時計館の殺人<新装改訂版>(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772952

作品紹介・あらすじ

館に閉じ込められた江南(かわみなみ)たちを襲う、仮面の殺人者の恐怖。館内で惨劇が続く一方、館外では推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)が、時計館主人の遺した「沈黙の女神」の詩の謎を追う。悪夢の三日間の後、生き残るのは誰か? 凄絶な連続殺人の果てに待ち受ける、驚愕と感動の最終章!

感想・レビュー・書評

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  • 館シリーズ第5作。
    トリックだけでなく、多くの殺人を犯すことになった真犯人の心情や、娘の願いを叶える為、時計館を作った前当主の気持ちまで。
    最後の「沈黙の女神」の歌声が聞こえるまでの緊張感の中で、じっくり解明されていきます。
    時間を操作するとは。


  • 時計館は上下巻だけど少しも長さを感じなかった。

    トリックが壮大でかなり緻密で、これを考えて読者にわかりやすく書くのはさぞかし大変だっただろうなと思った。

    島田さんの安心感はすごい。
    ラストは映画を観ているような情景が浮かんできて終わりも良かった。

    早く先を知りたいんだけど、読んだら終わってしまう寂しさ。
    残りのページが少なくなると「ここで読むのを止めればずっと館の中にいられる」と館シリーズを読む時はいつも終盤に思ってしまう。
    結局気になってすぐに読んでしまうけど。

    最後の米澤穂信さんの解説もとても良かった。
    館シリーズが好きな理由を代弁してくれているような、思っていることが全く同じで嬉しくなった。
    米澤さんの本も今度読みたい。

  • 下巻、あっという間に読み終わりました。
    今回の時計館は、クローズドサークルになる状況で、十角館を思い起こされるような雰囲気もありました。
    ハラハラドキドキ!読み応え抜群でした!

  • 時計館の名に相応しい、時間を使ったトリックは素晴らしかった。犯人はとても優秀だったし、入念に計画して頭を巡らせていたけど、アリバイ作りに「やることが…やることが多い!」状態になっていたと思う。
    そこを洞察力の高い島田さんに見破られた感じかな。
    それにしても最後の大がかりな仕掛けには驚かされた。真に作品が完成するのは最後の時とは。そして犯人のあっけない最後はまさに因果応報。
    そして犯人だけでなく関わったみんなにも責任があってなんだか悲しい結末だったな。小さな出来事からどんどん歪んでしまったんだな。

    十角館で登場した江南さんの活躍が今回はとても重要だった!
    島田さんポジションといっても過言ではない。
    前回バディだった片割れが活躍する話って、なんでこうワクワクさせらるんだろう。
    二人が合流した時の安心感は半端ない。
    読み終えてからお疲れ様と言いたくなった。
    この友情続いてくれ~!

  • 非常に読み応えあり、今作も面白かった。
    十角館を読み終えた流れのまま、時計館を読み始め、トータル1100ページ程の読了。
    ちょっと「館」からは一回離れた作品を次は読みます…館疲れ。
    皆死なないようになんとか切り抜けようとするが、不思議なことにどんどん殺されていく、謎がまた謎を呼び迷宮に入っていく、、基本この繰り返しだが、飽きずに読み進める事が出来るのは読者心理を巧妙に操っているからだろう、術中にまんまとはまります。
    どういう手法なのかはわかりませんが、十角館も時計館も基本的なプロットは似てるんですが、読んでる最中は結局犯人分からないし、トリックも動機もわからない、ずっと謎な状態が続いていきます。
    しかし後半に差し掛かりポロポロと解明が始まり、そこからはページを捲る手も止まらなくなり、、最終的には伏線を全回収し、時計館が何故、時計館なのか、全てが紐解かれていく見事な展開、構成、ストーリー。本当に圧巻の作品と感じました。

  • 圧巻でした。何から何まで凄すぎる。

    館シリーズは大好きで、今回の時計館の殺人が上下巻からなる長編で期待値は1番高かったのですが、その上をいく内容でした。間違いなく今まで読んだ館シリーズで1番です。

    館シリーズを読んできたからこそ、普通は使われない秘密の抜け道や隠し通路を使ったトリックには注目して読み進めていたので今回のメイントリックを知った時には鳥肌が立ちました。
    「そんな事も出来てしまうのか!」といった感じです。時計館なので時計の針を動かして時間をごまかしたりするのかなとは思っていましたが、まさかそんな仕掛けがあったなんて、、、

    そして鹿谷門実による事件の種明かしがなされます。これを聞いてしまえばあらゆる点と点が繋がっていき、真相に至るまでに綾辻行人さんが伏線をあっちこっちに仕掛けていたことがわかります。(正直、悔しいです笑)

    今作も綾辻行人さんの力量をひしひしと感じさせられました。

  • 綿密なトリックに感服
    次々に殺害されるので犯人は絞れてきても
    アリバイ崩しが困難
    推理大賞取るだけはある

  • 鎌倉のはずれの『時計館』に閉じ込められた江南たち。
    次々に殺害されていく…

    『時計館』旧館の外から調査、推理を進める鹿谷門実。

    あっさり解決かと思いきや…
    まさかの展開。
    そんな手の込んだトリックだったとは…
    時間だけでなく、速度まで…
    まさか…
    カップヌードルもまずくなるよな、確かに…

    娘を思う父の想い。
    そこまでしても…
    それを知った娘の悲しみは計り知れない…
    『嘘…』は何なんだろうと思っていたが…

    なかなか考えつかないトリック、さすが綾辻行人。

  • 館シリーズ5作目、お見事な作品でございました。
    時計館なので、時計を使ったトリックなんだろうな、とほぼ全員の読者が考えるのを見越して、予想を超える大仕掛けとゾッとする真実が用意されており、終盤のページを捲る手が止まりませんでした。
    犯人もなんとなく下巻に入って予想はしてましたが、肝心のどうやってるかは分からず、最後の種明かしで「なるほどーー!」と思ってしまうフェアさが流石館シリーズだなと。
    館シリーズはまだ5作品残ってるのでまだまだ楽しみたいと思います!

  • 面白すぎました!
    あの『十角館の殺人』より好きという声がちらほら聞こえてましたが納得です。
    私も『十角館の殺人』より好きです!!

    最初はオチが読めた気になってましたが見事に予想が外れました。
    でも思い返すとかなり露骨なヒントが序盤からたくさんあるんですよね。
    めちゃくちゃフェアネス精神に溢れた小説です。
    気付けなかったのが悔しい。

    やっぱり金字塔を築いただけあって素晴らしい先生です。
    これからは館シリーズを網羅していこうと思います。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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