ゼロの王国(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772730

作品紹介・あらすじ

宛名書きのアルバイトで生計を立てる吉田青年は、滑稽なまでに心が清く純粋だ。ある日彼は、人々から軽蔑されたいと願う美少女・佐藤ユキに出会う。ユキは不幸になるため、美しく穏やかな青年医師・小森谷からのプロポーズを受けるのだと吉田青年に話す。ひとつの恋のすれ違いが生む、めくるめく会話劇。

感想・レビュー・書評

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  • 滑稽なまでに心の清い青年。
    不幸になりたいと結婚に踏み切る女性。
    富豪から贈られた一億円を燃やす美女。
    無意識に愚図な女性を好む青年医師。
    すれ違うひとつの恋が、人々の心をあばいてゆく。

  • Holy foolishness has been a motif in Kashimada's work since her 1998 debut. A devout Orthodox Church member married to a missionary, she is captivated by the church's aesthetic of humbleness, and has challenged herself by creating her ideal yurodivy -- an archetypal trickster who acts in seemingly innocent ways while concealing a darker truth. She often takes ideas and styles from her favorite authors of Western classic literature, recasting the plots and placing her stories in Japan.
    In this story, Prince Myshkin, the protagonist of Fyodor Dostoyevsky's The Idiot, resurfaces in modern Japan.

  • これは賛否が分かれそう。
    ストーリーの進行はほとんど登場人物たちの会話に委ねられ、地の文が極端に少ない。一人ひとりの発言はいちいち長く、言葉遣いも語る内容もなかなか非現実的。
    よって、良いのか悪いのか判断しかねたまま、なんだかジェットコースターのように一気に読まされてしまった。読めているのだから嫌いではないんだろう。
    ストーリーを楽しむというよりも、作者の伝えたい事柄が直接登場人物の口から語られているという印象だな。間接話法じゃなくて直接話法というか(イメージ)。

    やや引っかかったのは瞬という人物。いつも登場に違和感があるというか、物語における役割としての「説明する人」っぽさが出てしまっているのかな。
    とりあえず、下巻を読まねば。

  • まだ決断を下すには早すぎる。

  • 鹿 島 田 文 学 た ま ん な い ! !

    もーなんだよー、なんだろこれー(誰か救心をくれ
    感想とかもうほんとまったく上手く言えないけれど、とにかく上巻の時点でどっぷり。
    特にユキさんに一番感情移入して、吉田青年が滑稽ぶりを発揮すればするほど頭おかしくなってきて自殺したくなってくる感じで白目剥いて昇天しまくった。

    大体、もー、「やせ我慢が、性愛的な悦び」だの「やせ我慢が二人(ユキとエリ)にとって性行為」だの、この言葉の選びよう……!(笑
    爆笑したった。なんてこの女性二人を端的に表す言葉なんだ!

    それからユキさん(エリさんもだけど)の、愛されたい、愛して欲しいがために偽悪的というか、自分を悪く見せるところ、そうすることでしか愛を表現できない幼さと、一方でただ身にしみついてしまってる不幸っぷりに対して、吉田青年が「あなたは現代の女神だ!」だの「謙遜が自己卑下の極致にまで至っている!」だの言いやがった(笑)瞬間、思わずソファに倒れ込んでしもうた。
    吉田青年という男を生んだ鹿島田さんに拍手喝采浴びせたい(うざい

    しかし、この男、矛盾だらけのように感じるのにちっともその矛盾が見つけられない。
    潔癖なのかと思えばそうではないし、では純粋なだけかと思えばそういうのとも違う。
    ただ「恋や愛を知らない」というだけが突出した特徴から、なんでこんな人間生み出せるんだろう……!
    鹿島田真希……ほんと恐ろしい子……!

  • これは読むのに忍耐が必要な本。
    何故なら、下巻にも書いてあったけど、今時洋書をそのまま翻訳した様な書き方の本は見た事がないから。
    主人公を初めとする台詞の長い事、長い事!
    人を選ぶ本だと思うけれど、読書への忍耐力がつく本だとは思うので読書力(忍耐力)を付けたい人にはお勧めしたい。

  • どれだけつまらないかは他のレビューでさんざん言われており、ほぼ同意。読む価値なし。

  • 感想は下巻で

  • まったく波長が合わないまま上巻を終了。。下巻を読む気力を掻き集めねば。。

  • 最後まで読めなかった。

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著者プロフィール

1976年生まれ。1999年、「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、『ゼロの王国』で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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