獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773454

感想・レビュー・書評

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  • 獣と人との関わり方をこの本の中で考えさせられる。言葉をかわすことは出来ないけれど、絆は確かにある。エリンとリランの物語の結末をぜひ読んでみて下さい。
    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=143669

  • 解説で台無し。

  • 2015.5 ☆

  • ついに完結してしまった。
    本当に壮大で、命、利益、戦、体面、いろいろなものを深く問いかけられた物語だった。
    2巻で感じた、風に巻き上げられたような肌が鳥肌が立ちドキドキするようなラストではなかったものの、凪いだ風に心が洗われるような、静かな涙が止まらなかった。
    非常に読みやすく心に響く言葉と共に、漠然としたざわつきを胸に感じ、夢中で読んだこの4冊。
    読み進めるにつれ私も物語の一部になったような気持ちになり、物語が終わってしまって、もうエリンやイアン、リラン達に会えないのだと思うと虚無感すら感じている。

    エリンの存在によって災厄は繰り返されてしまったが、またエリンの存在によってそれに終止符をうち、彼女の家族と王獣が柵から解き放たれ、国もあり方も根本から改められていくような、そんな希望が見られたラストで、これで良かったんだと、素直に感じられた。

  • 文化人類学的歴史譚.一つの歴史の幕を見事に降ろしきったその構成にも舌を巻く.至福.

  • 2015年4月 ☆

  • 獣の奏者シリーズ四巻読み終わりました。物語が壮大過ぎて、もっとこの世界に浸りたいです。現実にエリンがいない事が寂しいくらいこの物語の虜でした。エリンの気持ちを考えても、ジェシの気持ちを考えても辛い、泣けます。これ以上書いたらネタバレになりそうなので、止めます。読書メーターを始めなければ、この本に出会うことがなかったと思います。この本、エリン家族や他の登場人物に会えて幸せです。
    少し余韻に浸り、外伝を読もうと思います。

  • 遂に完結。太古の悲劇は繰り返されたが、秘することなく、後世に語り継がれることとなる。
    悲劇は、あと一歩というところで防げなかった。もう少し早く、伝承の継承者が来ていれば・・・。しかし、こうしたことは、物語だけでなく歴史の中にも溢れており、現実もこうしたものだろう。
    物語の中の究極兵器である闘蛇と王獣。密かに開発され、実践で使うことに躊躇しつつ使われ、破滅を招く。今の世の核兵器を思い起こさせる。

  • 良かったー!!2巻で終わっていたはずの話が、予め用意されていたのかと思うくらい3巻4巻へと繋がって、最後の最後はもう涙が止まらず( ; ; )悲しい最後だけど読後感はすごく良かった。何年かしたらまた再読したいと思います。

  • 質・量ともに、聞きしに勝る大作だった。

    親と子、あるいは夫と妻の間の家族愛、学ぶことの尊さ、生き物を慈しむことの大切さ、そして人と人とが争うことへの根元的な問い掛け…と、内包するテーマは数多い。
    とどのつまり、それらを全部ひっくるめて、命を授かってこの世に生きること、に真っ向から挑んだ作品と言える。

    作者の上橋菜穂子氏が言うように、確かに"闘蛇編"と"王獣編"の2巻で、物語は一度きれいに閉じている。
    "王獣編"の最終盤を読んでいる時に襲ってくる、あの深い感動は、まさにクライマックスのそれに他ならない。
    だから、3冊目の"探求編"以降を読み進めるに当たっては、もちろん期待も充分にあるのだが、それと同時に些少の不安も抱いたことは事実である。
    しかし、それは結果的に杞憂に過ぎなかった。
    「北斗の拳」が"ラオウ編"で見事過ぎる結末を迎えた後、続く"カイオウ編"でもその価値を失わなかったように。
    本書には、"神々の山脈(アフォン・ノア)"や闘蛇と王獣の秘密などにまつわるいくつかの謎が、ミステリーの要素として組み込まれてもいるが、正直、それらが明かされる過程やギミックはシンプルなものであり、それほど読者を驚嘆させるような仕掛けではない。
    でも、通常の小説であればクオリティーの本質に拘わり得るそれらのパーツの出来そのものが、この作品の場合は、極論すれば枝葉に過ぎない、それほどまでに極太の本流がド真ん中を貫いており、確実に読者を物語の世界へと引きずり込むことに成功している。

    第2巻、"王獣編"のクライマックスと同様に、最終第4巻、"完結編"が終わろうとする時には、抑えようもなく双眸に感情が溢れてしまったわけだが、単純に、そのことがこの作品を読む価値を表している。

  • エリンのまっすぐな思いと他の人達の思惑が交錯し、エリンを破滅へと導いていく。
    広がる悲しみ。
    リランとエリンの最後は悲しすぎる。
    もっと違った形を期待していたが、可哀想過ぎた。
    この感じが読むことを止められないのかも。

