虚ろ舟 泣きの銀次参之章 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.34
  • (7)
  • (8)
  • (11)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 167
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775212

作品紹介・あらすじ

光ながら轟音で頭上を通り過ぎていった「虚ろ舟」。それ以来銀次の周りでは不穏な事件が次々起こる。「泣きの銀次」シリーズ最終章!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズ第3段。
    で、これで終了なのだろう。

    後半以降がなんだか寂しく物悲しい。

    しかし、宇江佐センセの継続中シリーズがいくつもあって、誰がどれの登場人物だか分らなくなりそうデス。
    作中に「通いの髪結い」が出てきたら「お?」と思ってしまったりして。

    • honno-遊民さん
      遊民子も「通いの髪結い」の場面で、思わず、ほんやタワンさんと同じ思い(笑)
      遊民子も「通いの髪結い」の場面で、思わず、ほんやタワンさんと同じ思い(笑)
      2013/05/31
  •  宇江佐真理「虚ろ舟」、泣きの銀次・参之章、完結編、2010.1刊行、20134文庫。第2作「晩鐘」から3年経過、作品は10年経過、銀次は50目前。長女おいちと「武蔵屋」の清兵衛は祝言を。次女お次と相思相愛の天野和平は・・・。和平は病弱の上、足を壊疽で切断。絵師として身を立てるも、お次には遠慮。読み応えのある第3巻でしたが、納得できない結末です。あの純朴な和平が人殺しとしての嫌疑をかけられ自害。お次は尼寺へ。その後、按摩が下手人と。宇江佐さんの作品で、しっくりしない物語でした。

  • 2019/10/30
    なんてやり切れない話を。
    伊三次のときより情が薄くない?
    このシリーズはずっとその違和感が付きまとったままだった。
    娘の想い人が無実の罪をかぶせられて自害して、娘は尼になったことに対する感想が割とあっさり。
    自分も関与してるのに。
    「なんてことをしてしまったんだ」と「まあ仕方ない」の割合がおかしくないか?
    信じ切れずに死なせてしまった。までは小説としてアリやと思うねんけどその後の言動に共感できないよー
    あ、時代小説にUFOという発想はものすごい。

  • 「虚ろ舟」と呼ばれる光の球が江戸の町に現れ、奇怪な事件が続出する。銀次の周囲にも不穏な空気が流れはじめる。『泣きの銀次』最終章。
    人間は表と裏の顔を持つ生き物である。裏の顔には闇がつきまとう。自分自身でその闇をコントロールできるか否かが重要だ。宇江佐さんは人間の本質を追求するのが本当に巧い。闇を表面に出すのも隠すのも人間なのだ。

  • シリーズ完結編。
    これは、なくてもよかった。
    ことばのキャッチボールが楽しめた。

  • 更に切ない。時代小説によくこの題材を合わせたもんです。惜しいですね。

  • 先日亡くなられた宇江佐真理さんの「泣きの銀次」シリーズ参之章。
    銀次はついに五十路目前(とはいえやはり現代の同年齢よりはだいぶ上な感じ)
    商売も軌道に乗り、長女の祝言もあり、何も心配はないとばかりの日々であったが…

    というわけで最終章。
    光陰矢の如しとばかりに駆け抜けました。
    虚ろ舟、題名だけ見たときには気付きませんでしたが、巷のオカルト系で話題の江戸UFOなんですよね。
    まさかあれを描く人がいるとは思いませんでした。
    いや、宇宙人とかは出てきませんけど。
    でも描き方がモロUFOで、キャトルミューティレーションまで出てきて、おおおい、と。
    本編ではないですよ、もちろん。
    ただ、不安の象徴としての描かれ方で、話を彩っていました。

  • 銀次50歳
    怪現象に会いながら家族に大きな人生の岐路が!
    悲しみの最終章

  • 「髪結い伊三次捕物」シリーズより遥かに面白い内容でした。大店の若旦那から岡っ引きになった銀次、そして泣きの銀次と呼ばれるその理由。お芳との恋物語は特に終わりに近づくにつれ非常に感動的になっていきますし、ユーモアとペーソスに満ちて江戸の茅場町・八丁堀・新川辺りの下町情緒を感じさせてくれる秀作です。江戸っ子の気風の良さが文章からも伝わってきます。上司の表勘兵衛と子息の慎之介、敵役の叶鉄斎、お芳の父で岡っ引きの弥助などの人物も魅力的であり、親子・兄弟の微妙な彩、美しい家族愛が描かれています。

  • 「髪結い伊佐次」シリーズは作家生活の限り続けると、作者が言っているのに対し、この「泣きの銀次」シリーズは、本作が最終章とのこと。
    「伊佐次」シリーズが「陽」に対し、「銀次」シリーズは「陰」と言っていいか。前者が、主人公の家族やその周囲の人々の成長を温かく見守り続けるのに対し、本作は「社会と人間の暗部を掘り下げてきた」から、終わるべくして終わるシリーズか。

    • ほんやだワンさん
      コメントありがとうございました。
      あっちの「髪結い」さんの方は、代替わりしつつ当分続きそうですね。
      そのうち、孫の代まで行ったりして?
      コメントありがとうございました。
      あっちの「髪結い」さんの方は、代替わりしつつ当分続きそうですね。
      そのうち、孫の代まで行ったりして?
      2013/06/02
    • honno-遊民さん
      作者も、一生続けるといっているので、ホント孫の代まで行くかも(笑)
      作者も、一生続けるといっているので、ホント孫の代まで行くかも(笑)
      2013/06/03
全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇江佐真理の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×