- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062775175
作品紹介・あらすじ
謎は殺意の赤と邪悪の黒。
感想・レビュー・書評
-
共感覚:ある刺激に対して、通常の感覚だけでなく、異なる感覚も自動的に得てしまう知覚現象。
例えば、文字に色を感じたり、音に色が見えたりとさまざま。生まれ付き持った感覚らしいから、それと気がついていない人もいるかもしれない。
もしかしたら、オーラを見えると言う方は、体臭とか汗とかに色彩を見ているのかもしれない。
小説ないでは、10万人に一人の割合とされていたけれど、もう少し多いらしい。
この小説のヒロインで探偵の音宮美夜さんが、声に色を感じる共感覚の持ち主、という設定。
だから、犯人の特定は、その能力を使う。そこを納得すれば、ホワイダニットを楽しめます。
被害者の一人となった女子高生の兄が、探偵の助手になって、良いコンビだけど、シリーズもそのままコンビ使っているのかな?
なぜ、タイトルは、カタカナにしたのか、作中最後の方でわかります。 -
猟奇殺人鬼フレイムを捜査する被害者友人甘袮と共感覚探偵音宮。3章,共感覚で犯人特定後も犯人逮捕はできない。犯行動機に1番驚く。特殊な知覚現象は探偵だけじゃない。探偵の裏能力と使命は秘密。
-
メフィスト賞。人の殺意がオーラのように見える銀髪の美人探偵。焼死連続殺人鬼フレイムを追うサイコサスペンス。
ハウダニットを標榜しており、犯人像も直ぐに見えて来て、ロジックもトリックもないも同然だが、物語としては、キャラクターも立っておりなかなか読みやすかった。 -
メフィスト賞だから、ちょっと下ネタ系や残念系かな?という完璧なメフィスト賞への偏見を持ちつつも、天祢涼作品を読むと決意し、こちらのデビュー作を読みました。
メフィスト賞なのに普通に面白い(失礼)
頁数はそこそこあるのに惹き込まれてあっという間でした。
ヒロインの美夜の賢さが光っていて、それでいて影の部分も残したまま終わるので、つい後を追いたくなりました。
兎に角、美夜の個性が魅力的だし、どうやってフレイムを追い詰めるのかワクワクしながら読みました。
続編も楽しみです。 -
単純にミステリ部分だけで評価するならば、ふつう…?
典型的な展開。
フーダニットは半分程度で明らかになるし、最後の事件のハウダニットはそれ以外ありえないので、明確。
そうなると必然的にメインにくるのはホワイダニットなわけだけど、これは、細部はよくわからないものの、大雑把な予想は本編を読まずとも、あらすじを読んだ時点で思いついてもおかしくない。
なので、何もびっくりはしなかったけど、デビュー作ということを考えると完成度は高い方なのかもなー、という感じ。
ただ、共感覚の扱いについては、あたしはまったく門外漢なのだけど、やっぱり疑問が残る。
主人公は音が色や形として視覚化されるタイプの共感覚の持ち主で、あたしはこれまでそういう感覚は、コミュニケーションにおいては瞬間瞬間でクルクル変わる、動態的なイメージをもっていたのだけれど、何を話しても、どのように感情が動いても、どんな言葉を発しても、ずっと同じ色なんてことがあるのかどうかがわからない。
もしそういう共感覚があるのだとすれば、それはすでに音に付随しているのではないんじゃないだろうか。
それこそ、心…というか、人間の本質を読み通す超能力みたいで信憑性はない感じがする。
で、この本がエンターテイメント小説なのであればそれでも全然構わないけど、ミステリーである限りは、やっぱりその能力で何が可能で何が可能でないのか、事前にルールを定め、読者とのあいだで共有すべきだろうと思う。
あと、これは単純に好みの問題なのかもしれないけれど…。
犯人を追い詰める段階で初めて発揮される異能とかwww
そういう心の準備がないことをいきなりやらかすのはやめてほしいw
厨二すぎな上にチートすぎだしw
最後はたぶん「イイ話だなー」って感じで終わらせたかったんだろうけど、なんかもう全部が台無しだよ…。 -
共感覚がこんなにミステリに映えるとは。ある意味特殊能力のような力を持つ探偵を、万能にさせ過ぎないように気を使っているのが窺える。ホワイダニットは衝撃的だけど、伏線はしっかり張られているし、それだけの作品ではなく、序盤から引き込まれて終始面白く読めました。
-
2015年12月26日読了。
2015年234冊目。 -
いかにもメフィスト賞な、新しい切り口と本格ミステリ文法の融合。京極シリーズを思い出す衝撃的なホワイダニット。「新しい新本格(きっと的を射た名前が付けられるのだろうが)」の波の旗手の一人と言えるだろう。他の作品も読む。7.75
読むわ。
読むわ。