丸太町ルヴォワール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.66
  • (78)
  • (129)
  • (107)
  • (27)
  • (12)
本棚登録 : 1055
感想 : 137
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773690

作品紹介・あらすじ

祖父殺しの嫌疑をかけられた御曹司、城坂論語。彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。そして開かれたのが古より京都で行われてきた私的裁判、双龍会。艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。「ミステリが読みたい!」新人賞国内部門第2位、「このミステリーがすごい!」国内部門第11位。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 丸太町という聞き慣れた地名なんで読んでみた。
    リーガルサスペンスになるんかな?
    「双龍会」という疑似法廷みたいやけど。
    何で、落花さんだけ、京都弁で他の人は、標準語?って違和感あったけど、京都でなくても、奈良の人とかやし、それなりの言葉使うはずやけど…
    何か闇社会の法廷で、主役達も闇社会っぽいけど、全員、京大やん!それも、イケメン、イケジョ!
    まぁ、優秀でないと事件解決できんのやろうし、怪しさは美形がええのか…

    疑似法廷やからか、真実というより、如何に言葉を使って納得させる(騙す)かに掛かってる。
    なので、どんでん返しだらけになるのは、仕方ないかもしれんけど、もう分からん!^^;ってなる。
    中性的な名前にも…
    最後は、分かるんやけど。

    私は落花さんの京言葉の虜になりました〜♡

    この作家さんも、京大のミステリー研の人みたい。京大出身の人って、そのまま、京都を舞台にした作品作る人多ない?
    でも、知ってるとこ出て来るから嬉しい。(また、藤井大丸出とった。分かるんかな?)

  • ルヴォワールシリーズ1作品目。
    論語とルージュの会合から始まる。
    面白い個性を持ったキャラクター達。
    ルージュの正体は誰か、祖父殺しの犯人は誰かという結論に達するまでの天才たちの騙し合いを楽しむストーリ。
    叙述トリック満載。
    真相はどうあれ、大衆が納得すればOKという世の中なので、それができる人が強いですよね。
    面白かったです。

  • ルヴォワールシリーズがおもしろいと聞いて、初読み。「双龍会」というSF味のある神事を舞台にした法廷ミステリー。
    京都のまちが舞台で京都しぐさもたっぷり。スピード感のある展開とどんでんがえし。青春っぽさもあるし、非常に楽しいエンタメミステリーだった。続編も読みたい。

  • キャラも立ってて面白かったけど、ちょっと会話がくどい。
    どんでん返しやりすぎて最後はどうでもよくなってくる。

  • 京大ミステリ研出身。設定が込み入っていて説明しにくいが、京都を舞台にした伝統的模擬裁判のような話。祖父殺しの汚名を着せられた青年と、その場にいた筈の謎の女を探す。

    まず凄い読み難い。難読人名と慣用句を多用するもったいつけた会話は、講談社ノベルス系の小説にありがちなんだけど、あまりにも話が入ってこない。
    法廷小説としても、証拠のすり替えや偽造を互いに乱発するのはやや興醒め。
    クィーン的な手掛かりからロジカルな真相看破に繋げるところもあるが、地味。
    叙述連発でどんでん返しを演出しているが、その分キャラクターの実像が見えにくい。
    麻耶さんの解説に推理の過程を楽しみ、探偵役の不在がテーマとあり、成程と思ったが、もう少し要素が噛み合えばきっともっと面白いのでは。

  • あのあたりに住んでたこともあって、京都が舞台で、京大系となると手を出してしまう。京都のミステリらしいといえばらしいけど、この歳ではちょっと辛かった。とは言え、シリーズの残りも買ってしまってるので、読んでいく予定。もう少しこねくり回さない展開の話だといいな…

  • 目紛しい展開のミステリーは好きなんだけど、そもそも年齢にそぐわないキャラクターと架空裁判という設定に、最後までどうもうまく入り込めないまま何とか義務的に読み終えた。
    双龍会のシーンは迫力あったけど、法的に何の権限もないのになぁ...とイマイチ盛り上がれず。
    最後までごちゃごちゃし過ぎたかなー。

  • おもしろかったんですがややマンガチックなキャラ立てといつまでもひっくり返され続ける展開に疲れ気味な読了感になってしまった。

  • 「ぼくの初恋にまつわる話をしましょうか」。冒頭の一文とタイトルに惹かれて、この著者初読み。

    初恋を語るのは、容姿端麗、ものすごい知力を兼ね備え、さらには金まで持っている美少年御曹司、その名も「論語」。祖父殺害の濡れ衣を着せられた彼が法廷へ。といっても、世間的には祖父は自然死したものとされていて、真相を追及する場となるのは、京都で開かれる私的裁判「双龍会(そうりゅうえ)」。

    実在の地名だらけだから、私も含めて京都贔屓の人にとってはたぶんとても楽しい。登場人物の容貌や話し方はアニメにしたらさぞかし映えそうで、オタクな雰囲気。「論語」という名前を「ごんべんくさい」と評したり、相当なダジャレというべき言葉遊びがあったり、好き嫌いが激しく分かれそう。ちなみに私はかなり好きです。ちゃんとミステリーなところも○。

    論語をはじめとする本作の登場人物たちと、西尾維新の戯言使いと、森見登美彦のオッパイ大好き少年と、言の葉対決をしたらさぞかし盛り上がるのでは。想像するだけでワクワクします。

  • 三年前に亡くなった祖父を殺した疑いを持たれた城坂論語。
    親族内ではいったん自然死として処理されていたものの、論語のとったある行動により、彼は京都に伝わる私的裁判である双竜会(そうりゅうえ)にかけられることになります。
    通常の刑事裁判と異なり、原告側被告側双方が、証拠の捏造や隠滅なども辞さずに相手を打ち負かそうとする双竜会。
    論語は有罪か無罪か、そして祖父の死の当日に論語が会っていたと語るルージュと名乗る謎の女は実在するのか。
    本格推理と法廷物の面白さに加えて、読み終わった後には、一つのラブストーリーであったことにも気づかされました。
    クライマックスから二転三転四転する真実。
    騙される快感を味わいたい時にはうってつけの小説です。

全137件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ミステリ作家。1983年、奈良県生まれ。2009年に『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXからデビュー。同作から始まる〈ルヴォワール〉シリーズ(講談社)のほか、著作に『キングレオの冒険』(文藝春秋)、『シャーロック・ノート』(新潮文庫nex)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

円居挽の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×