グッバイ・ヒーロー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 498
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776554

作品紹介・あらすじ

ピザの人気配達人、亮太。「困っている人は助けなければいけない」という彼が出会ったのは立て籠もり中の冴えないおっさんだった。

感想・レビュー・書評

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  • 漫画ライクなドタバタエンターテイメントストーリ
    楽しめました。

    ピザのデリバリに情熱と誇りを持つバンドのリーダの主人公亮太。
    困っている人は助けなければならない。
    を信条にしていますが、ある時、立て籠もり犯のもとにピザを届けることに。
    刑事たちが困っているのなら、助けないわけにはいかない..
    その依頼を引き受けるところから、亮太はピザを届けます。
    そこから、事件に巻き込まれていきます
    そして、途中で知り合う「おっさん」は味方か敵か?
    さらに、後半(第二部)
    ここまた、前半の伏線も回収されてすっきり!

    展開がさらっとなってて、深みがなく、ご都合主義なところはエンターテイメントとして割り切りましょう。
    このスピード感を楽しむのが良いでしょう。

  • 再読!
    トンデモな設定なのですが、疾走感があってサラッと読めます。一気読み推奨!
    おっさんのキャラが好きです(*^^*)

  • 古くはコナン・ドイルが生んだ
    名探偵シャーロック・ホームズとその助手ワトソン、
    ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの傑作『長いお別れ』から
    フィリップ・マーロウとテリー・レノックス、
    宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』から
    ジョバンニとカンパネルラ、
    村上春樹初期三部作『風の歌を聞け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』から
    僕と鼠、
    花村萬月の傑作『ブルース』から
    ギタリスト村上とホモのヤクザ徳山、
    三浦しをんの 『まほろ駅前多田便利軒』から
    多田と行天、
    金城一紀の『フライ,ダディ,フライ』 から
    スンシンとおっさん、
    長野まゆみの『少年アリス』から
    アリスと蜜蜂、
    漫画だと池上遼一の 『サンクチュアリ』 から
    ヤクザの北条と政治家の浅見、
    映画だとフランシス・フォード・コッポラの『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』、
    リュック・ベッソンの『グラン・ブルー』
    などなど(ふ~っ)、
    男×男の絆の文学(映画)に滅法弱い自分には
    この小説はまさにツボ!
    (しかし、このテーマで語りだすと
    止まらんくなるな~笑)


    バンドマンをしながら
    ピザ屋の配達の仕事で生計を立てる主人公が
    ひょんなことから監禁立てこもり現場に
    ピザを届けることになり、
    謎多き人質のおっさんと
    いつしか絆を深めていくストーリー。

    映画『ダイハード』の例と同じく、
    巻き込まれ型の物語は
    次が予測できないから面白い。

    困った人を見れば助けずにはいられない男気ある主人公だからこそ、
    見ず知らずのおっさんの境遇にシンパシーを感じて
    ピザ屋がそこまでするか?(笑)という危険を次々と冒し、
    読む側を同じようにハラハラドキドキさせてくれる。

    そして読んでいて心地いいのは
    おっさんのキャラがミステリアスなんやけど、
    飄々としていて
    どうにも憎めない点(笑)

    映画『ミッドナイト・ラン』の
    デニーロとチャールズ・グローディンの関係に似て
    二人のやりとりがどこかユーモラスに映るからかな。

    前述したハードボイルド小説の金字塔『長いお別れ』では
    ギムレットが
    主人公マーロウとダメダメな親友テリー・レノックスを繋いでいたけど、
    本作ではピザとチャーハンと
    行間の隙間から聞こえてくるロックが
    凸凹コンビの絆を繋ぎ
    いい小道具になってます。


    約束を守るために影で奔走する
    『真のヒーロー』の姿に
    誰もが目頭を熱くするだろうし、
    (コレは読んでのお楽しみ笑)

    本を丁寧に丁寧に
    読み進めた者だけが最後に味わえる 
    胸を打つカタルシス。

    クソったれのリアルな現実も
    こういう小説があるから
    明日をまた信じてみようと思えるんよなぁ~(笑)

    音楽好き、または男同士の絆を描いた小説が好きなら
    必ずハマりますよ!

  • バンドの成功を信じてピザ屋でバイトする主人公。困った人がいたら見て見ぬ振りできない性格だ。その性格が災いして、ピザのデリバリー中に事件に巻き込まれる。
    人との関わりが希薄になってきている世の中で、この話は人と人との絆の力を信じさせてくれる内容だった。主人公とおっさん、主人公と女子高生、おっさんと女子高生、そして主人公とバンド仲間…絆っていいよなぁと心にじんわり来る。こんな主人公のような人物が自分の近くにいたら、世の中も捨てたもんじゃないなと思えそう。振り回されもしそうだが(笑)

    • 円軌道の外さん

      お久しぶりです!
      いつも沢山の花丸ポチありがとうございます!(^o^)

      これ、自分もある人のオススメで読んで
      まんまとハマりま...

