死ねばいいのに (講談社文庫)

  • 講談社 (2012年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (466ページ) / ISBN・EAN: 9784062773515

作品紹介・あらすじ

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。(講談社文庫)


嘘を重ねるほどに、真実に近づいていく。京極夏彦が紡ぐ究極の謎(ミステリー)
「王様のブランチ」「ダ・ヴィンチ」などで絶賛! 極上のベストセラー!!

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。<解説・辻村深月>

※本作品は2010年5月に単行本として刊行されたものです。文庫版として出版するにあたり、本文レイアウトに合わせて、加筆訂正がなされていますが、ストーリーなどは変わっておりません。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルのインパクトにひかれて読んだ。
    派遣で働く鹿島亜佐美が何者かによって殺された。事件後に、アサミと知り合いだったという、渡来ケンヤと名乗る男が訪ねてきたのは、アサミと不倫していた上司、付き合っていたヤクザの男、アサミの母親、アサミのマンションの隣人の女性、だった。
    アサミの事を教えて欲しいと言うケンヤ。
    恋人関係でもなく、4度しか会ったことのないケンヤとアサミ。
    アサミを殺したのは.....。

    アサミが友達や、恋人に言えなかった話をケンヤにしていた気持ち、自分も何となくわかる。
    全く立場が違う、よく知らない関係性だからこそ、本音をあかせたり、素直になれるのではないか?
    SNSだけが拠り所になりやすい、この世の中のように。
    しかし、アサミの殺された理由は納得出来なかった。

  • タイトルに釣られて買いました。

    物語の構成がすごく面白いと感じました。読んでいく中で、この本のタイトルの意味が変化していくところが良かったです。この物語はしっかりと伏線が回収されるし、登場人物の内面も明らかに書かれているので、後味はすっきりしていました。よかったです。

  • 結構前に、朗読会に参加した時に出会った作家さん、再読です。(宮部さんらとステージにいましたがとても渋い方に見えた印象です。)
    たまたま図書館で目に入り、また手に取ってみました。以前はこのミステリーが面白いー、と思っただけな気がしますが、再読してみて、深いなー、と改めて感じました。人の悪の、負の、更に弱い部分がてんこ盛り(笑)です。欲がある幸福度の低い人々の、なんと多いことか。(私もそうなのかもー?!)
    対して、欲がなく足るを知る「あさみ」はきっと、他人にはどう思われようと、本人は幸せだったんだろうと思います。思いたいです。幸せの瞬間を止めてしまったら一生(?)幸せなんだろうか、と考えてしまった(笑)。
    言葉の使い方や語彙の量、表現力、グイグイ引き込まれて読んでしまったので、ホラーは苦手だけど、他の作品も挑戦してみたいです。


  • 読み始めは、ケンヤの話し方にムカついて、この本苦手だなぁーと思ったが、貸してくれた人の面目が立たないだろうから、無理して読み進めた。
    だけど、1人目2人目と読んでるうちに、ケンヤからの問いかけでズルズルと仮面が剥がれ、押し問答の末に本性が現れていくことに、どんどん引き込まれていった。巧みな文章。
    自分の感情さえよく分からないのに、他人のことなんて理解できないよなぁ…。
    因みに50歳間近なわたしは、不幸でもないけど、もういつ死んでもいいやと思っている。

  • 死んだ女のことを聞いてまわる無礼な男。
    その男と話しているうちに、自らの矛盾や身勝手さを突き詰められ、しまいには「死ねばいいのに」と言われる。その言葉を言われた当の本人は、自分自身で気づかなかった本音や感情に気づいてしまう。
    無礼な男、ワタライケンヤが聞いてまわる人たちは、身勝手な人たちだ。ただ、その人たちが持つ身勝手さは、読者である自分自身も持っているものであり、だからこそワタライケンヤの放つ「死ねばいいのに」という言葉が、まるで自分自身に言われているかのように刺さってくる。
    しかし、その時に、改めて自分自身を客観的に見ることができ、自分の背負う余計なものに気づくこともできるかもしれない。
    気づくだけでは、きっと日常は変わらない。だが、気づく前と気づいた後では、その背負っているものの重さは変わるかもしれない。
    本作は正に「憑き物落とし」の本だと感じる。
    そして、憑き物を落とされているのは、作中の登場人物ではなく、読者である自分自身だった。

  • 初の京極夏彦作品。全て自分の弱い部分を突かれているようで、ホラー作品より怖い内容だった。読んでいて、そんなつもりは…という何度心で思った事か。

  • 京極作品初挑戦!ミステリー好きなら京極を避けては通れぬと知りながらも、百鬼夜行シリーズに手を出すのはハマったら抜け出せないような躊躇もあり、素敵なタイトルにも引き込まれて本作品を手に取った。

