時計館の殺人<新装改訂版>(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772952

作品紹介・あらすじ

館に閉じ込められた江南(かわみなみ)たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か? 凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章!

感想・レビュー・書評

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  • 館に閉じ込められた江南たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か?凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章!第45回日本推理作家協会賞に輝く名作。

    閉ざされた館。交霊会。緊迫した殺人。狂気に震える登場人物。姿の見えない犯人。どれをとっても、本格ミステリ。王道であり金字塔で間違いなかった。カーのおどろおどろしさ、クリスティのそして誰もいなっくなったを思わせ、さらには論理的に構図を反転させるのだ。解説に感動という言葉。まさかそんな感情起きるのか!?といった内容が続くのだが、嘘偽りなし。

    内と外の展開に、どう繋がるのかわからないまま続き、いざ交差したところで、なにも結びつかない…と思ったところで、大がかりなトリックが炸裂している。大胆不敵ながら、実にフェアである。
    大トリックに目が行きがちだが、ミスリードや伏線の緻密さには敬服する(見取り図・時刻表しかり)。

    残された謎の終幕が予想外すぎてまた…
    幻想的な一面もあり、幅や奥行きを増している。

    こんな作品に今後出会えるのだろうか…

  • 館シリーズ5作目にして王道回帰の傑作。時計館の内部と外部の二視点で進む物語。内部では違和感を感じつつも、連続殺人の緊迫感と、奇妙で特異な雰囲気に呑まれてしまう。外部では時計館を取り巻く数奇でどこか不気味な過去の物語が掘り下げられ、謎は謎をより濃厚にする。今回は作者の大きな武器である幻想怪奇よりも、ロジックと伏線、構成の美しさに最大の注力をしている。もちろんそれらを取り囲む装飾には幻想怪奇の影もしっかりと見え隠れするのであるが。何よりも、各所に散りばめられた描写の妙が素晴らしい。そして終幕が美しい。

  • いわく付きの時計館に集まった人々に閉鎖された環境で起こる惨劇。一方、館の外では探偵が時計館の主が遺した詩の謎を追う。かなり好みのシチュエーションでした。トリックもさることながら、緊張感を維持しながら、過去の事件と現在の事件の関係性や因縁を読み手の興味を引くように少しずつ紐解いていくのが実に上手い。伏線も無駄がなく、説明が尽くされています。見事な完成度です。
    序盤のオカルティックな雰囲気はもっと引っ張ってほしかったですね。
    トリック云々や完成度も重要ですが、特筆すべきは、故人が館をつくった想いと狂気に巻き込まれて起こった過去と現在の悲劇がもたらす切なさ、やるせなさ。それらがこの作品を今まで読んだ館シリーズでも特に心に残る作品にしていると思う。

  • 旧館内で事件のあらましを纏めるこなん君と、
    新館で古峨家事を調査する島田さん。
    少しずつ色んな事が分かってくるものの、
    旧館メンバーの精神は大分摩耗していて、
    疑心暗鬼は強まる一方。

    今回もトリック等分かり易かったかなと思います。
    折角時計館ですから、時計を使うに決まっていますものね。
    旧館メンバーはみんな良く知った仲ではないので、
    十角館の時の様に、外部に犯人がいる…ではなく、
    メンバーを疑う気持ちの方が強くて、本当にスリリングでした。
    今回の事件は沢山の人が巻き込まれて殺されてしまい、
    胸の痛くなるお話でした。

  • なるほど、そんな仕掛けがね!って時の気持ち良さが良いのですよ。そこでやっと、色んなことが繋がるのです。だから、おもしろいのです。

  • 真相が見事

  • 旧館にいた人達がほとんど死んでしまって驚いた。犯人やトリックはそこまでびっくりするほどではなかったけど、下巻は一気に1日で読んでしまった。
    時計館以前の話も読みたくなりました。

  • 本格ミステリの頂点
    上下巻だがあっという間に読み終わった。息つく暇も与えない展開、文章力は他の追随を許さない。トリックも非常によく練られており、伏線もほどよく散りばめられている。ラストシーンも圧巻。

    ---

    2015年私的ベスト1(長編)

  • 本格ロジックミステリとでも言うのだろうか。読んでいるとパズルをしているような感覚に陥る。少しづつ少しづつピースを渡され、正解だと思う位置にはめていく。ピースはすべて渡されているはずなのに、どうも完成しない。と苦難して読んでいると、最後のピースは裏表が逆だった。みたいな感じ。
    上巻から人が閉鎖された空間の中で次々に死んでいくいつも通りの展開。どんどん容疑者は絞られていき、コイツだろう。と直感はするが、どうにも方法は思いつかない。下巻にてトリックが明かされるわけだが、単純。気づいた人もいるのではいかと思う。でも、たったこの一つの仕掛けですべての違和感が取れてパズルが完成するのは圧巻という他ない。ただ、ミステリーという点ではまだまだ他に良い作品がありそうな気もする。
    しかし、トリックという点ではそうであるが、すべての伏線が集結するところは見物である。無駄な部分が何一つ無かったのではないだろうか。
    さらに、私が推したい場面はトリックが明かされた後である。時計館に光が差し込む場面。頭の中でこんなにも綺麗な情景が映り込む経験はそうそう無い。ドラマ、映画を見ているような展開。小説を読んでいることを忘れそうであった。

  • 面白かった。

    旧館の時間についてはただ単純にズラしていただけだろうと特に深く考えなかったので、種明かしの時にはなるほどと思わされました。そういう意図を持って作ったのかと。

    今読むと王道だなあと思うけど、その王道と感じるようなところが好き。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。2018年第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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