獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3035
レビュー : 236
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773447

作品紹介・あらすじ

愛する者と結ばれ、母となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった――

上橋菜穂子さんの異世界ファンタジー「獣の奏者」第3巻がついに文庫化!ブクログでの評価も高い大人気シリーズの続編です。

感想・レビュー・書評

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  • あれから11年の月日が流れ、エリンはイアルの子 ジェシを授かっていた…

    母の死を連想させる「牙」の突然死の原因を探るため、黒鎧のヨハルと共に最初の闘蛇村であるウハン村を訪れたエリン。
    しかしそこで明らかにされたのは「牙」の死因だけでなく、闘蛇衆の技術がラーザに漏れた可能性だった。

    敵国が闘蛇部隊を保有する場合、こちらは王獣部隊で対抗するしかない。そう思い詰めるセィミヤはエリンに王獣部隊の結成を命じるが、王獣を兵器として操ることに抵抗を感じるエリンは神々の山脈へ「かつての惨劇」の真相を辿る旅に出る決意をする。

    終盤はジェシ目線からイアルとエリンの絆や決意が描かれ、いよいよ次巻最終巻へ…。

  • 謎を解き明かそうとして
    奮闘するエリンの物語にぐっと引き込まれました。
    もう一度、読み直そう…



    2019.05.27
    二度目の読み直しを終えました。
    この一冊は、本当に切なくて辛い。
    家族にやっと会えたと思っても
    次の試練がまた襲ってくる…
    エリンやイアルの真っ直ぐな思いが、とても辛かったです。幸せになりたいのに、なれない…
    ジェシの視点の章もあったり、切なくなって胸が苦しくなる一冊でした…

  • エリンの人生を自分がなぞっているような気分になる。このまま一気に完結編にすすんでしまう。

  • 2巻から11年後に起こった、過去の決断からの波紋に飲まれていくエリンと、夫と息子の逃亡と葛藤の話。
    探求編となっているが、探求を始めることになった話、という感じで、答えはほんの少ししか出ていない。4巻目の完結編まで一気に読まないと気になって仕方ない。

  • Ⅲ探求編

    「生まれて、死ぬまでのあいだに」
    「この十年があって、よかった」

    そう思える人生はすばらしい。
    イアルとエリンのこの十年。

    自分がほんとうにせねばならぬことは、いま、ここから始まるのだ。

    ちょっと鳥肌でした。

    個人的には500ページのロランが口にしたエリンへの気持ち。
    人に惹かれる気持ちにとても共感。

    「ま、ちょっとはそういう感じもあるけど、それより…」
    「幸せになってほしい人なんだよ」

    そう思える人。

    • 9nanokaさん
      10年があってよかった、を読んで、10年しかないなんて、と私は思っちゃったんですけど、komoroさんは良い方に捉えていて、目から鱗でした。...
      10年があってよかった、を読んで、10年しかないなんて、と私は思っちゃったんですけど、komoroさんは良い方に捉えていて、目から鱗でした。確かに、そんな風に思えるほど質の濃い時間ってなかなか過ごせないですよね。

      ロラン、不思議な人でしたね。エリンに影響を与えた人であるのは間違いないですね(^^)
      2015/08/01
  • んがー。きなくさくなってきた…!
    早く続き読みたいです。国と国のうねりに翻弄されて生きざるを得ないエリンとイアルが切ない。
    ロランが好きだ。


    でも、二巻と守り人シリーズまでは子供産んで終わるまい、みたいな強い女性の強い意志を感じてそこが大好きだったのに、ここから鹿の王まで子供素晴らしい子育て素晴らしい男女の交わり素晴らしい方面に行ってしまったのは、個人的につらかった…

  • バリバリの理系小説じゃないか、というのが初読時の印象。近世を思わせる世界観に幻獣、失われた民というファンタジーの定番要素が詰まっているけれど、主人公エリンが獣の生態について仮説を立て、フィールドワークを経て綿密に立証する様は科学者そのものだ。

    「科学者という立場」の難しさにも思いを馳せてしまう。無双の王獣軍を編成せよと命じる為政者セィミヤと、その生態の未知を理由に危険だと主張するエリン。それぞれの立場の苦渋のせめぎ合い。国防などというものが絡むなら尚更。

    本作の前編にあたる「I.闘蛇編」「II.王獣編」では、小さな村から逃れざるを得なかったエリンが王都を知り、国の全貌を知り、権力闘争やがては内乱すら左右する運命に翻弄されていった。本作以降では内政に外交や領土問題、戦争が絡んでくる。王獣と心を通わせたばかりに、彼女は国防の要と見做されてしまう。

    彼女が世界の広さに目覚める場面は明るい。彼女の純粋さはまた「分かっていることと分からないことの境界をハッキリさせ、踏み込める領域を見定める必要がある」という、これもすぐれて科学者的な態度に連なっている。
    しかし、国を取り巻く不安定な情勢はエリンを待ってはくれない。

    本作は科学、政治、戦争、階級差別、教育といった「人の世」の複雑さを描きながらも、結局はそれも地上の生命や大自然の営みからすればちっぽけなことだと読者に思い知らせる。
    人ひとりの手に余る命題に、エリンは真っ向から対峙する。
    探求はすなわち、彼女自身が自由を求める戦いでもある。

  • 前作(獣の奏者 2王獣編)の読感(http://mogura7.zenno.info/~et/xoops/modules/amaxoop2/article.php?lid=5414)でも記した通り、ようやく文庫化されたの読むことになりましたが、3年もブランクがあったので、登場人物はかなり忘れてしまってました。主人公も、いきなりお母さんになってしまっていたしね。

    あと、これも前作の読感で記した、単なる「ファンタジー」を超えたもの・・・なんですが、本書では王獣を現代の「核
    兵器」と対比させながら読むこととなってしまいました。

    (2012/10/17)

  • 秘められて、解らなくなってしまった大災厄。
    王獣と闘蛇の飼育の掟に隠された事実を紐解きながら大災厄の真実を探し求めるエリン。夫や息子との穏やかな生活を切望していても、真実を求めようとする気持ちを抑えることはできない。
    人とは知識を求めるものだから。迷いながらも自分の行く道を自分で選びながら行くのは辛いこともあったはず。
    それでも選んでいく彼女の強さにあこがれる。

  • 上橋菜穂子のファンタジーの魅力は、視覚だけではなく、聴覚、触覚、味覚、嗅覚でも感じられるところ。
    本書も例外ではなく、視覚優位の「お話し」になりがちな架空の世界を、地に足のついた、さわれそうでにおいそうなすぐ隣にある世界に変えてくれる。
    だから、主人公エリンに降りかかる困難もお話しの進行上の困難ではなく、人生の一部としてぶち当たってしまいどうしようもなく苦しい困難として悩める。

    一度は完結した物語だったのに、佐藤多佳子に(間接的に)せがまれて続編を書いた、というあとがきにビックリ。
    母になったエリンの物語を読めてよかった。松明を聖火リレーのように繋いでひろげていく、という本作品のモチーフイメージは、まさに生物が命をリレーし繁殖していくイメージに重なる。
    伝えられる側から伝える側への切り替わりというのは、私の人生に起きた最も嬉しく戸惑う変化だった。それが描かれていたように思う。

    上橋さんに感謝。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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