新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776523

作品紹介・あらすじ

ニューヨークの投資ファンド社長・鷲津政彦はバブル崩壊後の日本に戻り、瀕死状態の企業を斬新な手法で次々と買収・再生していった。

感想・レビュー・書評

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  • バブル崩壊後、経営悪化にもがき続ける企業、不良債権を抱えて右往左往する金融機関の実態を描いた経済小説。

    放漫経営や杜撰な融資の責任を取りたくない、表面を取り繕って延命を図ろうとする企業・金融機関幹部の姿が生々しく描かれている。一方、外資のハゲタカ・ファンドは、貪欲で腹黒い輩ではあるものの、痛みを伴う外科手術の担い手として肯定的に描かれている。

    「バウチャー(ハゲタカ)・ビジネス」は、「不良債権を抱えた企業の株や債権などを買い占め企業を手中にし、再生していく」ビジネスのこと。そして、「世界中の投資家から資金を募り、それをファンドとしてプールし」てバウチャー・ビジネスを手掛け、買い叩いた企業の価値を短期間で高め、高値で売り抜けて荒稼ぎする投資ファンドがハゲタカ・ファンド。

    日本の悪弊・旧弊と戦うハゲタカ・ファンド社長の鷲津、三葉銀行の芝野(後に辞職してスーパーえびす再生に乗り出す)、松平貴子(外資ホテルのエリート社員だが、実家名門リゾートホテルの再生を決意する)三人。鷲津が、大阪の繊維卸販売会社社長が大蔵省ロビーで割腹自殺した事件(鷲津が投資ファンドビジネスに身を委ねるきっかけとなった事件であり、どうも日米政府が関係した深い闇が隠されている?)に執着する理由、下巻でどう明かされていくのかな?

    バブル崩壊後に日本経済がなかなか立ち直れなかった原因は結局、欲深さと保身・延命。コロナやオリンピックを巡る混乱を見るにつけ、日本が今も同じ問題を抱え続けているんだなあ、ということが実感される。

  • またまた会社の方に貸して頂いた。
    不良債権を抱えた銀行や企業の債権を安く買い叩き、手中に収めた企業を再生し利益をあげる、バルチャービジネス。これをハゲタカと呼ぶらしい。

    お仕事小説で、私には難しく感じられるのだが、これが実に面白い。
    バブル崩壊前後、自分は中高生だったが本書に書かれている数々の事件で記憶に残っているところも多い。フィクションだが、バブル崩壊後の日本を思い出す。

    登場人物それぞれの個性も非常に良い。

    読み始めるとつい時間を忘れて読書をしてしまう。

    上巻だけでもかなりおもしろかったが、
    下巻ではどんな展開が待っているのだろう???

  • 感想
    他の読者の評価が高かったので読んでみることに。一度、ドラマで見たことがあったが、改めて本で読むと面白かった。

    銀行というシステムを作った欧米に対して、バブル期の日本人は手をこまねいて買い叩かれるのみ。金融業界の抜け穴もたくさんあり、魑魅魍魎の金融界を描いた作品。

    日本が鷲津に買い叩かれているのに、なんだか鷲津を応援したくなってしまう魅力がある。

    あらすじ
    ニューヨークでジャズピアニストを目指していた鷲津は、あちらで投資ファンドの社長に見そめられ、企業再生で利益を上げるハゲタカビジネスの腕を磨く。

    90年代になり、バブルが崩壊した日本市場では銀行が不良債権を売り払おうと必死になっていたところに、鷲津率いる投資ファンドが入り込み、巨額の利益を上げる。

    三葉銀行の芝野は、バルクセールを成功させ、銀行の不良債権を着々と処理していたが、バンコク支店への異動を命ぜられ、銀行をやめて企業再生をする決心をする。友達のスーパーを3年で見事に再生させると共に、家族の放蕩経営をしていた友人を切る決意をする。

    日光の格式あるミカドホテルの令嬢であった貴子は、スイスへ留学後、外資系のホテルで修行し、役員まで打診されたが、自分を育てた祖母の死をキッカケにミカドホテルの再建に乗り出す決意をする。

  • 外資ファンドのイメージが変わる方もでてくるのではと感じさせる一冊。
    むしろ内資銀行の方が体裁ばかりを気にして、ビジネスの本質を置き去りにしてしまったが故に、今の凋落に繋がったのかなと。半沢の言葉があるべき論かもしれないが再び心に刺さった。

    • 八幡山書店さん
      半沢直樹がきっかけでビジネス小説の本書を買ったんですが,積読してました。
      面白そうですね。今度読んでみます!
      半沢直樹がきっかけでビジネス小説の本書を買ったんですが,積読してました。
      面白そうですね。今度読んでみます!
      2020/11/17
  • 【感想】
    このシリーズを、一体今まで何度読み返しただろうか。
    金融とか投資についてはまぁまぁトンチンカンな僕だが、この本はそうゆうカテゴリーではない。

    なぜ何度も読み返すのか?
    登場人物がこんなにも魅力的で、キザで素敵すぎるからなんよね。
    彼らの吐くセリフの一つ一つが洒落ているし、仕事面で有能すぎて頭がクラクラする。
    本当にカッコイイおっさん達が、この小説には居るんよね。

