坂道の向こう (講談社文庫)

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著者 : 椰月美智子
  • 講談社 (2013年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774635

作品紹介

二組の恋人たち。けれども以前は、お互いの相手と付き合っていた。傷つきもつれた四角関係の行方は。著者初の青春群像ストーリー。

坂道の向こう (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • *城下町、小田原。介護施設の同僚だった朝子と正人、梓と卓也は恋人同士。けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、過去の罪に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを季節の移ろいと共にみずみずしく描く*

    とても不思議な読後感。設定はどろどろ系なのに、描かれているのは、淡々と、飄々としたそれぞれの想い。その上で、好きで奪ったのに怒らせて傷つけたい厄介な感情を持ったり、恋人を奪われた状況に「そうでもないっす」と冷静に考えたりする女性陣が妙にリアルで共感してしまう。設定に反して、意外に爽やかさの残る繊細な作品。

  • 二組のカップルが、まぁ「火遊び」を発端に
    互いのパートナーを入れ替えて交際するように。
    その四人それぞれの視点から描かれる「連作小説」。

    正直な読後感は...「しょうもないなぁ...」(^ ^;

    登場人物それぞれに、考えがあり生活があり、
    そしてもちろん悩みもあり。
    四人全員が、どこにでもいそうなリアルな若者で、
    それなりに魅力的だし、それなりにずるかったり。

    作者が生まれ育った小田原という土地柄と、
    老人介護という、ある意味特殊な職場という設定が、
    物語を立体的に彩り、魅力的にしている。
    この土地で、この人々に囲まれていなければ、
    これほど魅力的な作品には仕上がらなかっただろう。

    結局は「二組のカップルが別れ」、
    「二組の新しいカップルが生まれた」わけだが、
    分かれた方の男女もそれぞれに接点がある。
    本当なら「うらんでもいい」はずの相手にも、
    そこまで憎めないでいる姿も妙にリアルだ。

    登場人物それぞれの家族や友人も魅力的。
    脇役の人生もきちんと描かれていて、隙がない。
    無理に「魅力的な人を描こう」とかしてない分、
    それがリアルですんなり物語に入り込める。

    誰も「悪人」「悪役」として登場しない。
    それでも事件が起きたり、恋人と別れたり、
    無意識に人を傷つけたり、相手を困らせたり...

    男と女なんて、しょうもないなぁ...
    恋愛なんて、しょうもないなぁ...
    人間って、ホントしょうもないなぁ...

    と思いつつ、ついニヤニヤしながら
    登場人物の一挙手一投足を見守ってしまう。
    そんな小説です(^ ^

  • 神奈川県の小田原在住の2組の恋人同士のお話です。恋愛小説としても、介護の仕事や小田原のコミュニティーを舞台にした物語としても読める秀作です。4人が日常を送りながらも、互いの恋人の存在が時折思い出されたりする心の襞が丁寧に描かれていて読む側としても丁寧に読みたくなる一冊でした。男性、女性共に楽しめる作品だと思います。

  • 業種が介護業界という特殊な環境なのだが、そこは特にドラマチックでなく、単純な社内恋愛の成れの果てというお話。特に可もなく不可もなく。たんたんと物語は進んでいくし読み込める。しかし、心に残った箇所があるかというと特にない。

  • 結果的に恋人を取られた片割れ同士がくっついてしまう話。四人の男女の心の動きが良く描かれていた。この間読んだエッセイは好きになれなかったけど、とても面白かった。結局入れ替わって良かったという不思議な小説だな。略奪された経験者としては複雑だが。
    地域の福祉のお仕事小説としても機能しております。

  • 城下町小田原を舞台に、男女四人の群像劇を描いた恋愛小説。
    元恋人同士も絡むので、ドロドロの傷つけ合うような話しと思いきや、淡々と静かに日々の過ぎ去るような、何とも歯応えのない物語だった。
    但し、それは彼らが一大人として、内面に抱えた感情を表面に出さないだけという、ちょっとしたモヤモヤ感が伝わってくる。その感覚が私には曇天のようにスッキリ感を与えなかった。

  • 恋愛特有のドロドロベタベタした感じがなく気持ちの良い話です。
    軽やかに甘く、爽やかに苦い。

  • 男女四人の四角関係。大学のサークルとか、独身者の多い職場ではありそうな話…。もう恋愛とは程遠い年齢のせいか?なんかピンとこなかった。

  • 2013/10/11読了。

    椰月さん作品は初めて読みました。
    小田原を舞台にした男女四人のラブストーリーであり群像劇。

    朝子と正人
    梓と卓也はカップル。

    今はこの組み合わせだけれど
    過去には朝子と卓也、梓と正人が付き合っていた。


    朝子と正人がつい関係をもったことがきっかけで
    今の組み合わせに落ち着くことに。


    付き合っている人がいて職場恋愛にも関わらず
    また同じ職場の別の人と関係を持つってなかなか修羅場な状況だけれど、
    朝子はすごい悪女というわけでもなく至って普通。


    仕事も恋愛も全力でまっすぐな感じ。


    恋人を盗られた状況の梓もどこか達観していて
    仕方ないと思っているみたい。



    状況に反して登場人物がみんな普通に
    いい人で感情移入はしやすいかも。


    読みやすかったです。


    読後感も思いの外
    爽やか。

  • とても心にじんわりとくる作品だった。設定のわりにビックリするくらいドロドロしていないのが印象的。それぞれの心情を丁寧に描いていて良かった。個人的には卓也が良かったかな

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