人ゲームだなんて、け、けしからん!と言うことを忘れてはいけません。

  • 3作目まで読んでから
    きちんとレビューしますが…
    残虐なシーンは馴染めない。。。

    しかし根底に救いのあるテーマにも
    今作では触れられた。

  • ネットを駆使した殺人ゲームという内容だけに好き嫌い分かれそう。

  • 殺人ゲームに興じる、4人の殺人犯ががえって来たという設定。個人的には、前作のほうがおもしろかったかなぁという感想。

著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。東京農工大学卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」共に第1位、第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞。10年には『密室殺人ゲーム2.0』で史上初、2度目となる第10回本格ミステリ大賞を受賞。その他の著書に、『世界の終わり、あるいは始まり』『家守』『ずっとあなたが好きでした』等がある。

「2019年 『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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