新装版 ハゲタカ(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776530

作品紹介・あらすじ

企業再生が軌道に乗り始めた頃、鷲津は元銀行員・芝野健夫、老舗ホテルオーナーの娘・松平貴子と出会う。日本に戻った鷲津の真意は?

感想・レビュー・書評

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  • 「サムライたるもの、名誉に重きを置き、それをもって価値とすべき。自らが下した決断を、それらがいかに成し遂げられたか、己の真の姿を映し出す。己自身から決して逃げ隠れすることはできない」

     下巻は第二部後半、第三部、エピローグで構成される。

     鷲津たちホライゾンキャピタルの東京相愛銀行、太陽製菓の買収、芝野のえびす屋転職、松平貴子たちのミカドホテル経営の話が、足助銀行経営破綻で結びつく。
     
     外資ハゲタカファンドたちと、国内企業の戦いで、覚悟なく乱脈経営を続けてきた国内の経営者たちは、ことごとく敗れ去る。上巻以上に架空の新聞記事や週刊誌の記事の引用をふんだんに取り込むことにより、買収闘争の臨場感が否応なく感じられる。
     
     そして、松平貴子率いるミカドホテルも例外なく、これまでと同じような一族経営を続けていくことはできない。しかし・・・
    「愚かな人間を嘲笑うかのように、イヌワシは大きな羽をひろげ、上空を滑空していた。なんて自分たちはちっぽけなんだ。」

     武士道の体現者、それは松平貴子と、その精神の素養となっていた祖父ということだった。

     ただし、松平貴子の最後の決断、ここには武士道精神以外の要素は入れてほしくなかったな~。個人的に、ここが少し残念だった。

  • とても面白かったし金融関係の勉強のきっかけにもなった.自らの怠慢に気づくこともなく,不都合が起きれば他のものに責任転嫁し支援を分捕ろうとすること自体は,日本に限らず人間の共通の性であるにしても,法や経済のシステム,あるいは個々の人間の自律性がそれを律するようになっていなかった日本の病理を描く.「俺達はビッドで勝つ前にこの国に負けてたんだ」という言葉にそれが現れている.ただ,きちんと監視の目が光るかのように見える欧米経済圏がフェアなのかとなれば,実際には結局,法制度整備とその抜け道を探るいたちごっこでしかなく,法整備自体にも無数の思惑が絡んでいるはずで,日本と比べればマシであるにせよ,本当の「フェアフィールド」であるかは疑問を抱く.ともあれ「日本社会を適正にし輝けるべき人が輝けるようにしたい」という思いを持つ2人の男が,結果的に衝突してしまうところも興味深かった.

  • おもしろい

  • 2019.4.4読了。

  • *上下巻共に感想の内容は同じ。

    *上下巻共に感想の内容は同じ。

    鷲津政彦は投資ファンドの社長としてニューヨークから日本へ。
    ライバル会社との対立、買収企業関係者からは憎しみを受けつつも次々と企業買収を成功させてゆく。
    そんな中、明らかになる鷲津の過去、そして、彼が“ハゲタカ”と呼ばれる世界へ飛び込むことを決意した理由が明らかに。

    *****

    ドラマDVDの裏にあるあらすじを読むまでにチェックしたりしていましたが、全然ストーリーが違うみたい。
    企業買収というテーマ?と主人公と主要人物の名前(それも一部)だけ使った感じでしょうか。
    ドラマも本も両方ヒットしているので、ベツモノとしてアリ、なんでしょうね。
    ドラマはまだ観たことがないので、観たいなと常々思っていたけれど、本が面白く、内容が全く別、ということでちょっと気持ちが落ち着いてしまった。
    本を大森さんのイメージで読んでいたので、原作通りなら観ていて嬉しいかも、と思ったけれど、だいぶん違う話みたいだから一旦原作脳をリセットしてからにしたいなと。

    今は原作が面白かった気持ちを大事に(笑)

    “華奢な体とソフトな表情”、“社長”というよりは“有能な秘書”、“地味”と、三葉銀行の芝野に評される、鷲津。
    でも、それはあくまでお仕事用の顔。
    リン、という公私ともに良い付き合いをしている金髪、気が強い美女にも惚れこまれ、また別の美女の心も引き寄せ、と、鷲津さん、非常にカッコいいのです。
    関西出身なのにニューヨーク暮らし、ピアニストであることからか、言動も毎度カッコいい。
    「いいんだ、これで。俺は一度決めたことは曲げない」
    なんて男らしい!
    物語では同じ土俵に立つ人々には敵味方問わず、畏れをもって一目置かれている。
    ソフトな物腰とワイルドな生き方、ときめきまくりでした。
    大森南朋さん、はまる…とドラマを一回も観たことがないから想像の大森さん演じる鷲津にどきどき。
    MBO、投資ファンド…文字として、単純な意味合いとしての理解しかできていない私には最初こそなかなかのめりこめずにいたものの、鷲津というキャラクタがとても魅力的であり、物語を彼や周りの人物が盛り上げる様に後半はすっかり夢中になっていました。
    鷲津側、敵対する側、買収される側、どれも濃かった。
    命懸けの企業買収。
    ただ、彼が日本に来た理由に関するあたりが若干物足りない。
    理由としてそれに相当する、それで十分なのかとも思う。
    鷲津という人間を描く上で必要なエピソードだろう。
    ただ、何となく最初と最後にぽんと出てきて、それまでに何となく“犯人”的目星がついていて、それに対する驚きは弱かったかもしれない。

    今回は途中くじけかけたり時間をあけたりと予想以上に時間をかけてしまった上に浅い読み方になってしまったので、もっと集中してまたチャレンジしたいなと思います。

  • 当然ながら続きが読みたい。結局は、何を正義と個人が考えること、興味を持ち続けること、が大切。日本的なもの、アメリカ的なもの、それぞれの良いところ、フィットするものを選んでいけば良い。

  • 大学生の時に一度読んだが、その時は企業売買の知識がなさすぎて読み込めなかったけど、久しぶりに読んだらすごい面白く読めた。最後が少し唐突な感じもあるけど、続編がたくさん出ているので、続きを読みたい。

  • 読書日数 25日

    ハゲタカ(上)の続編

    日本の、腐りきった経済システムに立ち向かって行く男の物語の後編。

    まあ、話の内容が実はあまり入ってこなかったというのが正直な感想。

    ちょっと、自分には書きぶりが合わなかった。

  • 上巻冒頭での割腹自殺の真相が明らかになり、衝撃の事実が。

    ミカドホテルのMBOや、太陽製菓の債権処理、熱海のホテル社長のその後。

    真っ当に頑張っていれば報われるのかなと思える内容だが、逆に私利私欲にまみれると容赦されない。

  • 一言面白かった。続編もあるので期待して読みたい。
    読みながら気づいたが、作中の企業は実存する企業がモデルになっていた。気づいたのは外資系だけだったが、後々ネットで調べてみると 作中の銀行、外資系金融機関、ホテルのほとんど全てが実際の企業をモデルにしていたとあって驚いた。
    1990年代からの日本の経済の道筋を勉強する本としても読む価値はあると思う。

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著者プロフィール

真山仁(まやま じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。これが代表作となり、ドラマ・映画化された。
「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。

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