  • 戦争が始まる。死を覚悟する母エリンに自分を捨てるのかと不安を抱き鬱屈するジュシ。父との語らい。親子の絆の物語。王獣と闘蛇によるカタストロフィとエリンの犠牲。「母はそれから四日生きた」終章冒頭の一文。ジュシのこの言葉が続編を書くときに、最初に浮かんできて、ここへ向かって書いたそうだ。残された人々にエリンが、まだ王獣を飼っているか尋ね、いないと答えられて、ニッコリするシーンが印象的。

  • 四冊一気読み。久しぶりに夢中になりました。これぞファンタジー。ハリーポッターに負けない壮大なスケールでした。二巻で終わらなくて良かった。

  • [ 内容 ]
    <1>
    リョザ神王国。
    闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。
    母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが―。
    苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける。

    <2>
    カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。
    決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく―。
    新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。

    <3>
    愛する者と結ばれ、母となったエリン。
    ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。
    夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遙かな谷を目指すが…。

    <4>
    闘蛇と王獣。
    秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。
    過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。
    傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。

    [ 目次 ]
    <1>


    <2>


    <3>


    <4>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 2巻までとは別の物語。それでも「ですから、やはり、ここまで書かねば、この物語は完結をしなかったのです。」は正しいのだろう。

  • 上橋先生いわく、獣の奏者は闘蛇編と王獣編できれいな球体のように完成したイメージがあり、完結した物語であったとか。

    なので後付けで余計なものを加えるようなことはしたくなかったのだ。

    しかし、周囲の要望により構想が広がり、結果としてきれいな球体をさらにきれいな球体で覆うように再度完結させることに成功した。

    と、後書きに書いてある。

  • 3巻の終わりからこの物語はどう終わらせるのだろうと気になりながら読了。やはりそうかと言う寂しい気持ちとこれで良かったのだという気持ちが半々。外伝が出ているようなので、こちらもチェック。

  • 久しぶりの充実なこの読後感。この作品中に出てくる女性がみな逞しいことが、お話を気に入った最大の理由かも。『守り人』シリーズも読んでみよう!

  • [2014.09.17]

  • エリンたちの葛藤を描いた感動の獣の奏者最終章

  • なんといっても、ジェシが強く生きてることが嬉しい。

  • 闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天を舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。すっかり著者・上橋菜穂子先生のファンになってしまいましたわ。スバラシイ!

  • いつかエリン家族が穏やかに暮らせる日が訪れると期待してたけど、やっぱりラストはこうなってしまうんだよなぁ。
    読み終わった後、しばらく誰とも喋りたくない。その世界にしばらく浸っていたい感じ、久しぶりだった。

  • そうなるしかない、でも、エリンがジェシに宣言したように、逃げずに向かっていった終わり方であった。
    重たいテーマをはらみつつ、最後までそれを背負っていったのはエリンもりっぱだし、作者もりっぱ。
    ジェシがりりしい若者に育っていって、まぶしかった。

  • 終盤はとても面白かった。
    ただ2巻のレビューにも書いてるように、エリンが好きになれなかったので、「好きな作品」にはなれなかったのが残念。
    セィミヤがエリンに言った「自分の罪悪感のために~」みたいな言葉に少しスッとした。

  • エリン@灯れ松明の火

    色々、グッときたけど一番心に残ったのは代々受け継がれる猪肉の葉っぱ包み( º﹃º`)

    後付とは思えない緻密さは、構想時点での世界観の深さを物語っていて素晴らしいんですが。だけど・・それでも、Ⅰ・Ⅱだけの方が好きとあえて言おう。

  • 闘蛇と王獣の秘密が解き明かされていく。残された人とエリン達のいる国の人と謎が解き明かされていく。闘蛇と王獣がなぜ一夜にして国を滅ぼしたのか。なかなかきちんと話が終わらない物語が多い中きちんと謎を解明しきちんと話が終わる物語も珍しい。最後はジェシの成長したところで終わっているがしっかり話がまとまり良かった。人とは何かと言うことを考えさせる良い物語だと思う。これは子供にもお勧めのファンタジーです。ハリーポッターなんかよりずっと良いと思う。

  • [02][140130]<ao

  • 例え不幸な結末が待っていたとしても、愛するものを、そして愛する聖獣を守りたい一心で戦いに赴いた女性の物語です。感動しました。

  • 獣の奏者、とうとう完結!!
    今回の見どころ…たくさんあるけれども、
    ①ジェシの将来の選択
    ②ジェシの葛藤、父子の約束
    ③自分の力を生かす婚姻を決断したオリ
    ④イアルとエリン、エリンとジェシの別れ
    ⑤激しく、かつ惨憺たる戦場、イアルが駆け付けるシーン
    ⑥その後の切なくも紡がれる未来

    泣きました!特に上にあげたシーンの多くは泣けるシーンでした。
    最後の、「……それから四日、母は生きた」これは切ない。本当に。

    考えさせられた。政治に巻き込まれたエリンと、その道を選ばざるを得なかったエリンとイアル。そして、災いが起こってしまうならば、明らかにして、新しい道を――なんと深い物語だろう。ジェシという大事な大事な息子が子供らしい苦悩をエリンたちにぶつけるのも印象的だ。エリンたちのしていることは間違いではないか?そう別の観点も与えてくれる。深い深い物語で、壮大な物語であった。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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