- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062773232
作品紹介・あらすじ
訳ありの住人ばかりが集う、通称"烏鷺入長屋"に引っ越した役者の濱次。その家主で質屋のおるいは、筋金入りの"芝居者嫌い"だった。ある日、金を借りに来た三味線弾きの豊路に、おるいは意外な、けれど芝居で大切な役割を担う「あるもの」を質入れしろと言う。濱次シリーズ第二弾。
感想・レビュー・書評
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濱次お役者双六”シリーズ、「花合わせ」に続く第2弾。
長屋を追い出された大部屋女形の濱次は、訳有りの住人ばかりが集う烏鷺入(うろいれ)長屋に引っ越すことに。
新しい家主のおるいは大の芝居者嫌い。
おるいのいとこである座元から、彼女の芝居者嫌いの原因を探るように命じられた濱次だが・・・。
一作目と同じく、軽いけれども滋味あふれる筆さばきにさらさら読んでしまいました。
多数の登場人物達の絡み合う思惑をきれいに交通整理して、うまく大団円に持っていく手腕は本当にお見事。
期待を寄せる逸材ながら野心がなくのんきすぎる濱次が、周囲から尻をたたかれながらも精進し、出世双六をすすめていくというのがこのシリーズの醍醐味のようですが、二巻目ではまだまだ出世の端緒にも及ばず。
これから濱次がどんな精神的成長を見せてくれるのか、すごく続きが楽しみなシリーズです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この作者の本 初めて読んだ 他にも読んでみたい
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シリーズ2作目。濱次が長屋を移ることになったので、登場人物がかなり増えるのですがキャラクターの書き分けが上手くて誰が誰だかわからなくなることもありません。前作からの登場人物もすぐに思い出すことができました。表紙絵も秀逸ですね。濱次は相変わらずで、時々尻を叩きたくなりますがそれもまたよし。おるいが強すぎてちょっと引いたり豊路が本当に最低でイライラしたりしましたが、そんな状況からでも気持ちよいラストで嬉しくなりました。仙雀さん、先代香風も相変わらずでこの先もゆっくり濱治の成長を見守っていきたいです。
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2019/2/11(月曜日)
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2018.11.18.読了
濱次君のおはなし第二弾
この本の表紙に描かれている人たちが、
本の中で活躍していてとても楽しい。
本当に濱次君には会ってみたいなぁ -
濱次シリーズ第二弾 文庫書き下ろし長編
濱次のお師匠さん仙雀は、どこまで計算しているのかなぁ?
長屋を追い出され、訳ありの住人ばかりが集う、通称"烏鷺入"長屋に引っ越したのもお師匠さんが芝居小屋育ちの濱次の経験を積ませるためらしい。
濱次、清助をはじめ魅力的な人たちによるドタバタと人情劇に、あっという間に読み終えてしまった。
※ "烏鷺"とは、カラス(黒)とサギ(白)で、烏は囲碁の黒石、鷺は白石を指す。つまり、烏鷺入は、碁石入れのこと。 -
濱次お役者双六 第二作目。今回は訳あって、訳ありの住人が集う長屋に引越した濱次、清助の一目惚れした相手は「芝居者嫌い」の濱次の長屋の家主だったり、その彼女に因縁のある三味線弾きが登場と、登場人物が増えて…豊路はいいキャラになったのでこれからも登場するといいなあ。
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満足!
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歌舞伎・女形の濱次シリーズ2作目。昔の質屋の質草は今とは全然意味合いが違い、形がなくてもいい、心意気でもいいなんて知ってビックリ。同じ一座の一癖ある三味線引き豊路の質草騒動に巻き込まれたお話でした。幽霊・香風の案じる通り、芸に欲のない濱次には早く芸に目覚める出来事でもあって、次巻あたりで一丁、役者として大化けして欲しいものです。香風に乗り移られ体質なだけにw。