チョコレートゲーム 新装版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 347
感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773171

作品紹介・あらすじ

名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々殺された。犯人とされたのは作家・近内の息子の省吾。なぜ事件は起きたのか?なぜ息子は何も言わなかったのか。そこに「チョコレートゲーム」という謎のゲームが浮かび上がる。中学生の生態と親の苦悩も見事に描かれた名作サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 名門中学で起こった連続殺人事件を描いたミステリー。

    発刊は1985年とかなり昔の作品。固定電話がでてきたり、アリバイトリックだったりはさすがに時代を感じるところも多く、犯人の検討もつけやすかったりもしたのですが、ストーリーのテンポの良さや文章のスマートさは現代にも通じるものがあった気がします。

    あとは謎の提示の見せ方がさすが。生徒の父親視点で話は進みますが、息子の非行や身体のあざといった謎から始まり、息子への不信、連続して起こる殺人事件、「チョコレートゲーム」といった謎の言葉。テンポの良さと相まって、謎が次々と移り変わっていき話に引き込む。

    時代こそ古いものの、子供をめぐる環境は現代に通じるものもありそう。親から見えない子供の謎めいた友人関係、軽いゲームのつもりが思わぬ犯罪の深みにはまっていく子供たち。ネット、ケータイ、スマホ、SNSと子供をめぐる人間関係、そして犯罪はどんどん閉鎖的になり外から見えにくくなっていく。

    時代を超えるミステリーは、何か普遍的なものがあるのだと、感じた一冊でもありました。

    第39回日本推理作家協会賞

  • 面白い。
    300pほどでここ迄引き込まれる作品はそうないのではないか。
    推理の部分と親子の微妙な気まずさを出した文学的側面の両方が良かった。
    動機の問題もしっくり来てとても好き

  • +++
    名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々殺された。犯人とされたのは作家・近内の息子の省吾。なぜ事件は起きたのか?なぜ息子は何も言わなかったのか。そこに「チョコレートゲーム」という謎のゲームが浮かび上がる。中学生の生態と親の苦悩も見事に描かれた名作サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。
    +++

    ほとんど息子とかかわってこなかった作家の近内は、ある日、妻から、中学生の息子の様子がおかしいと聞かされ、さらに、担任教師からも、ここ二週間で何人かの生徒の欠席や早退が急に増えていると知らされる。そのさなかに、同級生のひとりが殺されたことがわかり、当日息子がひと晩中帰ってこなかったこともあって、不安が頭をよぎる。その後の展開は、さらにひどいことになり、結局、息子が逃げられないと思って自殺した、ということで終結する。だが、何か腑に落ちないものを感じた近内の執拗とも言える調査によって、真実があらわにされると、にわかには信じられない思いにとらわれる。親子の葛藤や、友人間の抜き差しならない関係、ほんのひとときの心のよりどころなど、ミステリ要素のほかにも、人間関係について思いを馳せる一冊だった。

  • 1986年日本推理作家協会賞受賞作品。
    岡嶋二人を読むのは初めて。

    誕生月に生まれた頃に生まれた作品を読もうと思い、
    本棚に積まれていた本書を手に取る。
    誕生日の甘いケーキの代わりに、ビターなチョコレートゲームを味わった。

    家庭に関心の薄い作家と、学校に行かずに怪しい行動の増えた息子。
    事件を契機に息子と向き合い始める父親と、
    「チョコレートゲーム」というキーワードを軸に展開されるテンポの良いストーリーは、
    どこで読み止め、また再開してもすぐに物語のなかに戻ることができる。

    スマートフォンもSNSもない時代。
    登場するガジェットには懐かしさを感じ、トリック成立は難しいかもしれない。
    しかし、本書がそれにより色褪せた印象は受けない。

    「親子愛」や「学校で共有される秘密」といった時代が変わっても不変のテーマ。
    執念深い聞き込みによる真実の探索等、文筆業の父親が展開するハードボイルド。
    むしろ30年以上昔の小説だからこそ、
    様々な脚色や特色が演出された現在の小説よりも、王道を味わうことのできる作品。

    古き良き王道のハードボイルドを求める方は是非。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/684241

    クラスメイトが連続で殺害され、警察は私の息子を疑っていた。
    他のクラスメイトは何かを隠している。息子たちが行っていた”チョコレートゲーム”とは一体?
    可愛らしいタイトルとは裏腹なサスペンスストーリー。

  • 現実味があり、完成度が高く、コンパクト。
    ただ、個人的にはミステリーにおいて"現実味"はあまり重要ではないと思う。
    例え現実では無理そうなトリックでも、机上ではできるものであり、インパクトがあり、読者を驚かせられるならば、十分に価値がある。
    その点、本書は少し「驚き」という要素は少なかったかなと思う。

  • 可愛い我が子が、突然知らないものになってしまったらどうしますか?中3なんてまだほんの子供だと思っていたのに。息子を救うために、邪険にされながらも作家である父は必死で子供たちの世界に入っていこうとします。とても哀しい切ない物語。私は男の子の母親をやったことがないのですが、母親がもう少ししっかりしてもいいような気がします。しかしながら書いた時代を感じさせる部分はありますが、昨今のどこか突き抜けた奇抜なミステリとは違う、とても丁寧な綺麗なミステリを堪能しました。チョコレートにちなんで読めて良かったです。

  • “ラジカセ”なんて出てくるのに古臭いどころか今時っぽさまで感じてしまう。読みやすくて分かりやすくてテンポがいい。
    親心が分かるだけに切ないミステリー。

  • テンポが良くて読みやすかったけど、オチが少しだけ物足りなかったかな

  • 初・岡嶋二人。
    息子の同級生が次々と亡くなり、息子に容疑がかけられていく中で、「チョコレートゲーム」という謎のゲームの存在が浮上するー。

    面白かったんだけど、どんでん返し具合はちょっとだけ期待はずれだったかなー。
    逸子ちゃんがただただかわいそう。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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