占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1265
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775038

作品紹介・あらすじ

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本ミステリー部門第三位に選出。

感想・レビュー・書評

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  • 島田荘司の記念すべきデビュー作である。
    同時に探偵・御手洗潔が世に出た物語でもある。
    四十年前に起きた事件はのちに「梅沢家・占星術殺人」と呼ばれ、多くの人間がその謎に挑んだがとうとう解き明かすことが出来ず迷宮入りしたまま現在にいたっている。
    ある依頼を受けたことから、御手洗と「私」はこの事件の真相を暴くべく事件を洗いなおしていく。

    考え抜かれた計画に従い、用意周到に準備され実行された殺人。
    臨機応変に対応し違和感を感じるほどに冷静な犯人は、たぶん犯行時には感情が麻痺してしまっていたのだろう。
    人として踏み込んではいけない領域に足を踏み入れたとき、人として大切なストッパーが壊れてしまったような気がする。
    そして、それはそのまま、御手洗たちと出会うまで壊れた自分を抱き締めて生きてきたに違いない。
    悲劇的な結末が、余計に犯人の哀れさを印象付けていた。
    トリックに関しては読んでもらうしかない。
    他に類をみないトリックはお見事としか言いようがないものだった。
    「金田一少年の事件簿」がこのトリックを無断で流用したことが問題になったのも当然だと思う。

  •  昭和十一年に起こり迷宮入りとなった猟奇殺人事件のトリックに名探偵御手洗潔が挑むミステリー

     今の本格ミステリーの流れを作ったということでそのうち読まないといけないよなあ、と思っていた作品ですが、改訂完全版が文庫化されたのでようやく読むことができました。

     正直前半はかなり読みにくい。殺された画家の手記がまず読みにくく、これを何とかクリアしたと思ったら、今度は御手洗とその助手石岡君の過去に起こった事件の概略と考察が続きます。

     自分の好みの問題なのですが、探偵が事件の真っただ中にいる、もしくはリアルタイムで捜査が進んでいる状況に探偵も警察と一緒に加わる、という流れじゃないとイマイチ緊張感に欠けるというか……。その状態が200ページ近く続くのでだいぶつらかったです

     そこを乗り越えた後はスムーズに読み進めることができました。二人は事件解決のため京都に向かうのですが実際行ったことのある地名が多数登場しうれしかったのもありますが、やはり探偵たちが実際に動いているのが好きなんだろうな、と再認識しました。

     そして真相については全く気づきませんでした……。確かに言われてみれば分かるんですが、実際読んでいるときは全く思い当たらず……。犯人に完璧に負けた、という感じです(苦笑)

     御手洗の変人ぷりも面白かったです。シャーロックホームズをこき下ろす場面はシャーロキアンの人に読んでもらって感想を聞いてみたいですね(笑)

  • 本格ミステリの金字塔とも言われるだけあって、独創的なメイントリックは何度読んでも凄いとしか表現できません。
    探偵を務める御手洗のエキセントリックな言動も、この作品を更に印象深いものにしているように思います。
    デビュー作であるにもかかわらず、読みにくい手記を冒頭に配したり、二度にわたる読者への挑戦を挟むあたりに、作者の自信や意気込みが感じられました。
    これを機に『斜め屋敷の犯罪』も改訂完全版で読み直してみるのもいいかもしれませんね。

  • 前半の読みづらさが嘘のように、後半は先を知りたい気持ちでいっぱいで、ページをめくる手が止まらなかった。大枠のトリックはさすがの一言。それに付随する足跡や鍵の謎はうーん…といった感じではあるが、御手洗と石岡との掛け合いが全体を通じて面白い。昭和という時代をうまく使ったミステリー。

  • 初めて読む島田先生の作品。
    本格的ミステリと知りながら、今まで読む機会が無かった。

    前半部分では全く犯人の想像もつかず、
    絶対この中に犯人が居るのだろうけど、一体誰?状態。

    一度目の作者からの挑戦状を受けた時点で、不覚にも私はまだ犯人に辿りつけていなかった(^^;

    二度目の挑戦状を受けた時点では、何でこんなことに気付けなかったんだろう!?
    と思うと共に、ほとんど自分が真相に達していることを感じた。

    島田先生が元祖かも知れないが、このトリックは何処かで体験したことがあったはずだ。。。

    密室の方は、しっかりと作者のミスリードに捕まったが(笑)
    アゾートの方では、ギリギリのタイミングで何とか真相に辿りつけた。

    眠るのも忘れて、ついつい先を急いで読み進めてしまった。
    やっぱり私はこの展開が大好きだ。

    今日も楽しい夢が見られそうだ。

  • ミステリーを読み始めた人間としては是非早いうちにお目見えしたい島田荘司さんのデビュー作。筆者に「お前まだこんな謎も解けないのか?」と小馬鹿にされながらも敬虔な読者よろしく粛々と読み進めると、なんとなく既視感のある展開に。残念ながら同様のトリックを使ったアニメを最近観てしまっていたので本作最大の大仕掛けには気付いてしまいましたが、それでも最後までしっかり読むことが出来ました。作中の登場人物は癖が強く、犯人を取り囲む環境もうんざりするほど陰湿だけれど、読後感はすっきりしています。御手洗シリーズ、気になります!

  • 島田荘司作品、初読。これま騙された!と言わざるを得ない、予想外なトリック。まあ、最初のフリがあざといな~そりゃ、読者はコロっとダマされるよな~と思わないでもないけど、トリックにびっくりできたから、良し。
    この他の御手洗潔シリーズも読みたくなりました。

  • 御手洗&石岡君コンビ初読み。
    いかんせん昔書かれた本すぎて会話が固くて大変。
    でも、2人のキャラは面白かった。
    ミステリーは好きでも謎解きやトリック、推理などに全く興味が無いので、込み入ったトリック殺人の手法は解説されても「へぇ、」という感想くらい。
    それよりもキャラで読み進めてみようかな?

  • 本格ミステリの金字塔。ミステリーに対して自覚的になってきたからには読まねばと思っていたので、ついに手にとった。全体的な印象としては、まあ面白かった。ただ他の人が指摘するように、トリックの説得力のなさはあった。この時代を生きているせいもあると思うが。というか、説得力のなさというよりも、エンタメ性の薄さだろう。序盤で全ての材料が揃ってるとするなら、つまり京都編は全て無駄になる。なんか、謎解きのための物語に思えてならない。ミステリーはそういうもんだ!とは間違った論理で、だってミステリーはミステリーである以前に人に読まれる物語だからだ。という風に考えたときに、この作品は読んでる人が飽きないようにただ出来事を並べたようにしか見えなかった。

  • トリックは前に聞いたことがあったけれど、十二分に楽しめました。
    会話のかけあいが面白い。

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著者プロフィール

島田 荘司(しまだ そうじ)
1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年、『占星術殺人事件』でミステリー界に衝撃的なデビューを果たして以来、累計600万部に達した名探偵・御手洗潔シリーズや、刑事・吉敷竹史のシリーズを中心に数々の傑作、意欲作を発表。
2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の立ち上げ、選考を務めるなど、新たな才能の発掘と紹介にも積極的に取り組み、名実ともに現代本格ミステリーの旗手となっている。
近著に『アルカトラズ幻想』(2012年 文藝春秋)、『星籠の海』(2013年 講談社)、『幻肢』(2014年 文藝春秋)、『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』(2015年 新潮社)がある。

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