獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)

著者 : 上橋菜穂子
  • 講談社 (2013年10月16日発売)
4.11
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  • レビュー :140
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776608

作品紹介

エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた!
文庫版には、エリンの母、ソヨンの素顔が垣間見える書き下ろし短編「綿毛」を収録。
大きな物語を支えてきた登場人物たちの、それぞれの生と性。

王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。高潔な獣ノ医術師エサルの女としての顔。エリンの母、ソヨンの素顔、そしてまだあどけないジェシの輝かしい一瞬。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。

【本書の構成】
1 文庫版描き下ろし エリンの母、ソヨンが赤子のエリンを抱える「綿毛」
2 エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」
3 エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」
4 エリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての…」


「ずっと心の中にあった
エリンとイアル、エサルの人生――
彼女らが人として生きてきた日々を
書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。
「刹那」はイアルの語り、「秘め事」はエサルの語りという、
私にとっては珍しい書き方を試みました。
楽しんでいただければ幸いです。

上橋菜穂子」

獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • まだエリンが赤ちゃんの頃の母ソヨンのある日の話「綿毛」。本編の前半と後半との間、ジェシが産まれる頃の話「刹那」。エリンの師、エサルの若い頃の話「秘め事」。エリン一家の幸せな一瞬「初めての」。本編の世界を再び感じる事ができたいい短編集でした。

  • 本編の時間軸の隙間を埋めるサイドストーリー。本編読んでいる間に頭の中で構成された風景の中で展開する話だからこそ面白い。

  • 本編より大人向けな外伝短編集。エサル師の秘めた恋愛が一番よかった。凝縮された人の思いは炭のようなもので、燃え尽きても灰にならず、胸の奥に秘めたまま、火がつけば燃え続ける…という感じの言い回しがあって、切なく美しくてこの章だけでも読む価値があった。

  • 外伝を読んでいて、なぜ今一つこのシリーズにはまりきれないかがわかってしまった。
    誰一人として感情移入できる人もいなければ、好きになれる人もいないからだ・・・。
    誰も嫌いじゃないし、特にエサルは素敵な女性だと思うし、イアルの暗い影も私好みのはず。
    が、今一歩近づききれない。
    これくらいのシリーズ物ともなると、話の筋よりもお気に入りの登場人物のことが気になってもいいはずなのに。

    ということに気づいて、なんだかすっきり。
    シリーズ全体への私の感想もまとまった。

    「読みやすいし、文章も上手。筋も面白い。
    けど、今一つ入り込めない。」

  • 上橋菜穂子作品の中で獣の奏者は、ずば抜けて好きな物語。
    あとがきの前に「人生の半ばを過ぎた人へ」と題された中に、人生というものがどれだけ速く、あっけなく過ぎ去ってしまうものなのかを実感しはじめた人たちに楽しんでいただければと書いてある。すでに人生の半ばを過ぎ、結婚、子育ても経験したこの時にこの物語と出会え読むことができ、幸せである。
    エサルの若き日の苦しいほどの恋。
    イアルとエリンがお互いに惹かれていく様子など。
    外伝として最初から完成されたような本。
    誰も若い時があり、恋愛や辛い思いや幸せな時期があるはず。

  • いらないという人もいるのは分かるけれど、わたしはこの話があってよかったと思う。
    「この10年があってよかった」と思い返すほどに、幸せをかみしめていた彼らのあの時を知ることができてよかった。本編は見事なほどに恋愛的要素は排除してある。けれどあれはあれでよいのだ。本編を読んだ上で、物語を深めるために読むための外伝であると思う。気になった人だけが知ればよい。
    エサルの若き日の恋。胸が締め付けられました。エサルがもっと愛しくなりました。
    ジョウンおじさんにもう一度会いたくなりました。
    ジェシの親離れ。可愛らしくていじらしい。

    本編ではあえて奥に隠されていた愛の物語。自らの厳しい人生に、懸命に向き合っていた彼らにもこんなときがあったのだ。こんな一冊があってもよいのではとわたしは思う。

  • 生まれて死ぬまでの間にこの10年があってよかった、というあの10年が垣間見える一冊。
    イアルの言葉にいよいよ重みを感じた。
    不幸な生い立ちに生まれて、お互いを無二の存在として求めあって初めて得た安らぎと幸福がたったの10年かと思うと、やりきれない。
    でも本当に幸せそうな二人。辛い結末だっただけに、この外伝はとてもありがたかった。

  • 久しぶりに外伝だけ文庫で買ったから読み返した。
    上橋さんの余分な一滴になってしまうから、今回の獣の本編には一切いっていいほど恋愛に関する話を排除した思いがかっこいいと思った。

  • 今回の外伝は手心加えることなく大人向けの話。『秘め事』はハイティーンでは咀嚼するのに少し難しいのでは?というぐらい、大人の女性の感情の奥深さを描写しています。10代で読むのと30代で読むのでは感想が随分変わるんじゃないかなあと。「心というものが、ほんとうに血を流して痛むもの」という下りはうまいなあ。上橋さんが恋愛話に直球で臨んだらこんなとてつもない話ができるとは…。ホクリ師と若きエサルの対比、現在のエサル師と若い人たち、構造が見事です。大人になるとはこういうことなんですね。

  • 外伝。と言っても濃い内容でした。外伝また出ないかなと期待してしまうがやはりこれで最後なのですね。

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