- 講談社 (2013年7月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784062775571
作品紹介・あらすじ
周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。仕事が続かぬ周也を常に優しく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也を甘やかし、他人から受け入れられないことを受け入れられないほど駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。直木賞作家の意欲作!
周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように身を寄せ合って生きてきた。仕事が続かない周也を見棄てずに常にあたたかく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也が自分が受け入れられないことを受け入れられない人間になったことを。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある犯罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。
女の生き方を描き続けてきた直木賞作家の意欲作。
みんなの感想まとめ
重厚なテーマが描かれるこの作品は、施設育ちの芳子と周也の複雑な関係を通じて、愛と依存の本質を問いかけます。芳子の無償の愛は清々しさを持ちながらも、周也の甘えや無力感が彼女を苦しめる様子がリアルに描かれ...
感想・レビュー・書評
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とにかく重い。
いろいろ重いけど、芳子の愛は本当に純粋で見返りを求めていなくて清々しいほどでした。
読んでいる側からは、これは本当に姉弟愛なのか、恋愛感情はないのかなど勘繰ってしまう瞬間もあるけど、芳子自身はそんなことを考える暇もなく周也を愛しているのが伝わってきました。
周也は本当にダメダメで、そんな男を想い続ける芳子が不憫にも感じますが、芳子自身に迷いがないため、不思議と読んでいてモヤモヤとかイライラした感情は少なかったように思いました。
幸せになるチャンスはいくらでもあるのに、2人にとっては(特に芳子にとっては)お互いが一緒にいることが幸せなのかと思うと複雑な気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
え、これ恋愛小説なの…?
ひたすら歪んでるとしか。美しさは一欠片もないむしろ鬱くしい。畳み掛ける絶望そして絶望。
登場人物も漏れ無く闇抱えててほとんど救いがない。でも不思議と手が止まらずイッキ読み。
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カオルのような欲深い人は、今回でいう周也との五島での生活のようなのんびりした人生を過ごしていたら、最終的に幸せになれるのだろうかと考えた。
良くも悪くも、人間関係で人生が左右されてしまうストーリーだった。
★印象に残ったフレーズ
「信じる、は、信じたい、と同義語だ。」 -
2人の主人公はまっすぐ過ぎる心を持っているが故に、不器用にしか生きられない。その生き方は時に悲しく見えるけれど、人を思いやる2人の優しさを感じられます。雨心中というタイトルにもあるように、物語は薄暗く悲しい雰囲気にありますが、強い絆持った2人はハッキリとした色を持って生きていました。
唯川恵さんの作品は初めて読みました。唯川さんは優しさと思いやりをまっすぐに言葉に表していたので、その節々でとても心にグッときました。読み進めていく中で、2人の主人公の思いやりを自分にもお裾分けしてもらえるような気分でした。他の本も読んでみようと思います。 -
なんだかなー。
お互い大事な存在なのは分かるけど、やっぱり甘やかしたらだめよねー。
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読後、見事なタイトルだなあと思いました。これは全く心中の本でした。芳子のそれが愛情と呼べるのかはわかりません。ただ、彼女の心理には共感出来るところが多々ありました。これが深い愛だとは思いませんが、女性なら彼女に共感できる方も多いのではないでしょうか。これは切っても切り離せないものではありますが、愛と幸せについて、暗く暗く掘り下げた作品だと感じました。
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芳子がそれでいいならいいよ
幸せならそれでいい
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「この人には私がいないと生きていけない」は「私にはこの人がいないと生きていけない」と同じ意味だとよくわかる物語でした。
誰かのために料理をする、誰かのために洗濯する、誰かの帰りを待つことの幸せを知ってしまった人はその沼から抜け出せなさそうです。 -
共依存のダメ兄弟。
