- 講談社 (2013年4月1日発売)
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感想 : 92件
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Amazon.co.jp ・本 (338ページ) / ISBN・EAN: 9784062775021
みんなの感想まとめ
人間の成長と愛情の複雑さを描いた物語は、少年と少女の出会いを通じて展開されます。自殺を考える少女“セミ”と彼女に恋をした少年“イルカ”の7日間は、幻想的で儚い青春の一瞬を切り取ったものです。作品全体に...
感想・レビュー・書評
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裏山で自殺しようとしている少女“セミ”と出逢ってしまった少年“イルカ”。
少年が、美しく闇を持った少女に恋をした7日間の記憶を30歳となり父親となる“元イルカ”が、たどり当時の気持ちに決着をつけようとする。
プールの底から、見上げた景色を描こうとした感じは、その揺らぐ少年少女達から伝わりました。
子供の頃の思い出は、プールの底から見上げたような記憶なんだろうと思った。
由利は、どうなっちゃったかは、気になるところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たった一週間の美しくも儚いイルカとセミの物語、あの頃に戻れる幻想的なミステリー #プールの底に眠る
■レビュー
全編通して綺麗で儚い世界観で、それでいて悲哀あふれる作品です。
文章の芸術性が高く、純文学のソレを思わせる書きぶりで心にしみるセリフも多い。
ただ結局どこに着地するのかもわからず、テーマである愛情についても、軽いのか重いのか良く分からないという不思議ワールドを体験できます。
なにより登場人物たちのやりとりが素晴らしい。
現実的な出来事や会話は全くなく、まるでおとぎ話のように夢心地。そして辛い思いを水の底でじっと息をひそめるような彼らですが、お互いを思いやる気持ちは、じっくりと読者に伝わってくるんです。
ミステリーとしても、これまた他の作品には存在しない感触を味合わせてくれます。
緻密な推理を積み重ねてロジカルに解き明かす作品ではなく、エンタメ感で引き付けるわけでもない。ただじわじわ出される事実に読む手が止まらなくなってくる。
たぶん初めて読むときは、変に真相を追うよりも純粋に物語を楽しむのがよさそうでした。
自身のいつかの青春時代を思い出すような、幻想的で美しい作品でした。
■推しポイント
小学生の頃に、友人を傷つけてしまったことがあります。
私にとってはたわいもないことだったのですが、ひょっとすると友人は今でも恨んでいるかもしれません。なんとなくずっと罪の意識が消えず、時に思い出してしまうことがあるんです。
人間は知識や経験が浅いと、失敗したり挫折したりします。しかしその間違いがあってこそ、今の自分であり、二度と同じことをしない教訓になっていく。
失敗も成功も、すべて現実なんです。
しかしそれが生きるということであり、明日からも胸をはって進む理由なんですよね。 -
以前に読んだ白河三兎さんの「私を知らないで」が良かったので、デビュー作でもある本作を読みました。北上次郎さんの解説だったことも、本作を読むに至った理由の一つです。
喪失と再生の物語。村上春樹さんの「ノルウェイの森」の系譜に連なる作品だとは思います。
けれども、意図的に情報を出さずに最後のほうで重要な情報を出していくミステリ風の書き方が、ちょっと狙いすぎの感じがしました。
主人公が作っている周囲との壁が、そのまま読者との壁になっている感じがしました。
実験的な野心作ではあると思いますが、エンタメ的な読者を楽しませる要素が少ないので、読む人を選ぶと思います。
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中盤までは青春のほろ苦さを思い出しつつ面白く読めたんだけど終盤の失速感が残念だった。
由利が結構いいキャラだったんだけどセミとイルカの物語を描きたかったのなら由利を出す必要はあったのかな?
