トリック・シアター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775731

作品紹介・あらすじ

空前の劇場型犯罪が幕を開ける。2010年3月21日未明に、奈良と東京で、女性と男性が殺害された。被疑者は被害女性の夫であり、被害男性の大学時代のサークルの先輩だった。同一人物による500km離れた場所での同時殺人。警察庁「裏店」のキャリア警視正・我孫子弘が捜査の指揮をとると、被疑者の大学時代の映画サークルの仲間4人がこれまで、3月21日に事故・もしくは自殺で死亡していたことが明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • 東京と奈良で同時刻に起きた殺人事件。警察庁の裏店を中心に所轄の刑事たちが捜査にあたる。
    不可能犯罪の捜査。しかも警察庁のキャリアがかなりクセのあるキャラ。という序盤はなかなか面白かった。徐々に真相が明らかになるにつれてなぜか興味が薄れてしまった。真相も消化不良。そこまでできる能力がありました、なんて後付けで言われてもスンナリと納得できない。
    文体は嫌いじゃないから余計にもったいない気がする。

  • 同日同時刻、五百km離れた東京と奈良で起きた二つの「殺人」。容疑者として浮上したのは同一人物だった。謎を追う刑事たちの前に、今度は閉鎖病棟での密室殺人が発生。三つの事件がつながり、驚愕の真実が明らかになる!

  • 遠藤武文『トリック・シアター』講談社文庫。

    興味をそそられる奇妙な事件で幕開けした凡作ミステリー。やはり、『プリズン・トリック』はフロッグだったのか。この作家の作品は何作か読んだが、いずれもハズレで裏切られ続けている。

    奈良と東京で女性と男性が殺害された。被疑者は被害女性の夫であり、被害男性の大学時代のサークルの先輩だった。同一人物による500km離れた場所での同時殺人…事件の真相を追う警察庁・裏店のキャリア警視正・我孫子弘…

  • P340

  • 同一同時刻に起きた事件。
    同じ人間が犯人に思われたが、500km離れた二つの現場で同時に事件を起こすことはできない。
    たぶん不可能犯罪を解決していく過程で国家的陰謀を絡めた物語にしたかったのだろうと思う。

    本多のキャラクターには最初から違和感を感じていた。
    偏執的な一面を前面に押し出した描写に始まり、自分が価値を認められない(見出すことが出来な)相手を見下すところもある。
    忠告してくれた人もいたのに耳を貸さず、危機感もなく、考え足らずの行動にはしる。
    本多に限らず登場人物たちのキャラクターがどれも浅い。
    この人はこんな人間ですよ…とでも言いたげなストレートすぎる台詞や描写だった。
    閉鎖病棟でのトリックも、事件の詳細を知った時点で解けてしまう。
    人間が描けていないため、結果として動機に説得力がなっている。
    裏で筋書きを書いていた人物も、表面的な捉え方しかしていない気がした。
    もっと奥行きが深い人物でなければ、辻褄あわせのために登場させたとしか思えなくなる。
    途中で「これってフラグかな?」と思いつつ、まさかなと思っていたら本当にまさかの展開で驚いた。
    「おっ、そうきたか!!」と思えるような展開を期待していただけに残念だ。

  • もう一つの江戸川乱歩賞の方を読んでみたい。文体とかは嫌いじゃない、けど本作は可もなく不可もなく、って感じ。あっちこっち(テロとか個人的怨恨とか…)いった話が最後なんとなくまとまるが、イマイチそのまとまりを活かし切れてないというか。。。あとちょっと暗い。

  • おっと。斬新だな…
    ストーリー自体は少し複雑、かつ、んん?
    って感じか。面白いような面白くないような…しかし、警察って…

  • 乱歩賞受賞作の前作は好みだったが、受賞後第一作の本作は完全に外れ。東京と奈良で同日同時刻に起きた殺人事件の容疑者は同一人物という不可解な状況にその関係者である映画同好会のメンバーが年は違うが同じ日に死んでいるという事実は非常に魅力的だが、それを全然生かし切っていない。妙に信長を引き合いに出す冴えない主人公とか奇抜な服装と言動だが頭はキレる元公安の警視正という主要人物は白けるし、映画研究会絡みが現実的なのに対して、背景に見せるテロ組織とか国家機密だとを持ってくるので不安定さを感じてしまう。極めつけはラストの突飛な演出である。不可能犯罪をやりたいのも分かるし、裏側に大きな秘密を持ってきたいのも分かるし、ラストのサプライズを仕込みたいのも分かるが、総じてアンバランスなので、それが魅力ではなく、むしろうわーって感じで引いてしまうのだ。内容は入り組んでいる割に、読みやすさはあるのですいすい進めることができるのが救い。事件を解決に導いた警視正は裏店シリーズとして続いているみたいなので、きっとそちらは面白いのだろう。

  • 名前だけで過去の人として登場する人物が多いせいか、意識していないと誰が誰だかわからなくなる。
    最後の救われなさが悲しい。

    読み終わってから本の帯を見て気づいたのは、あれ、この人が主人公だったの?

  • 東京と奈良で同時刻に起きた殺人。しかも犯人は同一犯。
    どう落としてくるかなと期待したが、トリック自体はトリックと言えないもの。
    ただ、物語の展開にはスピード感がありグングン読める。
    きっとシリーズ化するんだろうなぁ。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
2009年『プリズン・トリック』で第55回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『トリック・シアター』、『天命の扉』、『原罪』、『龍の行方』など。

「2014年 『現調』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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