新参者 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.06
  • (534)
  • (811)
  • (350)
  • (38)
  • (4)
本棚登録 : 6788
レビュー : 466
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776288

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人情ものとミステリーがこんなにもマッチするとは、
    登場人物たちの厚い想いと伏線の連続に、
    ただただ驚かされた!!

    殺人という残忍な事件が起こってしまった事実は変えられないが、
    被害者を取り巻く周囲の人々が負った心の傷を加賀刑事の優しさと頭の回転の速さで癒していくのが、とても心にじんと来た。

    人形町の伝統文化を象徴する小物が事件解決の鍵となって、
    物語が展開していくのも清々しい。切ないけど心温まる。
    こんなに沢山の感情が込み上げる作品をこれまで読んだ事がない。
    頭脳明晰で人望に厚い加賀刑事、というより、この作品・魅力的なキャラクターを創り上げた東野圭吾さんが刑事として今現実に起きている事件を解決してくれたら、もっと世の中平和になるんじゃないかな。そんな願いを込めて、星5つ!以上!

  • 加賀さんに惹かれない人はいるのだろうか?っていうくらいニクい存在。
    どうでもいいと思ってしまうような所に目をつける鋭さがあるのに、柔らかく物事を解決していくのがとっても素敵だった。
    他のシリーズも読まなくちゃ~!

  • 人形町を舞台に殺人事件の捜査を軸にしつつ、関係者の生き様を描く。それぞれの章が少しずつ繋がっていく感じが楽しい。

  • 加賀恭一郎シリーズの第8作目。
    各章が短編で完結しつつ、最後に一つの話として収斂し、謎が解けていくのが素晴らしい。
    ミステリーながら、心暖まるストーリーで癒やされる。

  • 加賀恭一郎、完璧なイケメンだ。
    超カッコイイ。大好き。

    小伝馬町で起こった殺人事件の関係者の視点で物語は進行する。
    大抵は警察が訊問に訪れ、少しずつ事件の全貌が読者に明らかになっていき、ピースが繋がり出す。
    構成が、上手い。
    事件とともに、人形町の商店街の人々の生活が垣間見えたりして、それぞれが優しい嘘をついてたりもする。

    被害者の女性はホントに可哀想で、悲惨な事件なんだけど、加賀さんの感じの良さのせいで、なんだか凄くほっこりする話だった。
    そして相変わらず頭脳が切れっ切れである。
    ああカッコイイ。

  • 加賀刑事シリーズ。日本橋で起こった一つの殺人事件。その捜査上に上がってきた人達へ加賀刑事が関わっていくことで、その人達が抱えてきた問題を良い方向へ変えてしまうという人情もの連作短編集。ミステリーでもある。印象に残ったのは嫁姑のバトルが激しいけどラストはホロッとする「瀬戸物屋の嫁」と素直になれない頑固おやじが可愛らしい「時計屋の犬」ミステリーというより人情ものとして読みました。

  • 2010年「このミステリーがすごい!」第一位作品。
    刑事・加賀恭一郎シリーズ。文庫になるのを待って最近ようやく読んだ。
    正直ミステリとしての本格度というか、トリックやアリバイの妙という点では派手さはない。むしろ地味というか、フーダニットとしては物足りないくらい。
    だけど、この作品はそこが売りではない。
    日本橋界隈という、都心ど真ん中にありながら江戸情緒、人情あふれる街。三味線や行李を売る店が普通に商店街に並んでいる、そんな場所。
    そこに暮らす、どこか昔懐かしい人たちの生活を丁寧に描写し、彼らのある意味古くさい、世話物的な価値観を静かに浮かび上がらせる。その描写力がやさしく淡々としていて、たとえば古い小津映画を思わせる。(この作品には、たとえば「容疑者Xの献身」のような盛り上がる感動はない。)
    「煎餅屋の娘」「料亭の小僧」「瀬戸物屋の嫁」など、作品は9篇の短編からなる連作。
    最初は近所の噂話レベルにすぎなかった、中年女性の殺人事件。それが、読み進めるに従って徐々に、その女性の人生、家族や友人知人、考え方、性格や外見までが明らかになっていく。
    小さな、本当に小さな事実を見過ごさず、鋭い観察力と洞察で事件の核心に迫る加賀はたしかに切れ者刑事だが、ここでは最後までやさしい。不器用だが人情味あふれる人たちを好意をもって見守る姿勢が、なんというかまあ、刑事らしくないし、まだ30代の若造がここまで達観できるものかね、とは思うけど(笑)。
    傑作というよりはワザありの秀作。いずれにしても、楽しめました。

  • なんだかTVドラマかのタイトルになっているのを覚えていて買った文庫本。人気の加賀恭一郎シリーズ。

    亡き母の生前を知るために日本橋署に希望し赴任してきた加賀恭一郎。かつては捜査一課でも名だたる事件を解決してきたにも関わらず所轄の警部補となることを厭わない。

    物語は日本橋の風情ある商店街の煎餅屋さんから始まる。一人暮らしの中年女性が殺害された事件に関して、保険セールスマンのアリバイを調べる加賀恭一郎が日本橋にやってきた新参者としてその町を本当に理解することから捜査を始める。

    物語は話し手の視点の変更を次々と繰り返し、日本橋に住むいろいろな人がその事件に関わり、そこにつねに加賀恭一郎が鋭い洞察力と思い遣りで町の人々に接していく。事件の犯人を逮捕するだけでなく、残された遺族の心の傷まで解決していく様子はまさに、加賀恭一郎が粋であるところ。

    仲の悪い嫁・姑、仲たがいした親子、毎日顔を見るのが楽しみにされていたケーキ屋さんの店員、口の堅い料亭の見習い、おばあちゃんが末期の病気になった煎餅屋の家族など、さまざまな人間模様とミステリーを複合させたストーリーは見事としか言いようがない。

    加賀恭一郎が心から町を・人を理解しようとするその一貫性・行動力。細部から深い洞察力を駆使し、真実を掴む刑事としての推理力。人の機微を理解し、周りを幸せにしていくけど、それをひけらかさない粋な姿。とってもかっこいいと思いました。

    非常に面白い。お勧めです。

  • [再読]
    外堀から徐々に犯人を追い詰めていく。
    まるで、真綿で首を締めるように。
    加賀恭一郎シリーズで、いちばん好きな作品。
    加賀恭一郎の良さが、いちばん表れていると思う。

  • 人形町の人の暮らしを緻密に描きつつ、事件の核心に迫る構成は見事。

全466件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×