- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062775502
感想・レビュー・書評
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ブクログレビューで興味を持ち、著者の作品を初読み。
最近数多い女性刑事が主人公の、類型的な警察小説かと思いきや、この主人公は、ユニークな設定になっている。
大概、他の作品の主人公は容姿端麗であるのに対し、こちらは、152.8センチと短躯で童顔、一見コメディタッチ。
しかし、事件は奇怪に、モルタルで塗り固められた変死体の発見という幕開けをする。
犯人は、中途で明らかにされるが、刑事であった父の過去が今回の事件に影を落としてくる。
彼女自身が事件の当事者になってしまうという意表を突く展開、ミステリーとしての要素も。
主人公とともに、彼女の属する殺人分析班のメンバーそれぞれが特徴あり、チームワークの魅力とともに刑事の群像劇としても楽しめそう。
シリーズものらしいが、初回から主人公自らの深刻な事件では、今後どう展開するのか、主人公の成長物語という一面もあるようで、次回作にも手が出そう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モルタルで固められた毒殺体が見つかる。翌日捜査本部が組織されるのだがそこに犯人からの電話が入る。女性警官との対話を要求する犯人に対応することになったのは、若い女性刑事の如月塔子だった。
読んでいて思ったのはジェフェリー・ディーヴァ―の「リンカーン・ライム」シリーズっぽいかなあ、ということ。テンポの良さ、犯人との息詰まる対決、捻られたプロットと伏線で意外な展開を用意するミステリの醍醐味があることがそうなのですが、
こつこつとした捜査で徐々に事件の背景を明らかにしていく警察小説の醍醐味もプラスされてる点がまたライムシリーズと違った面白さがあるように思います。
警察小説はどちらかというと名探偵が出てくるミステリと違って、人間関係や展開に重きを置いたサスペンス色の強い作品が多かった印象なので、
最後に張られた伏線を綺麗に回収していく本格ミステリ要素の強い警察小説は少し意外な印象でした。そういう意味では警察小説を敬遠していた本格ミステリ好きが、警察小説の入り口として読むのもいいかな、と思います。
キャラもそこそこ立っていて、塔子の成長も読んでいて心強かったです。解説によると今後さらにスケールの大きな事件に塔子たちが挑むみたいなので、機会があればまた読んでみたいです。 -
可もなく不可もなく。
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ミステリが好きな私にとっては単純な事件物語で、なんとなく物足りないような感じだけど、でも、その分読みやすくて下手に緊張?して読まなくて良いのはよかった!
基本新品でしか本買わないけど、まとめてシリーズ読んでみようと思って中古で揃えてみた!人物像が好きになるから全シリーズ読んでみようと思って。 -
女子といった方が良さそうな女刑事が主人公というと、猟奇犯罪捜査班あたりを思い出しますが、印象は全然別のもの。
こちらは、捜査本部内での扱いの悪さとか、幾分政治絡みのいざこざが生臭い感じ。
その代わり、動機、トリック、終盤のサスペンスはさすがは講談社ってところですね。
ミステリーファンにも安心して薦められる感じです。
チームメンバーそれぞれの描写も秀逸。プロっぽさが良く出ていました。 -
モルタルで固められた変死体から、事件が始まる。
そこにかかってくる犯人からの電話。
その交渉役に選ばれたのが、新人刑事の如月塔子だった。
犯人との駆け引き、続いて起こる殺人、昔の事件との関係。
また、廃墟とか廃屋とかが出てくる点では、最近の高齢化社会や少子化等の影響を感じる。
都内が舞台だが、国内でもかなりの空き家が見られるだろう。
そこに事件を絡ませてあるのが、印象的。
2017.6.19 -
おもしろかった!
シリーズが多いから気にはなりつつも手を出せなかった本作
2023年のラスト本に選びました。
塔子の成長、先が気になるので絶対読み進めるシリーズ入りしました◎
リアリティはあまり無いけれど、新米刑事ものとしてはわたし的に満足。
「 能ある鷹は爪を隠す 」 まさに。
ん?と思うこともあるけれど(笑) -
ポンペイの人型に強く影響を受けてしまうのはわかるし、巻き込まれた事件の事を思うと犯人に少し同情してしまう(誘拐事件の真相がひどい)
でもここまで周到に準備して襲うなんて、執念深過ぎておそろしい
まだまだ未熟な主人公、事件を経て成長していく過程を読めるのも面白い
殺人分析班のメンバーも色々抱えているのかな?シリーズ読んでみよう