      お久しぶりです!
      いつも沢山の花丸ポチありがとうございます!(^o^)

      これ、自分もある人のオススメで読んで
      まんまとハマりました(笑)(^^;)

      バンド、食べ物、男の友情、
      もうこれだけ自分のツボが揃えば
      悪かろうハズないんやけど、
      一部と二部に分けた構成力の妙に
      作者の力量を感じたし
      ラストの締め方も上手いなぁ~と唸りました(笑)

      それにしても taaaさんの本棚は
      いつ見ても
      自分のツボにハマりそうな匂いを感じるラインナップで(笑)
      見てるだけで
      よだれタラタラです( >_<)

      あっ、亀の本と月の本も
      めっちゃ気になってます(笑)!


      ではでは、まだまだ残暑は続くので
      お身体御自愛くださいませ。

      レビュー楽しみに、
      また参考にさせてもらいますね(^o^)


      2014/09/18
    • taaaさん
      円軌道の外さん☆

      コメントありがとうございます(*^^*)
      こちらこそ、いつも素敵なレビューを
      参考にさせていただいてます~!
      ...
      円軌道の外さん☆

      コメントありがとうございます(*^^*)
      こちらこそ、いつも素敵なレビューを
      参考にさせていただいてます~!

      そして、この本!!
      まさに円軌道の外さんのレビューを読んで
      めちゃ面白そう(〃'▽'〃)と思い買ったんですよ!
      素敵な本に出会わせてくださり感謝感謝です(^-^)
      仰る通り、興味深い題材と人間関係、
      構成やラストと本当唸りました(笑)
      「すごく良かった」としか言えない
      自分のボキャブラリーのなさが憎い(>o<)

      これから待ちに待った読書の秋♡
      またレビュー参考にさせていただきます(*^^*)
      いつも本当にありがとうございます♪


      2014/09/18
  • おっさん どこ行ったんだよ。

    一部が 終わり 二部が あった時

    まだ 続きが あるんだ。

    すごく うれしかったです。

    ピザ 運び屋 拳銃 キーポイントは いろいろあるが

    わたしとしては 「一等賞」。

    これですね。

    てっきり 横関ワールドなら 東京タワーで 助けた 親子が 2部でも 出てくると思ったのですが。

    残念 出てきませんでした。

    ところで ヒーローは 誰だったんですかね。

    亮太 おっさん それとも。

    途中の 1000万円の 使い道 私は わかりました。

    皆さんも わかりましたよね。

    もうすぐ ルパンの娘も 始まりますし。

    ますます 横関ワールドから

    目が 離せませんね

  • 困っている人を放っておく事は決してしない信条により自身の不利益も顧みずに他人を助けるピザ宅配の主人公の危うさと爽快さ。そんな彼に助けられたら裏切る事なんて出来ないぜ、をテンポ良く楽しませてくれました。

  •  ピザ配達人という仕事に誇りを持ちながら、仲間とバンド活動にいそしむ伊庭亮太。配達先に警察がいたかと思ったら、なんと犯人が立てこもる先にピザを届けてくれと依頼される。困っている人がいると助けずにはいられない性格の亮太は、なぜ自分が名指しされたのかわからないまま、ピザを配達することになる。

     途中で知り合うおっさんが敵なのか味方なのか、それに最後まで振り回される感じで読み進めることになるが、まぁ…リアリティはあまりないなぁ。第二部で第一部の数年後が読めるので、そこで「あぁ、よかった」という読後感は味わえるけど。青春ものが好きな人にはおすすめかも。

  • バンド活動をしつつバイトでピザ屋の配達をしている亮太。困った人が居ると助けずには居られない亮太。配達先で立てこもり事件に巻き込まれそこでおっさんに出会う。
    おっさんとの関係がとてもよい。テンポよくどんどん読めて面白くとてもよいお話だった。

  • 困った人がいたら助けることを心情とする亮太と恩を忘れないおっさんの物語。
    一部の冒頭で「宅配ピザのバイトにはドアを開けて出てくるのがどんな人間でも物怖じしない度胸が備わっている」とありますが、考えてみるとなかなか危険なお仕事ですね。おっさんに幸あれ!

  • 面白かった!よく分かんないけど疾走感!
    先が気になって仕方なかった。

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著者プロフィール

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒。2010年『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『ルパンの娘』『ピエロがいる街』『沈黙のエール』『チェインギャングは忘れない』『スマイルメイカー』『グッバイ・ヒーロー』『炎上チャンピオン』『仮面の君に告ぐ』『いのちの人形』などがある。

「2023年 『ゴースト・ポリス・ストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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