すらすら読める方丈記 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2012年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784062773966

作品紹介・あらすじ

総ルビつきの原文、中野孝次のわかりやすく、かつ洞察に満ちた現代語訳、そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、平家と源氏が争った時代を生きた鴨長明の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせる。大地震、大火、大飢饉、辻風、さらに遷都を体験し、ついには方丈の住居暮らしに本当の安心を得た生き方が心に沁みる。(講談社文庫)


総ルビつきの原文、中野孝次のわかりやすく、かつ洞察に満ちた現代語訳、そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、平家と源氏が争った時代を生きた鴨長明(かものちょうめい)の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせる。
大地震、大火、大飢饉、辻風、さらに遷都を体験し、ついには方丈の住居暮らしに本当の安心を得た生き方が心に沁みる。

みんなの感想まとめ

普遍的な人間の悩みと、それを超越する鴨長明の人生観が描かれた作品は、無常のテーマを通じて深い共感を呼び起こします。著者の中野孝次による総ルビ付き原文とわかりやすい現代語訳は、長明の肉声を現代に蘇らせ、...

感想・レビュー・書評

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  • 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
    有名な冒頭の一文で無常感に基づく仏教的世界の作品だと思っていたが、人間社会の普遍的な悩みとそれを超越した鴨長明の人生の楽しみが描かれた作品で共感出来る文が多かった。

    「世にしたがへば、身、くるし。したがはねば狂せるに似たり」
    世間に迎合すれば苦しむばかりだし、合わせなければ狂人と陰口を叩かれる、800年以上経っても空気が支配する日本社会に生きる苦しみは変わらないんだなと痛感した。

  • 方丈記は「無常」の文学だと言われる。確かに、方丈記の前半では、自らが体験した五つの大災害(安元の大火、治承の辻風、福原遷都、養和の飢饉、元暦の大地震)の悲惨さを克明に描くことで、人の命と住居の脆さ、儚さを客観的に伝えている。しかし、方丈記の眼目はここではない。後半の、方丈の住居の自由と楽しさを語る部分こそ、長明が方丈記を通して伝えたかったことだ。つらく儚い世の中だからこそ、長明は自分のために、心を楽しませること、充実させることを重視した。その結果が、方丈の庵での暮らしである。故に、方丈記は「数寄」の文学なのである。

  • -ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
    という無常をぴたりと言い表した文章で始まる。
    .
    -埋み火をかきおこして、老の寝覚めの友とす。
    など、長明さんが独創性よりも知識や教養を共有することの奥深さを、中野さんの簡潔で熱い解説で肌に感じることが出来た。
    .
    -世にしたがえば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり。
    など、自分の心に素直であることなんて、普遍的で現代でも愛読者がいることが頷ける。
    .
    方丈記は愛読者にとってはどの訳でも面白いそうだが、自分は中野さんの原文の掲載・現代語訳・解説に先ず触れたのは良かったように思う。

  • 「長明さんの」無常観。共感できるような、できないような。

  • 入院した母が、方丈記に共感しているようだったので本をプレゼントしようと購入。その前に自分でも読んでみた。
    「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という書き出しは暗記しているが(させられたが)、その後の内容まで知らなかった。
    鴨長明は、波乱万丈。そしてそれに翻弄されることなく自分の生き方を貫いた結果の方丈記だったんだなと理解。
    そしてその生き方は現代の人の指針にもなるなぁ。

    出だしの文章も好きだけど、
    「世にしたがえば、身、くるし。しがたはねば、狂せるに似たり。いづれの所を占めて、いかなる業をしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき。(世のしきたりに随えばこの身が苦しい。随わなければ狂人と見られよう。どんな所に住み、どんなことをしていたら、この短い人生をしばらくも安らかに生き、少しのあいだでも心を休めることができようか」

    時間がなくて、訳文だけ読んだが、本当にすらすら読め、方丈記が伝えたい内容になっていたと思う。

  • 方丈記、と聞いて知っていることは鴨長明が作者であること、また冒頭の「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」ということだけだった。
    この本を読み進めていく中で、鴨長明がどんな生涯を過ごして、何を見て経験して書き上げたのかとてもよく伝わってきた。
    古典と聞くと読むことに高いハードルがあるが、本書は鴨長明という人物、時代背景、分かりやすい考察が交えられているので、方丈記がどんな本であるかということが理解しやすかった。

  • 【内容】
    方丈記の訳と解説。
    無常の考え→長明さんが経験した5災害→新しく考えた住居や生き方の説明…といった内容です。

    【お勧めの方】
    周りの目を気にして生きるのがしんどいなと思っている方、方丈記を改めて読んでみたい方などにおすすめです。

    【感想】
    YouTube大学で見て、興味が出て購入しました。
    内容が分かると、鴨長明さんの考え方は凡人の私としては共感する部分が多かったです。
    周りを気にせず自分の好きなように、肩の力を抜いて生きるのは私の目標とする生き方なので、読み物として読んでいて面白かったです。

  • ホントにすらすら読めた!ミニマリストだね。憧れる!

  • 中学生のとき暗記させられた有名な冒頭文が、大人になってから気になっており、 全文読みたくなりました。
    一貫して「人と住処(すみか)」の無常観が説かれています。 リズムがいいため、お風呂で教えていたら4歳の娘が意味も分からず覚えてしまいました!