    アサミに関係する人物の、独白が大きなウェイトを占めているし畳み掛けるように心情を吐露していてエグさがあるけど、共感できるところも沢山あっちゃう。そう、あることによって読者として小説の外側から俯瞰してるにも関わらず、当事者として糾弾されるハメになる。

    人間極論自分が一番可愛い。確かに十代の頃死ねばいいのにって言葉の重みに反して軽ーく発してたことを思い出した。これって冗談だからこそで、本気で目の前で言われたらやっぱり取り乱すだろうし全力で否定するんだろうな。

  • 文句なく☆5,
    まだ今年も前半だけど、間違いなくベスト3には入る一冊。
    京極先生の巧みな日本語に読み手である自分の憑き物が落とされる。日本人ならこのくらい上手く言葉を使いこなしたいと、非常に強い憧れを感じます。
    読了後、改めて考えるとケンヤが語る言葉は当たり前で素直なことなのに、凝り固まった脳みそで考えると考えつくことができない・・・そんな感覚が一番近いのかなぁ、とおもいます。

  • 死というものは私たちに、生を実感させる物だと思う。現実に流されてながら生きる私たちは死を実感する機会がない。それは同時に生を実感する機会もあまりない。
    これは死を通して人間の内面を炙り出す生々しい作品だと思う。
    「死ねばいいのに」この言葉の衝撃は大きい。幸いにも死というものが近くにない日本で間接的に触れることができる作品だ。
    私はうつ病で死というものを嫌でも感じた。生々しくとても人に言えるものではない。でも私は生きている、生きている。ただそれだけ。

  • 3.0

  • とても読みやすくて面白かったです。
    考えさせられる内容でした。

  • どうしてアサミに関することを聞きたいのかという大枠が主題であるにもかかわらず、個々の詳細なストーリーで展開していきます。各登場人物ボコボコに否定されてますね。決め台詞がタイトルです。
    アサミが可愛そうすぎることは本人の明るい態度で若干救われますね。

  • 最初のうちは、何を読んでるのだろう?と、頭の中で纏まらなかったが、知らぬ間にどんどん読み進めていた。引き込まれる何かがある。読み終わると何か茫然とした。

  • 京極夏彦先生初心者でも入りやすく読みやすい内容。
    6部構成に分かれて回収。

    後半間延びするかな…。

  • ずっと気になってたタイトル。作家に疎い私でも京極さんの名前は把握してたし、凄い文才のある作家だって事も感じてた。でも如何せん書店の陳列棚に鎮座する文庫本でも圧倒される分厚さに尻込みしちゃってなかなか手に取る事が出来なかった御方。このボリュームならばと・・・。
    本作は会話が中心からか、いや、中断する時間が惜しい位に引き込まれて飲みの誘いを断ってでも読書を優先したのは初かも。
    読了して暫く放心した。改めて京極夏彦スゴい…。後味は決して良くはない。でも何を伝えたいのかとか上手く言えないけど感じるものがあった。
    食わず嫌いせず、京極堂の住む世界も見てみたいと思う。

    • imuzak12さん
      確かに京極さんの本を初めて手にする時は、それなりの覚悟がいりますねwww で、読み出したら中断したくないのがまた困りもので。そのうち、この本...
      確かに京極さんの本を初めて手にする時は、それなりの覚悟がいりますねwww で、読み出したら中断したくないのがまた困りもので。そのうち、この本もなんとか入手して読みたいと思っています。
      2013/01/03
    • hypnosisさん
      imuzak12様
      コメントありがとうございます♪鉄は熱いうちにってことでまずは百鬼夜行シリーズから読み始めてみようと思います。#2からは電...
      imuzak12様
      コメントありがとうございます♪鉄は熱いうちにってことでまずは百鬼夜行シリーズから読み始めてみようと思います。#2からは電車読みはちょっとキビシそうですが…。
      今年もよろしくお願いいたします(^o^)/☆ひぷ
      2013/01/04
  • ただ一言「ごもっとも!」
    素晴らしい本だが,とつぜん友人にプレゼントしたり,同僚の机に無言で置いたり,上司にお歳暮で送ったりしてはいけない。

  • 不審死を遂げたアサミについて、話を聞いてまわる青年ケンヤ。ただアサミのことを聞きたいだけのに、誰もが自分の話しかしない。
    ケンヤと彼らの会話が続くだけなのに、読む手が止まりませんでした。好みは分かれる作品かも(私はOK)。

