石の繭 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775502

作品紹介・あらすじ

モルタルで固められた惨殺死体発見――犯人より警視庁へ電話が。新米女性刑事・塔子が話し相手となったが。本格警察ミステリーの白眉

感想・レビュー・書評

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  • 初めての麻見和史さん作品。
    モルタルで固められた死体とか怖すぎるけれど、そこまでグロテスクな描写はなくて物語自体も読みやすく、終盤はハラハラする場面もあって面白かった。

    主人公:如月塔子がまだまだ男社会の警察組織の中で犯人逮捕のために奔走する姿は読みながら応援したくなったし、捜査が進むにつれて葛藤しながらも自分の考えをもって行動していく姿に成長と好感を感じた。
    塔子の教育係を務める先輩や上司も個性豊かで捜査の合間の塔子との掛け合いもなんか良い。

    終盤、犯人がわかってからの急展開にドキドキさせられ読むペースも自然と加速。詳細が明らかになると「あの場面はこうゆうことだったのか!」「まさかのあの人物が!?」とあとから気づかされた。
    シリーズ1作目から結構凶悪な犯人が登場したから次作以降の作品もどんな事件が起き、解決していくのか読んでみたくなった。

  • こじつけ的な箇所も有りましたが、後半からは展開も早く引き込まれて一気に読んでしまいました。今後、シリーズを通して読んでみようと思いました、

  • シリーズ1作目。
    挑発的な犯人の目的は?
    17年前の母子誘拐事件との関りがわかり、急展開を迎えた。
    犯人も意外だったし、ラストの攻防戦はスリリングでした。
    鷹野が犯人に行きついた経緯は微妙だった。
    如月、鷹野ペアは好きだなぁ。
    面白かったです。

  • 読みたいと思いたった時から…ようやく読んだ。
    やっぱり面白かった。

    主人公が女性だからか…石の繭がテーマでも、あまり激しい描写でなかったのが、今の私には良かった。とはいえラストの対峙の畳み掛けるような感じはドキドキして楽しめた。

    はじめての麻見和史さん。続けて読んでみようと思う。

  • ずっと読んでみたかったシリーズ1作目。
    読みたいと思った時には、すでに7作目とかで、なかなか1作目から置いている書店がなく、新作が出るたびに悔しい思いをしていたが、少し前にドラマ化されたことで、よく行く書店が全シリーズを揃えて発売。ようやく読むことが出来た。
    発売自体はもう10年近く前なので、当時流行していた少し猟奇的でグロテスクな事件を主人公である新米刑事の塔子の目線で解決に導いていく、この時代ではよくある王道パターン。
    タイトルにある「分析班」は通称で、実際には捜査一課の一班の個性的な面々が塔子をフォローしながら、活躍する様は少し「姫川シリーズ」と印象が重なる。
    殺人事件のトリックなども、なかなか凝っていて、最近の「SSBC」頼りの警察小説に飽き飽きしていた私には、完全に嵌った。
    作者の他の作品は読んだことはあるが、とりあえず様子見で2作目までしか買っていないので、残りのシリーズを早めに確保しなければ・・・
    ただ、警察官の身長制限154㎝以上の規定に満たず、警察官の採用試験を諦めた私には塔子の身長が154㎝ないことだけは納得いかない。それも、やたら低身長を強調しているが、これはこの先に続くシリーズの伏線なのだろうか?
    ちょっと悔しいが、それもシリーズを読み進める楽しみになりそう。

  • トレミー!最初からとばしていて、すごい勢いでページをめくっていった。1日て読み終わる。
    ピンセットだけで、犯人にたどりつくの、うそーんと思ったり、ちょいちょい、ん?ってところがあったけど、エンターテイメントとして面白かった!

  • モルタルで石像のごとく固められた変死体が発見された。翌朝、愛宕署特捜本部に入った犯人からの電話。なぜか交渉相手に選ばれたのは、新人刑事の如月塔子だった。自らヒントを提示しながら頭脳戦を仕掛ける知能犯。そして警察を愚弄するかのように第二の事件が…。緻密な推理と捜査の迫力が光る傑作警察小説!

  • ブクログレビューで興味を持ち、著者の作品を初読み。
    最近数多い女性刑事が主人公の、類型的な警察小説かと思いきや、この主人公は、ユニークな設定になっている。
    大概、他の作品の主人公は容姿端麗であるのに対し、こちらは、152.8センチと短躯で童顔、一見コメディタッチ。
    しかし、事件は奇怪に、モルタルで塗り固められた変死体の発見という幕開けをする。
    犯人は、中途で明らかにされるが、刑事であった父の過去が今回の事件に影を落としてくる。
    彼女自身が事件の当事者になってしまうという意表を突く展開、ミステリーとしての要素も。
    主人公とともに、彼女の属する殺人分析班のメンバーそれぞれが特徴あり、チームワークの魅力とともに刑事の群像劇としても楽しめそう。
    シリーズものらしいが、初回から主人公自らの深刻な事件では、今後どう展開するのか、主人公の成長物語という一面もあるようで、次回作にも手が出そう。

  • 刑事小説でも、捜査班のチームワークを描いた作品(ストロベリーナイトシリーズ、同期シリーズ)が好きな方なら、楽しめるはず。

    私も、捜査班のチームワークを描いた刑事小説が好きな1人であって今回の石の繭は、読んでいて楽しかった。


    新人刑事の如月 塔子が事件を通して少しづつではあるが自分で考えて行動していく姿が、頼もしい。彼女の周囲の先輩刑事や上司がちゃんと暴走しないように、手綱も操作しているし(笑)

    それだけじゃなく、今回のこの物語の犯人も意外性があって
    えっ!?ってなった。そしてその動機と、悲しい過去にも。

    新たにお気に入りのシリーズができて、嬉しい限り。

  • 初めての麻見和史作品はシリーズ化している警視庁殺人分析班の第1作目にした。さすがにシリーズ化しているだけあって、個々のキャラクターは立っているし、主人公の設定も微妙で良い(ドラマ化の木村文乃さんのイメージがぴったり)。
    終盤の展開もスリリングで面白かったので、この後のシリーズも読んでみようと十分思わせる力作だった。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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