人類資金1 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776172

作品紹介・あらすじ

「あなたに仕事を依頼したい。報酬は50億。内容は『M資金』を盗み出すこと」未来を見据え、著者が初めて挑む経済サスペンス超大作

感想・レビュー・書評

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  • 詐欺師の界隈で伝説と化した「GHQから日本軍が隠した莫大な金塊を背景にした巨額融資」いわゆるM資金ネタ。
    こいつがもし事実だとしたらー。

    というお話の発端につながる序章。
    おそらく後々伏線として回収されそうな時代時代の大規模詐欺の新聞記事や当時のゴシップ記事などが羅列され、読みづらいことこの上なく。
    読み通せたのは後半やっと真舟雄一(詐欺師)という人間が動いてくれたからと、一冊がとっても薄かったから。
    一冊が薄いことの効用が感じられた作品。
    2巻以降が楽しみ。

  • M資金を扱う小説・漫画を最近読んで興味を持った。M資金を解説する書籍は、入手できない状況だ。M資金を引き継いだ財団があった……それはM資金が実在するという証。それを下敷きに、M資金詐欺という古典的な手法で詐欺を行なう真舟と、実在とエビデンスを与えられた財団が接触する! 東日本大震災、アベノミクスという近世の出来事を織り交ぜて進む物語は、世界を救う展開となるのか?

  • 根底の考えに実はとてもリアリティーがあり面白い。特にこのテーマは私も共感する部分も多くある。

    金融資産を増やす事を、カードゲームのカードを増やす事と同じ感覚でいる。生きる為や生き甲斐の為に稼いでいるのではなく、ただその「ルール」の中で人が生かされているから。という考えは今の日本、時に若者の実態を如実に表している。

  • 7作中の第1作目。M資金の目的と、そのM資金を狙う謎のITベンチャー「M」と、M資金で詐欺を働く真舟が知り合うまでを描く。「震災後」から久しぶりの福井作品だけど、その後書かれた作品らしく、今まで時代物のイメージが強いだけに、現代を描く今作に最初は少し違和感も…

  • 序章がなんとも読みにくく挫折しそうになったが、第1章(幕)になると俄然面白くなる。ああ福井作品を読んでいるなあ、という福井節が確かにある。今のところ、僕にとって最も平井和正に近い作家だ。

  • 戦後の混乱の中で持ち去られた多額の金塊を基にしたM資金なるものをめぐる話。
    第1巻ということもあって、取り敢えずは登場人物の紹介程度。これから。

  • 「M資金」をめぐる壮大な長編…いつか読もうと思いながら、重たそうな内容に先延ばしになってました。1巻は…やはり説明が多くてちょっと辛かったけれど、面白くなりそうな余韻を持たせつつ次巻へ続く。Mの素顔が気になる!

  • まだ全然、事件は起こってないし、これからの物語なんだけど、これだけは言える。

    面白かった!!

    というか、この本、ずいぶん前に出ている本だと思うんですけど。
    「アベノミクスは失敗し……」
    とか書かれてて、この本って予言書?? ってかなりびっくりもさせられました。
    いやまあ、失敗するだろうっていうのは想像つかなくもなかったし、私もきっとそうなるだろうって予想できていたので、当たり前といえば当たり前なんですけど、それを堂々と物語に組み込んでしまうのって作家さんとして、結構勇気が必要だと思うんですけど、それをやってのけたのがすごいなあ……と。
    終わってる現実じゃなくて、これから始める現実を物語に投影していくのって本当にすごいと思います。

    現状は確かにこの本に書いてあることに近くて、これをどうやってこれから変えていくのか、とても楽しみにしています。

  •  福井晴敏 著「人類資金1」を読みました。

     終戦の日、日銀の地下金庫から莫大な金塊が姿を消し、戦後の混乱と復興を糧に膨れ上がったその資産の名は、「M資金」。ある詐欺師の前にとてつもない計画が持ちかけられる。

     閉塞し混迷を深める世界に革命を起こす壮大なストーリーの幕開けとなる1巻でした。

     2巻以降、この「M資金」を中心にどんな人物か絡み、世界にどんなことを起こしていくのか、目が離せない期待感を感じました。

     きっとこの世界は救われるという願いを込めて、次巻以降を読んでいきたいと思います。
     

  • ☆3つ
    250円なので思わづe-honポチしてしまった。そしたらすんごく薄い本だった。まあ、この本が薄いのはよしとしよう。なにせ250円なのですから。
    でもこの後に続く2巻以降は同じこの薄さでなんと500円らしい。
    こりゃあれだ、ディアゴスチィーニとかっていう、戦艦大和なんかの1/125スケールの豪華モデルが完成するぜ!ってことで初回号はえらく安い値段で発売して、さぁよぉし作るぞぉ~となると、2号からいきなり凄く高い値段になってしまって・・・というあのパターンだな。
    いや、そんなことは解っていた。本当の買った理由は福井晴敏くんだったからです。しかも題名は『人類資金』! なんかワクワクするぢゃないですか。
    ちょっと引っかかったのは、なんでも同時映画化がどうのこうの、ってこと。せっかくのおもしろい小説をまたもや映画がだいなしにしてしまう不安がよぎる。(カバーに載ってるいつ見る映画男優もすかんしね)
    で、どうだったか、というと。うーむ今ところ惜しくも期待はづれ。2巻を買うかどうかわかなり悩むところである。福井君すまぬのう。

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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