  • 図書館でジャケ借りしようと彷徨っていたときに目に入った「死ねばいいのに」。人が死ぬ本を読みたい気分の私にぴったりだと思いましたが、この本を持っていることで家族や同僚からはなんて本をよんでいるんだというツッコミを受けました 笑 
    私の場合は、残酷な本を読みたくなる時は心身共に健康な証拠なんですがね、、。
    なにはともあれ、よくお名前を耳にしていたけれど一度も読んだことのない作家さん。前情報ゼロで臨んだ本作でしたが、ミステリやサスペンスというよりヒューマンドラマでした。3分の2位読んだあたりでこうなるだろうなぁと思ったその通りの展開でしたが、先が読めてもとても面白かったです。

  • 死ねばいいのに。
    私が一番嫌いな言葉です。
    軽々しく口にしていいことではないし、思うだけなら自由ってもんでもない。
    本当に「そう」なってしまった時に言霊の可能性に震えるくらいなら一生その口を閉じてろ、と思う。
    その大嫌いな言葉をタイトルにしている本書。
    さぁどんな内容よと挑むような気持ちで読み始めました。

    ですが、結果的に私の完全な勘違いでした。
    ここでの言葉は、呪いでもないし、凶器でもない。
    単なる提案でしかなかった。
    つらい。苦しい。もうどうにもならない。じゃあ、「死ねばいいのに」っていう一つの提案。
    裏もないし、嘘もない。当然悪意もない。

    一人の男とある事件の関係者の会話を通して明らかになるのは、
    不満ばかりを言って何もしない私達の愚かしさ。
    本当に、死ねばいいのに。

  • 『死ねばいいのに』
    舞台を見に行くため、その前に再読。

    この本がミステリだと紹介されるのがずっと不思議なんだけど、この本を「犯人は誰だ?」と考えながら読む人はいないんじゃないかな。

    「死んだアサミがどんな人だったのか教えてくれ」と聞くところから始まるのに、いつの間にかアサミではなく聞かれた人物自身の醜い部分が引きずり出されていく。この会話の流れは巧みだなあ。気づいたら誰もアサミの話をしていない。

    「醜いのは分かってるけど辛くて苦しくて逃げられなくてどうしようもないんだどうしろっていうんだ」と訴える彼らは、「死ねばいいのに」と言われたところで死にはしない。
    しかし誰よりも不幸だったのに「ヘンテコな人生だけど幸せだ。このままずっと幸せでいたいんだけど、どうしたらいいだろう」と言ったアサミは、「そんなに幸せなら、幸せでいるうちに死ねばいいのに」と言われて呆気なく死んでしまう。

    『魍魎の匣』の雨宮を思い出す。
    どんな環境に身を置こうとも、それを最終的に受け入れて自分を幸福な状態に持ち上げる、狂おしいまでに現実肯定の出来る人…。
    雨宮は、作中で彼岸に行ってしまった(人を辞めてしまった)男として描かれているが、アサミを殺す際のケンヤは「自分が手を掛けてるのが人間じゃなくて、何かもっと凄えものみたいな気がして来て」と怯えている。
    また、アサミを模したであろう1ページ目の写真には「菩薩」と文字が入れられている。アサミが京極夏彦的に"ヒトでなし"判定なのは間違いないと思う。
    やはり京極夏彦オタクとしては、"ヒトでなし"概念が大好きだし、生き残ってうだうだ苦しみ続ける人間達と悟ってさっさと死んでしまったアサミとの対比を魅せる構成の美しさに感嘆する。

    死んだアサミがヒトでなしとして書かれているからこそ、「死ねばいいのに」と言われても死のうとしない奴らの、浅い欲望とか、狡さとか、都合の良さとか、そういう部分が人間らしくて、人間はそれで良い、良くないかもしれないけどそれで当たり前で、それが人間だ、というのが読者への赦しでもある。

    もちろん、この本の見どころは他人の吐き出す苦しみを切り捨てていくケンヤの言葉だろうと思う。
    醜くて生き汚い登場人物達はみんなどこかが私と似ていて、ケンヤに説教されるたびに心が痛み、反省する。
    でも、最終的に生きているのは「何も望まなかったアサミ」ではなく「醜い欲望ばかりの人々」なのだ。

    人間、自分勝手な欲望ばっかり抱えてて「足るを知る」なんてなかなか出来るもんじゃないけど、本気で「足るを知る」ができると「完全な現実肯定」ができてアサミになり、それはもはや菩薩になるということなのだろう。
    それは美しいことかもしれないが、もうヒトではない。

    でも幸せになれるなら菩薩になりたい気もしてしまうな…。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ):一九六三年北海道生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。同作を含む〈百鬼夜行〉シリーズで人気を博す。九六年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。その後も泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木三十五賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞を受賞。〈巷説百物語〉シリーズ、〈豆腐小僧〉シリーズなど著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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