- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062774086
作品紹介・あらすじ
ワンマン宰相と呼ばれ、占領からの早期独立を果たした吉田茂。戦前、外交官だった彼は、ヒトラー、ムッソリーニと手を結ぶ三国軍事同盟に強く反対。最後まで開戦を回避しようと努力する。さらに、戦争中も早期終戦に奔走するが、反東条派と睨まれた彼は、スパイを送り込まれ、ついに憲兵に逮捕されてしまう。
※本書は2009年5月に小社より刊行された単行本を、加筆・修正して上下巻に分冊したものです。
感想・レビュー・書評
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知識不足のため、どの程度、吉田茂の実像を伝えているのかよくわからなかったが、読み物としては面白かった。
ポピュリズムに背を向けてというと聞こえは良いが、プライドが高く、唯我独尊の性格の裏側とも言える。個人としては好き嫌いが分かれる人だったのだろうと推測。時代が彼のような人を必要としたのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長年積ん読だったがようやく読み始め一気に読了。歴代首相の中でも最も人気のある人物だが、じっくり言動を眺めたのは初めて。戦前戦後の不安定な時期に、軍部や他の政治家、マスコミ、占領軍を相手にしても、全くぶれない姿勢と本質を鋭く見極める能力は改めて素晴らしいと思う。ぶれないことが信頼につながり、戦時中にもかかわらず欧米からの信頼がゆるがない。実父と義父の影響を強く受けているようだが、この二人のことをもっと知るとより理解が深まるし、自分にも役立つ気がする。作者の北康利は、白州二郎や福澤諭吉についても著作がある。この本も400ページ近い分量だがテンポが良いので一気に読めるし、その場で見たり本人に聞いたかのような臨場感。
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「この国が、国民の顔色をうかがって媚を売る政治家に、(中略)吉田茂というポピュリズムの対極にいた政治家について考えてみることは意味のないことではあるまい。」本書より抜粋 。
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130415
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吉田茂を知る一冊。