マンチュリアン・リポート (講談社文庫)

著者 : 浅田次郎
  • 講談社 (2013年4月12日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775045

作品紹介

昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫)

マンチュリアン・リポート (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「蒼穹の昴」から続きシリーズ4作目。
    張作霖爆殺事件の背景を紐解いていく内容。

    一冊なのですぐに読み終えてしまうが、中国近代史に興味を持つのにはいい本だと思う。
    史実とフィクションが入り交じっているので、どこかでが史実なのか興味が出てきた。というか、そもそも史実が真実かは不明なので、これを正とするというのもいいのかもだけど。
    そして、やはり張作霖はかっこいい!

  • 浅田次郎の「蒼穹の昴」シリーズの第4弾。蒼穹の昴に対して「珍妃の井戸」が補足する役割だったように、本著は「中原の虹」のその後を補完。昭和天皇から張作霖爆殺事件についての調査の密命を受けた陸軍少尉の報告書と、爆殺時に張作霖が乗っていた列車(西太后のために英国から特別に購入したもの)の機関車「鋼鉄の伯爵」の独白が交互に続く構成。少し変わった趣向で、これまでのシリーズをずっと読んでいる身からは、やや違和感はあります。

  • 本作を読む前に、「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」は読んだが、「中原の虹」は未読。読まなくちや。

  • 初めて浅田次郎を読み終えて、これは面白かった。まず構成が面白い。張作霖の事件を批判して投獄された軍人が天皇の命を受けて事件を調べるため、大陸に渡る。そこからの彼の報告書と張作霖がその中で爆死した豪華な機関車の独白という二部構成で、交代に話が進められていく。まず序章で浅田が言いたいであろうことが多く語られる。ありえないことがありそうに思えてくる。ただ機関車の独白部分は少し感傷的な所があるのが気にはなる。

  • 最初は機関車が喋るのに驚きましたが何故かしっくりきてしまう所がさすが浅田さんと言ったところ。
    張作霖爆殺事件や郭松齢のクーデタといった史実のエピソードと龍玉のフィクションが良く合わさっていて良かったです。しかし最後の最後に出てきた◯◯の話には少し「えっ?」ときた部分が……
    そして張作霖は最期までかっこよかった!
    「再見!」、彼らしい別れの言葉だと思いました

  • いよいよ刊行開始になったシリーズ最新作「天子蒙塵」。その前の本作は、さていつ頃読んだのだったかな、と思って本棚を検索してみてビックリ。なんと登録してませんでした。ちょっと細かい内容までは忘れてしまったのですが、満鉄を擬人化しつつ、張作霖爆破事件に至る各人の動向を、それぞれの視点から描ききった力作だったと記憶します。というかそんな建前はどうあれ、本シリーズで心打たれなかった作品はないんですけどね。という訳で、本作を登録しつつ、上記最新作を存分に楽しませてもらおうと思う次第。

  • 「蒼穹の昴」から連綿と続く中国シリーズの、目下最終巻。張作霖爆殺事件の真相を探る歴史ミステリーの体裁をとってます。

    昭和史の闇に対する浅田氏の見解、という視点で読めばなかなかに面白いのですが、清朝末期のありのままを壮大かつ意外な切り口で世に出した本シリーズのラストがこれか、と思うと正直…。きかんしゃトーマスとトップハム・ハット卿の漫才が始まった時には本当にどうしようかと思いました。

    西太后、光緒帝、李鴻章、袁世凱にトーマス・バートン…魅力的なキャラクターが軒並み退場してしまうと、こんなものなのでしょうか。そして史了どこ行った?ずっと読み続けてきてこの結末は、寂しさを禁じえません。

    「蒼穹の昴」と「中原の虹」の間に「珍妃の井戸」があったように、本書も幕間である事を期待したいものです。もっとも、この先続けても雄大さは感じられるのかなあ…。

  • 蒼穹の昴、中原の虹を読んでから年数が経ち過ぎてたけど、それでも懐かしい気持ちが蘇った。予想していたより断然読みやすい展開なのはさすが。

  • 一年前の張作霖爆殺事件、その謎を解くために志津中尉は大陸に渡り事の真相を解き明かす。構成は「珍妃の井戸」と同じだが、御料列車、「鋼鉄の公爵」に語り部の一人として人格持たせている点がユニーク。
    本書も中途半端な終わり方をしており、続きが気になる。張作霖の跡をついだ張学良はどうなるのか。そういえば、「蒼穹の昴」のラスト近くで、行き倒れた王逸が助けられて毛沢東の家庭教師に収まっていたが…。続編はいつ執筆されるのだろうか。

  •  治安維持法改悪の不当性と不敬性を訴える檄文を書いて逮捕された陸軍の〈良識派〉青年将校が、昭和天皇ヒロヒトの密使になって張作霖爆殺事件の真相にかんする秘密調査と報告を命じられるという意表を突く設定から、1928年の事件の中心に迫ろうとする一作。率直にいって、小説としてはどうなのか、という思うところもある。だが、近代満洲史の勉強にはぜったいになる。というより、これを書くプロセス自体が作者にとっての勉強だったのだろう。
     意表を突く設定といえば、かつては西太后のお召し列車でもあったイギリス製の豪華蒸気機関車とその機関車の中の人だった張作霖が親しく言葉をかわしあうというのも、かなり思い切った語り方だ。しかし、このセクションがあるから、物語の視点が複数化したことも事実。ひとつの出来事にたいして、必ず別の視点(ときには敵対する相手からの)を持ち込もうとするのは、この作者の文学を考えるうえで、重要な論点となろう。

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