占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 231
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775038

作品紹介・あらすじ

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本ミステリー部門第三位に選出。

感想・レビュー・書評

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  • 数年前に図書館で借りて
    返却期限の手前で読み
    最初の章で「なんだこりゃ!?」と
    ワケがわからなすぎて、そのまま期限が来たので返してしまった。

    SNSで好きな本が「占星術殺人事件」
    という方を見かけると「あの難解な文章をこの人達は読んだのか…」と尊敬してました。

    あれから数年
    目次も特に読まなかったので
    よくわかってなかったが、最初の章を「占星術にのめり込み女性を殺して、その部位を集めて完璧な人間を作ろうとした"狂人の手記"」として認識し…
    ようやく読むことができた。
    (アレはまともに読んでたら頭がおかしくなる…)
    その狂人にまつわる四十年前の殺人事件の謎を解明しようと奮闘する話

    ようやく、主人公の御手洗くんの登場
    第一声で「手記」を読み終えた読者の気持ちを代弁してくれている。
    四十年前の事件を追うため、解決したところで意味があるのか?という疑問を持ったまま進む。

    「これはどうだろう」という予想は次のページくらいでどんどん却下されていく。
    登場人物の一覧を紙に書いて、それぞれの状況を整理しないと追えない…
    (改訂版でようやく図が足されたらしい、これなかったらキツかったなぁ)

    本作のワトソン役である
    石岡くんの敬愛するシャーロック・ホームズを探偵として、ボッコボコにけなした後から話が動き出す。

    上記の疑問も解決し、事件の真相を追わなければならなくなった御手洗達
    どちらかというと男としてというか
    「探偵」としての勝負に出て突っ走る
    そして暴走、疾走 鬱と躁のバランスの中で狂人の謎に、狂人が挑む。

    ワトソンはホームズになろうとして独自の捜査を進める。
    石岡くん疲れるだろうけどいい関係性だなぁ…

    ルールがあり、ヒントをすべて出した上での「読者への挑戦状」の
    ページは、少し震えました。
    (全然わからなかったけど)
    事件に絡む人々の「感情」の部分は、どうしても真相が解明してからになるだろうと、あえて気にせず読み「謎」を解く姿を追うい続けました。

    やはりこの手の本格推理小説は
    「探偵」が「謎」に挑む姿を
    一種のスポーツのように観戦するような感覚で読んでます。

    「トリック(謎)」に重点がくるため、好き嫌いが分かれそうなジャンルですが…
    「紅蓮館の殺人」以降どハマりしています。

  • 余韻に浸る程の面白さでした!

    本格ミステリで「読者への挑戦」があり、本を閉じ自作メモを見ながら考えたのですが、私には解けませんでした。。。

    画家の梅沢平吉の手記から始まるのですが、自分は悪魔憑きで、理想の女(アゾート)を作るのが夢であるという。
    自分の娘達を占星術で占い、理想の星座の身体の部位を寄せ集め、アゾートを作り出すという、エログロ要素満載の出だし。
    事件は2・26事件と同時に起こったのですが、平吉本人が密室で殺害されてしまうというもの。
    そこから終戦後40年もの間、謎が解明されず時効へ。

    娘達の複雑な家庭環境、手記の内容、占星術の示す星座と運命、死体安置の軽度や緯度、狂人の思想の巧妙さ。

    すごく面白かったです。

  • 過去の未解決事件を解決するために御手洗潔が調査に乗り出す話だけれども、最初の方は過去の事件の説明が長くてちょっと読むのに苦労した。
    それが終わると会話文なども入り、読みやすくなったので良かった。

    探偵役の御手洗のキャラが個性的で、ワトソン役の石岡とのコンビを見てると何となくポアロシリーズを思い出しちゃった。

    この猟奇殺人犯は頭がおかしいか、あるいは何か暗示的な意味があるのか…
    そして事件から40年もの歳月が経ってから(しかも短時間で)解決するとかできるのかと、ドキドキして読んだ。
    このトリックを考えたのは凄い。
    また他の御手洗シリーズも読んでみたいな。

  • 出だし部分は本当に読み難い。難しいというより・・・ちょっとつまらない。でも、事件の真相に迫ってくるとだんだん面白くなってきてページをめくるスピードが上がってきます。御手洗さんシリーズですが、すべては理解しがたい内容で面白い部分とつまらない部分の差が激しいと感じました。

  • 星籠の海が映画化された頃に買ったまま、積読になっていました。理由はメイントリックを既に他所で知っていたから・・・。
    実際に読んでみると、流石にどのミステリーランキングにも上位に挙げられているだけあって、じんわりと余韻が残るような味わい深い作品でした。
    トリックも本当に凄いとしか言えません。
    だからこそトリックを知らずに読みたかった。
    追いかけたい探偵がまた一人増えました。今更ながら御手洗潔シリーズに嵌まりそうです。
    やっぱり自分には、昭和のミステリーは大好物ですね。

  • 「もしかして、こういうトリックなんじゃ?」ってなんとなく察しがつき始めたところで盛大にミスリードを誘う偽ヒントが混ざり始めて、自分の最初の思いつきを否定しかけてたところで改めて「それ正解だったよ」って言われるような……そんな感じでした。
    ぱっと見すごく重要そうなキーワードの半分くらいが伏線でもなんでもなくただのミスリード誘いのための目眩ましだったみたいなの、普段あんまり読まないからまんまと騙された!