デビュー作だから色々欲張りすぎちゃったのかなって気がした。
特に最後の終章が説明的でご都合主義過ぎたかなぁ。
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びっくりするほど主人公が好きじゃない。
所謂悟りを開いたかのようなダウナー系隠キャ男子なのに、スポーツ万能陽キャ女子から好かれるのも、中2病的美少女に好かれるのも納得いかない。しかも、最後は何もかも思う通りのものを手に入れた上で、コレジャナイ感をだしてるアラサーとか痛くて見てられない。 -
厨二病っぽい文章で、そんな高校生いるかよ、中学生も。と思って読み進める。読みやすい文章だけど、少々鼻につく感じ。
ただ、展開の中での小説ならではのギミックや構成には感心した。
面白くはあったけど、好きな文章ではないなぁ。 -
現実とそうではない狭間を、感傷的でありながら心地良く描いていて、好きだった。
愛に大きく包まれていた。
何度も読みたくなる一冊。 -
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メフィスト賞受賞作にして、著者のデビュー作。ちゃんと伏線回収するミステリなので、ファンだけでなく、ミステリ好きは触れていただきたい。当時はミステリエンタメの最前線と呼ばれていたようで、最近だと『冬の朝、そっと担任を突き落とす』というショッキングなタイトルの本や、『ひとすじの光を辿れ』というゲートボール×女子高生というまた一風変わった作品を出している。ミステリを基本としてこれからも様々な作品を出してほしい。
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登場人物たちの抱えているものがちょっと重たくて、なかなか共感するところまで至らなかった。
これまで白川三兎の作品は短編2作と長編は本作含めて2作しか読んでいないが、暗い背景を抱えている登場人物が多い。
それでも最後には希望を見せてくれる展開が多いので、素直に爽やかな青春小説とかも読んでみたいのだが、どうだろう。
本作はメフィスト賞を受賞したデビュー作(文庫はその改稿版)だが、いつもの構成のうまさは当初からあったようで、個々のエピソードから小さな小物に至るまで、ほかの事象とかかわりあっている。
登場人物のキャラクターも、「あの事件が彼を形作った」みたいな簡単な話ではなくて、「あの事件でこうなって、それがこう影響して……」という複雑な連なりを見せる。
そのおかげでストーリーもやや複雑になっているが、その展開にも結末にも不満はない。
一つだけ希望を述べさせてもらえば、由利の現在が気になる。 -
序盤で主人公の過去の出来事が語られ
その中の人々があとになって主人公とのつながりが
説明される
そんな展開で最後まで
そして最終章では・・・と
それなりには楽しめました -
由利じゃないのか。
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第42回メフィスト賞受賞作。
ミステリーなのか青春なのか恋愛なのか、分類しきれないところがメフィスト賞らしいな。メフィスト賞は当たりが多くて好き。
白川三兎は二冊目。「私を知らないで」が良かったので、デビュー作である本作を読んでみたけれど、何となく既視感が…。温かい気持ちになれるラストシーンは良いなと思った。
辻村深月のような構成で、辻村深月の登場人物より厨二秒っぽい感じの登場人物で、残酷さを排除して軽くした感じ。ライトノベルっぽい。
*以下引用*
*人間を深く愛せる者は、自分にも他人にも非情になることができるんだよ。それは仕事でも実生活においても、一番大事なことなのだ。 (p304) -
うーむ。前半から中盤までの勢いが、現在のパートになってからガタ落ち&主人公の内面の暗さが鬱陶しいくらいに倍増し、読んでいて重苦しい気持ちにさせられた。
ミライではなくセミに対する執着心も物凄く、出だしのサラッとした性格から一変して怖いぐらい粘着体質へと変貌。
過去パートの軽快なリズムが本当に嘘のような感じ…
明らかに由利のその後が足りない不完全燃焼な作品で、どんでん返しもなく「へぇ~」って終わり方でした。
由利のその後や視点から描いた、スピンオフ作品でも書くつもりなのでしょうか?
断然、私を知らないでの方がイイ。 -
この春樹的な語り口調とか、回りくどい説明とか、お洒落な言い回しとか、嫌いじゃないよ!
でも結末がちょっとなー。
もうちょい捻った展開を期待してた。
作中一番好きなキャラクターが由利だったからかも。
愛とはなんてままらないものなのでしょう。
著者プロフィール
白河三兎の作品