    本シリーズはリーマンショックあたりで今のところ終結してるけど、最近の金融業界(ビットコインなど)に関する新シリーズが始まることを強く希望しているわ。


    【引用】
    p82
    「怒らないで下さいよ、別に自棄になって言っているわけじゃないんです。自分の能力を過信し、部下の言葉を信じすぎ、そして社会の流れを見誤った。これはすべて経営者失格の条件じゃないですか。」


    p87
    「今の危機はね、誰が悪いとかではないと僕は思いますよ。日本人が全員、欲の皮を突っ張らかして夢の中のあぶく銭を本物だと錯覚して、今なおその悪夢から覚めることに駄々をこねている。誰が悪い人がいるなら、僕ら全員ですよ。だからタチが悪い。」


    p452
    「アラン、そういう配慮には、日本人もアメリカ人もないわ。自己主張と自意識過剰の塊ばかりが集まっているアメリカのインベストメント・バンクなんて、妬みと嫉妬で優秀な連中がどんどん潰されていくんだから。実力があって結果を出せれば、手続きはどうでもいいなんて思っていたら、あなたも痛い目にあうわよ。」


    「アラン、これだけは肝に銘じておけ。ビジネスで失敗する最大の原因は、人だ。味方には、その人がこの闘いの主役だと思わせ、敵には、こんな相手と闘って自分は何て不幸なんだと思わせることだ。」

    「そして、牙や爪は絶対に見せない。そこまで細心の注意を払っても、時として人の気まぐれや変心、あるいはハプニングのせいで不測の事態が起こるんだ。結果を焦るな、そして馴れ合うな。」

  • 2019年11月8日、読み始め。
    真山仁氏の作品を読むのは、初めて。
    著者のインタビュー記事を読んで、ちょっと読んでみようかと思った。

    2019年11月10日、450頁まで読んで中断。

    • やまさん
      seiyan36さん、おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      上田秀人さんの本は、私は好き嫌いがはっきりする本だと思います。
      ...
      seiyan36さん、おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      上田秀人さんの本は、私は好き嫌いがはっきりする本だと思います。
      時代劇の勧善懲悪の話でないです。
      内面をえぐるような、嫌な感じもします。
      もう一度、読みなおしたいと思うほどの本は少ないです。
      私は、「百万石の留守居役シリーズ」が好きです。
      数馬の活躍と奥様の活躍を中心に毎回楽しみにして読んでいます。
      やま
      2019/11/08
  • T図書館 再読
    2004年 デビュー作
    プロローグ 破滅(おわり)の始まり
    1部 バルクセール
    2部 プレパッケージ

    元ピアノを学ぶ学生→投資会社ホライズン社長(のちに会長)の鷲津政彦
    三葉銀行ニューヨーク支店→日本の開発室へ異動(のちに退職しえびす屋の社長)の芝野健夫
    ロイヤルセンチュリーホテル室長の松平貴子この3人の視点で話が平行して進む

    《感想》
    ドラマが好きで見ていた
    ドラマでは「ハゲタカ」「バイアウト」の原作を再構築した描き方をしたんだなとわかった
    下巻で3人が絡んでもっと面白くなっていくのだろう

    ドラマでは、「ゴールデンパラシュート」「ホワイトナイト」何だそれ?と言った金融用語が面白く、6話しかないので展開も早くスピード感があった
    一方原作は、それほどスピード感はなかったが、セリフ等で日本の内情が鋭く描かれており、真面目じゃない日本の国があぶりだされてよかった

    アランの言葉
    149本当にこの国はファンタジックな国ですよね
    世界で最も治安がいいのに、その国でエグゼクティブだと思われている金融界がギャングたちと仲良しなんですから
    リンの言葉
    私も日本には本音と建前があることは知っていたけれど、そのギャップは半端なものじゃないもの

  • 太古の昔にNHKのドラマをちょっとだけ見たのが記憶に残っていて,ふと思い出したので読んでみる.バブル崩壊後,混乱期にあった日本の経済界に斬り込む若き米投資ファンドの日本人社長と,日本の都市銀行で優れた感覚を持ちながらも社内のしがらみの中でくすぶるバンカーを中心に描く.金融関係の用語は多く登場しており,いくらかは説明されているが,調べて知る機会にしようと思って読んでもいるので,そこまで苦にはならない.実際の事件や銀行をモチーフにしており,当時何が起こっていたのかについても紐解くことで,金融業界の興味深さを知ることができた.個々のシーンがバラバラに進んでいるように見えるものの,絶妙に繋がりを見せており,大きな悪事やリスクも潜んでいる辺り,スリルを持って退屈することなく読み進めることができた.後半どうなるのか,引き続き読んでいく.

  • 主人公の挫折がよくある感じなのはしかたないのかな。過去の因縁的なものも匂わせてるけどどう展開するんだろう?今のところ主人公が薄っぺらいのが少し気になっている。女性の書き方も奔放に性を求めるアメリカ女と一途な大和撫子みたいな対比がイラっとする。
    年代記的な書き方になっているので人物はあまり書き込めないのかもしれないけど、交渉は時間や労力がかかるので、そこら辺はもう少し書き込んでもいいのではないかと思う。数年間かかる一つのディールだけで一冊書いてもいいくらいではないか。
    とはいえ大変テンポ良く、日本企業のダメな部分も活写しつつ半沢直樹みたいな開き直った様式美に堕落しない感じで、なんというかバランス感覚がよい。
    下巻も楽しみである。

  • 1番怖いのは人間の強欲さなのだと痛感した。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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