レモンタルト (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 717
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773737

作品紹介・あらすじ

姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。もどかしい恋の行方と日常にひそむ不思議を、軽やかに紡ぐ連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら、めちゃくちゃレモンケーキが食べたくて堪らなくなった。レモンタルトでなく、レモンケーキ。レモンタルトも美味しそうだけれど。
    20代の頃しょっちゅう食べていたレモンケーキの味を思い出していた。まだその味を知らなかった頃は、レモンケーキ...すっぱいん?と敬遠していた。だけれど初めて口に入れた瞬間からやみ付きになったのを覚えている。私よりも年配の方々が美味しい美味しいって列んで買っていて、ああ、これはちょっぴり大人のお味なのかしらと胸をときめかせて、大好きなお紅茶を薔薇のティーカップに注ぎ、そのレモンケーキの酸味と甘味の絶妙なバランスを蕩けさせていた懐かしきあの味。またいつか何処かで出会えるかしら。
    傘をさす度に何かが落ちてくる、そんな幻想に、ちょっとだけ憧れともつかないドキドキ感を味わった夜。

  • いいシチュエーション。いわゆる同性愛を取り扱っているけど、ゴテゴテしていないし、ありがちなお耽美モノとして処理されているわけではなく、ひたすら繊細で甘酸っぱい。砂糖の粒でレースを編んでいる感じ。

  • 手に入らなかったものだけがずっとそこにある。

  • 叶わない義兄への思い、ちらつく亡き姉。
    2つの感情に板挟みになっているうえに会社の立場はとんでもない主人公に「オー人事!オー人事!」と叫びたくなる。
    でも、日常に混ざる非日常や主人公の思いが淡々とつづられる文章はさすが長野さんと唸る。
    「となりの姉妹」や「箪笥の中」などと同じ系統かな?
    買ってよかった

  • 絶妙なタイミングで現れる義兄がずるい!(笑)
    姉との思い出、義兄への想い。読んでて始終もどかしく、切なかった。
    各話の謎が解明されてるようでされてない、この曖昧な感じが好きです。続きが気になってぐいぐい読めました。

  • 珍しく、少年じゃないなー、が第一感想。
    だからこそのもだもだ感というか、どうにもならなさみたいなものがよかった。
    ものすごーく報われなさそうな恋をしているけれども、報われて欲しいなー、でもこのままでも割とこの人幸せなのかな?という不思議な気持ちになる。
    いろいろな意味で長野さんにしか描けなさそうなストーリー

  • 漸近線のような。

  • 同性愛だってとこまでは読めたけど、
    空気感が眠たくなる本だった。
    残り3日、読み終わらず返す方向で。

  • 読み返した。
    士の恋が報われてほしいという思いしかない。初めて読んだときもそう思った。でも士は一哉(義兄)のことを決して手に入らないものだと思ってるから。なんてったって“海”だもの。
    一哉の中ではなな子(士の亡姉)だけが妻で、彼にとって士は永遠に義弟のままだろうな。亡くなった人間に生きてる人間が勝つのは難しい。

  • 予想以上にライトだった。猫道楽とかよろずとか桜蔵のやつ(タイトル忘れた)とかと同じテイスト。
    これ何も知らずに読んだらびっくりするんじゃ?とか思ったけどそっちに重きを置いて読まなければいいのか。

    相変わらずわけのわからない厄介ごとに巻き込まれる主人公(今回はゲイ(ゲイ?))、相手は長野先生お得意の絶妙な距離の身内。死んだ姉の旦那。しかも同じ敷地内に住んでる。姉は死んでるからある意味もうどうしても手に入らない人のものの義兄。
    主人公の仕事がこれまた都合いいっていうか、ありがとうございますって感じ…役員の公にできない様々な用事を文句言わず請け負う仕事。同僚からは縁故採用と疎まれ事情を知る者からは役員の犬と蔑まれる。
    あめふらしとかとは違って、今回の話は全部不思議ではあるけど超常現象的なものはない。あれ?あったっけ… うまいことオチはつく。
    「とっておきの料理」で主人公が好意を寄せる相手にひどいことされる場面はヤッター!と思ったけどそのあとの展開があまりにチョロすぎてちょっと興ざめ…笑
    全体を通して義兄との距離感がいい。

    解説が結構直接的というか、BLって言葉が出てきてアッ…ハイ…って急にパンチ食らった気分になった。自分はそういう選び方してるけど、なんかこういうちゃんとした文庫本だと許される気分になる。

    かるーい気分で読める。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの まゆみ)
1959年東京生まれの小説家。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で文藝賞を受賞。2015年、『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞する。『新世界』『となりの姉妹』『箪笥のなか』『よろづ春夏冬中』『メルカトル』『カルトローレ』『45°』『ささみみささめ』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『左近の桜』シリーズなど著書多数。

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