  • 正直、方丈記は名前しか知らなかった。

    タイトル通りすらすら読める。

    今も昔も 日本という国が持つ独特の雰囲気って
    変わらないんだな。

    昔の火事、致命的すぎる。

    2026.06.16-75冊目

  • 東洋にはさらに「大隠は市にかくる」という言葉もあり、真に道に生きる人、人生に忠実に生きる人は、大邸宅に住むような人にはなく、むしろ貧しい簡素な暮しをする人の中にある、という思想の伝統があるのだ。

  • 方丈記、そして鴨長明が好きだ。

    自分の心の赴くままに、好きなものを好きだと楽しむ。

    人にどう見られたとしても、自分の心を大切にする生き方は、当時はもちろんだけど、今でも必要な考え方だ。

    「こうするのが当たり前」

    「みんなと同じようにしよう」

    そう思って、自分の心に嘘をついて、無理をして生きる。

    そんなことが当たり前にある現代で、鴨長明が方丈記で書いたことは、生き方を考えるきっかけになる。

    何が豊かかを決めるのは、自分の心一つ。

  • 世の煩わしさから抜け出し周りを気にする事なく自由に暮らすさまは清々しく、全て実践はできなくても気の持ちようだけでも取り込んでみたい。

  • だいぶ前に読んだ本です。
    本当に方丈記がすらすら読める本でした。
    人生の達人である中野さんの解釈も素晴らしいです。
    日本を代表する古典の一つでありながら、原稿用紙20枚程の長さの親しみやすさ抜群です。

  • 総ルビつきの原文、中野孝次のわかりやすく、かつ洞察に満ちた現代語訳、そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、平家と源氏が争った時代を生きた鴨長明の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせる。(e-honより)

  • こんなに短いのかあ。とても読みやすくまた大変理解しやすかった。
    鴨長明のように本当にいい意味でわがままで一徹な人は羨ましい。

  • 「ゆく河の流れは絶えずして」
    古典って読むの楽しいね。
    世捨て人になった鴨長明。

    これもまた栄枯盛衰なのよ。

  • 方丈記、鴨長明、日本三代随筆(エッセイ)
    平安〜鎌倉

    ★好きなことをして生きると楽しいよ

    ■大災害と挫折
    ・人と住居
    ・視点と美文
    ■出家と隠居
    ・ミニマリスト
    ・山奥ニート

    ■生まれ
    ・下鴨神社、公家、禰宜(神職)の子(18歳)
    ・父:長継の死→祐兼に禰宜の争い敗北(21)

    ■5大災害(平家、新仏教)
    ・安元の大火(23)
    ・治承の辻風(26)
    ・福原遷都(26)
    ・養和の大飢饉(27)
    ・元暦の大地震(31)
    →絶望

    ・和歌所で後鳥羽上皇に歌の才認められる念願の禰宜かと思いきや祐兼に合理的に言いくるめられ跡取りは佑兼の息子へ(47)
    →後鳥羽上皇はもう1つ偉いポストをつくり別の神社を格上げし、そこに長明を任命した
    →しかし、長明はショック下鴨の糺の森がよかった
    →長明、後鳥羽上皇の任命を断る→山へ出家
    ⇒糺の社事件(50)

    ■究極の住居=「方丈庵」
    ・簡易組立式
    ・法華経・阿弥陀像
    ・琴・琵琶
    ↓3m×3mの部屋
    _________
    仏教 l 生
    ---- l
    芸術 l 活
    _________

    ■出世でもない出家でもない
    (この時代はこの2択のキャリア)
    ・念仏・読経休む
    ・楽器・歌・文章
    ・春夏秋冬(藤の花、ホトトギス、ヒグラシ、雪)


    ⇒⇒⇒「数奇の人」
    :芸道や風流に心を寄せる人(今でいうオタク)

  • ゆく川の流れは絶えずして…の例のアレ。単なる無常観だけでなく、長明の住居哲学から生き方まで論説した点面白く、お見事。本来星4つレベルだが、飢饉のくだりで戦後の農家を強欲と表現した点で大きく評価を落とし星2つ。農業が人間生活のエッセンシャルな部分を担っている点、農作物も相場モノだし商売である点を全く認識していない。これだけ長明の「自然と一体となる姿勢」を評価しながら、職業へのバイアスがあるのは極めて残念だ。

  • 徒然草に続き、方丈記も。
    ゆく河の〜は印象的でまだ覚えていた。
    鴨長明の体験記だが、わたしにはあまり体感できなかった、、、

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著者プロフィール

ドイツ文学者、小説家、評論家。1925年生まれ、東京大学文学部独文科卒業。元國學院大學教授。カフカ、マックス・フリッシュ、グラスなど現代ドイツ文学の作家を多数翻訳。1972年に最初の著書を刊行後は、『ブリューゲルへの旅』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『麦熟るる日に』(平林たい子文学賞受賞)、『ハラスのいた日々』(新田次郎文学賞受賞)などを発表し、『清貧の思想』(1992年刊行)がベストセラーとなる。元神奈川文学振興会理事長。2004年に死去。

「2025年 『犬の年 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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