ダメンズ製造機の姉と人に騙されやすく仕事も続かない弟。
相性よすぎ。
どちらもクズofクズでイラッとした。
犯罪者を庇うし、姉は愛よりも自分がかわいそうでつなぎ止めときたいだけでは。
くまのぬいぐるみじゃなくて、人間だからね。
こんなのが愛なわけがない。
周りを不幸にするので二人で誰とも関わらず生きていくべき。
あと、逃げる場所近すぎで、やっぱり兄弟揃ってアホなんだなと思った。 -
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ダメ男をとことん受け入れて愛する女性。
芳子なりの愛の形であって、本人は幸せなんだろうけど…。
人並みの幸せを手に入れられる寸前でダメになってしまい、もうバカだなーと何回思ったことやら。
いつもと違って映画仕立てな展開だった。 -
何処へ行ってもこのきょうだいは平穏な幸せとは無縁で、数奇な運命を辿ってゆくのだなと思うと、複雑な気持ちになった。
キリストの画、大切にしていたぬいぐるみが無くなってしまったときのこと、雨に濡れる八重山吹など、回想シーンや情景描写がとてもきれい。そしてふとした瞬間に滲む怖さや狂気さえも素敵だと感じた。
個人的に、主人公二人に関わってしまった人たちが一番不幸かもしれない……と思いつつ、表紙を眺めながら「雨心中」という言葉にじんわりと込み上げてくる深く暗い余韻を噛み締めている。 -
切ない。ただただ切ない。
唯川恵っぽくない話。
芳子にとって”弟”として周也を見ることで、その思いや関係が永遠に続く。
でも、周也は別の女と恋に落ち芳子を置いていく。
困ったときにだけ芳子にすがる。すがられた芳子は、必要とされていると感じてしまう、、、。
共依存、なんでしょうね。
だめな男で、どうしようもないのに、必要とされていることで満たされる芳子が切ない。
思っても、想っても、尽くしても、一番には、なれない。
幸せって何なんでしょう。
ただ、無条件に相手を受け入れて愛するという気持ちは、見ていて辛い反面、羨ましくもある。 -
愛するとは?
幸せとは?
執着としか呼べないような芳子の周也への思い。
それは愛なのだろうか。
丸ごと否定することはできないが、自分はその感情の渦に巻きこまれたくはない。
そして、今ある幸せを大切にしたい、そう思わされた。 -
んー、この2人はこれからも同じ事を繰り返しそしてずっと日陰を生きていくんだろう。
女と男という立場では得られない物を、血は繋がっていないながらも姉と弟という立場で得ている。そしてそれに溺れる。
人から祝福される幸せばかりではない。2人が幸せと感じるのならそれでいいんじゃないか‥ -
施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。芳子にとって、周也はこの世で唯一「私のもの」といえる存在だ。周也は仕事が続かないが、芳子は優しく受け入れる。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だと芳子はわかっていた。そう、周也が「罪」を犯した時でさえー。
唯川恵の作品。この人の作品の特徴として、女の怖さが描かれている。芳子にとって、幸せとは何なんだろうか。周也の為なら他人との繋がりを切り捨てられる。そんな芳子は、「自分が周也を甘やかして駄目にした」という罪の意識から一緒にいるというよりも、「自分のもの」という執着心から周也に拘っていると感じた。芳子は怖いというより強い女だと思った。 -
正直、どっちにもイライラする(苦笑)。
でも、わからなくもないっていう気持ちもある。
頼りにされたら、甘えられたら、求められたら・・・
応えてあげたくなる。
ワタシがいなくちゃって気になる。
母性?愛情?共依存??
何て表現するのがピタリとくるのか、
語彙が少ないのでわからないけど、
こうやってダメンズを作っていく女は、
世の中に結構いると思う。 -
周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。仕事が続かぬ周也を常に優しく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也を甘やかし、他人から受け入れられないことを受け入れられないほど駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。直木賞作家の意欲作!
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読みやすかったけど、主人公2人には全く共感できんかった。
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こういう女性を「堕ちていく」と表現するのかなと思いました。
血の繋がりなどなくても姉弟の絆があるのは理解できる。
弟だから可愛いのも理解できる。
ただ、彼女の愛し方は正しかったのかと疑問に思ってしまう。
真っ直ぐに一生懸命に不器用に生きる姉弟に、なんとか幸せになってほしいと思い、幸せってなんだろうとも思う。
二人が願う幸せの形は同じだったのかな。
掴みかけてはすり抜けていくようで、掴もうとしていないようで。
なぜ幸せより奈落を選んでしまうんだろう。
唯川恵の作品