    トリックをパクった金田一のほうは読んでないしドラマ版も全然記憶に残ってなかったんだけど……
    このグロいトリックを土曜日21時のドラマで放映したの?マジで??

  • 推理小説を探すと必ず挙げられる本書。
    読み終わり、名作と言われる所以を実感!
    1980年に発表された島田さんのデビュー作なんですね。約40年前に発表された作品とは思えない内容でした。

    正直、平吉の手記の部分が難解で読むのが辛かった。御手洗と石岡が登場してからも、私の頭がついていかない部分があり、いつも以上に読むペースが遅い‥。
    ですが、竹越文次郎の手紙からは読む手が止まらない状態に‥!
    主人公の御手洗のマイペースさなのか、後半まで名探偵ぶりは発揮されず、私としてはお預け状態(笑)を楽しみつつ、最後にしっかりスッキリさせてもらいました!
    作中で御手洗も言っておりますが、まだ捜査技術が未発展だった昭和12年という犯人優位と言える時代背景はあるものの、トリックの着眼点や知らぬ内に読者を術中にはめる文章・構成に、ただただ脱帽です。
    そして、やはり名推理小説には名探偵が欠かせない!主人公御手洗は、相棒の石岡に「変人」と称されるクセの強い性格だが、憎めない愛されキャラ。そんな御手洗に振り回され愚痴や皮肉を言いつつも、誰よりも御手洗を理解している石岡。複数女性のバラバラ殺人というおぞましい犯罪でありながら、御手洗と石岡の掛け合いがどこかコミカルで、良い意味で流れるように読む事ができました。

  • 40年前に日本中を騒がせた、女の体を繋げてアゾートを作るという未解決の猟奇殺人に挑む。
    他の著者のミステリー小説でも触れられるほど有名なのでいつか読んでみたいと思っていてやっと読めた作品。

    前半なかなか読み進まなかったけど、真相に近づく後半は面白かった!
    切断遺体のトリックは金田一少年でも似たのがあったので予想はついてしまったけど(金田一少年がこれをモチーフにしたのかな?)発見の順番をも操作してしまう遺棄の仕方は本当にすごい。とにかく綿密なトリックですごく読みごたえがあった。
    もっと早く読んでいればよかった…!

  • 島田荘司の記念すべきデビュー作である。
    同時に探偵・御手洗潔が世に出た物語でもある。
    四十年前に起きた事件はのちに「梅沢家・占星術殺人」と呼ばれ、多くの人間がその謎に挑んだがとうとう解き明かすことが出来ず迷宮入りしたまま現在にいたっている。
    ある依頼を受けたことから、御手洗と「私」はこの事件の真相を暴くべく事件を洗いなおしていく。

    考え抜かれた計画に従い、用意周到に準備され実行された殺人。
    臨機応変に対応し違和感を感じるほどに冷静な犯人は、たぶん犯行時には感情が麻痺してしまっていたのだろう。
    人として踏み込んではいけない領域に足を踏み入れたとき、人として大切なストッパーが壊れてしまったような気がする。
    そして、それはそのまま、御手洗たちと出会うまで壊れた自分を抱き締めて生きてきたに違いない。
    悲劇的な結末が、余計に犯人の哀れさを印象付けていた。
    トリックに関しては読んでもらうしかない。
    他に類をみないトリックはお見事としか言いようがないものだった。
    「金田一少年の事件簿」がこのトリックを無断で流用したことが問題になったのも当然だと思う。

  •  昭和十一年に起こり迷宮入りとなった猟奇殺人事件のトリックに名探偵御手洗潔が挑むミステリー

     今の本格ミステリーの流れを作ったということでそのうち読まないといけないよなあ、と思っていた作品ですが、改訂完全版が文庫化されたのでようやく読むことができました。

     正直前半はかなり読みにくい。殺された画家の手記がまず読みにくく、これを何とかクリアしたと思ったら、今度は御手洗とその助手石岡君の過去に起こった事件の概略と考察が続きます。

     自分の好みの問題なのですが、探偵が事件の真っただ中にいる、もしくはリアルタイムで捜査が進んでいる状況に探偵も警察と一緒に加わる、という流れじゃないとイマイチ緊張感に欠けるというか……。その状態が200ページ近く続くのでだいぶつらかったです

     そこを乗り越えた後はスムーズに読み進めることができました。二人は事件解決のため京都に向かうのですが実際行ったことのある地名が多数登場しうれしかったのもありますが、やはり探偵たちが実際に動いているのが好きなんだろうな、と再認識しました。

     そして真相については全く気づきませんでした……。確かに言われてみれば分かるんですが、実際読んでいるときは全く思い当たらず……。犯人に完璧に負けた、という感じです(苦笑)

     御手洗の変人ぷりも面白かったです。シャーロックホームズをこき下ろす場面はシャーロキアンの人に読んでもらって感想を聞いてみたいですね(笑)

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著者プロフィール

●著者紹介
1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2021年 『島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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