小暮写眞館(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2764
レビュー : 224
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776738

作品紹介・あらすじ

小暮写眞館宮部みゆきの現代エンターテイメント小説です。
NHKでは神木隆之介を主演としてプレミアムドラマとして放送されました。いろいろな登場人物がそれぞれの思いを抱えながら、物語は語られていきます。ただその視点は主人公の少年から描かれているところが、この作品の良さを引き立てています。社会派推理小説を多く描いてきた宮部みゆきの高校生の青春小説です。

感想・レビュー・書評

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  • 店舗の主が亡くなった写真屋の店舗兼住居に引っ越してきた花菱一家の長男、高校生の英一が写真にまつわる謎を解くために奔走するミステリー。

    弟の光、幼馴染で地元の有力者の息子の店子(テンコ)とのやり取りもなんだか微笑ましくてほっこりするし、中々の独特な発想を持つ主人公の両親に振り回される主人公のエピソードも面白い。
    なんて良い息子だ…。と世のお母さんが涙しそうなくらい良いお兄ちゃんであり、真面目な学生。
    高校生だけど、きちんと育てられた分別のある感じがすごくかっこいい。
    2話目の終わり、コゲパンの打ち明け話に戸惑いつつ、ものすごく斬新な返しをする主人公。外見の描写はあまりないけど、隠れて好感を持つ女子は多そう。将来はモテそうだ。

  •  家族とともに古い写真館付きの住居に引っ越してきた高校生英一がさまざまな奇妙な写真の謎に挑むミステリー

     上下巻の宮部作品なので結構ヘビーな雰囲気も覚悟しないとなあ、と思いながら読み始めたのですが、わりかし穏やかな世界観で包み込んでくれるような雰囲気の小説でした。

     登場人物たちの温かさがその世界観の構築にとても大きく関わっているように思います(変人も多いですが)。しかし何よりも大きいのは宮部さん自身の温かい登場人物たちに対する目線が感じられるからだと思います。

     もちろんただ温かいだけでありません。今回は殺人事件は起こりませんがその分リアルな人の悲しい部分、ずるい部分が写真の真相が浮かび上がってくるのとともに分かってきます。しかし普通ならそういった面が分かって話が閉じられると少し後味が悪いものですが、後味の悪さを残すどころか、優しい雰囲気が最後まで貫かれています。

     写真の調査をする英一やその友人たちの優しさ、そして宮部さん自身がそういう人の哀しい部分も包み込んでくれる、温かい目線で話を書いているからこそこういう雰囲気が貫かれているのだろうな、と思います。

     話の肝となる写真については念写というワードが使われます。書く人によっては「そんな非科学的な……」と冷めてしまいそうなのですが、この作風で宮部さんが書くと不思議と真実味を帯びてきます。人の想いの強さ、特に人の悲しさの強さが話を通してひしひしと伝わってくるからです。

     連作調になっているので切りのいいところで上巻は終了しました。英一の家族も少々複雑な事情があることが書かれているので、これを宮部さんがどう包み込んでくれるのか、といったあたりにも期待しながら下巻に突入します。

     2011年版このミステリーがすごい!8位

  • 小暮写眞館とは主人公英一の少し変わった両親が新居に決めた元写眞館。
    その写眞館一枚の奇妙な写真の謎…物語はそこから始まっていく。
    心霊写真とかあまり信じない方ではあるが、人間の強い思いは、生きてるときも死んだあともそう変わらないのではないかと、第1話、第2話を読んで感じた。

  •  ナミヤ雑貨店の近所にありそうなタイトルだったので読んでみました。
     商店街の中にある古い写真館店舗兼住宅に越してきた一家の物語。
     私が子どもの頃にはこんな写真屋も多かったのでイメージ湧きます。
     こんな住居に引っ越すと決めた両親もいいキャラなんですが、主人公は一家の長男・花菱英一。
     写真館に住んでいるからか、なぜか心霊写真と縁があるようで心霊写真を引き寄せ、写真にまつわる因縁を調査する羽目になります。英一の弟・ピカや幼馴染・テンコやそのつながり・コゲパンもいいキャラ。
     ライトノベル風なタイトルにすると、「都立三雲高校心霊写真調査同好会」といったところ。
     一体どんなトリックがあるのかと思っていたら、人情話でした。
     下巻では写真館のもと店長や不動産屋の受付・ミス柿本に関わる話が進展しそう。
      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180224/p1

  • 宮部みゆき著「小暮写真館」

    「生きている者には、時々、死者が必要になることがあるんだ」
    不動産屋社長のこの言葉が全編の核になっていると思う。
    主人公一家が購入した元写真館の一軒家には元の家主の小暮さん、そして主人公一家の幼くして亡くなった長女風子の霊がいて一緒に時を過ごしている。
    死せる者と生きる者が混沌となって存在するのがこの世界なのかもしれない。
    そんな中で一家の末っ子小学生の光の子供ながらの罪の意識と寂しさと、悲しさと、そんな心の動きがなんとも切ない。
    久々に読んだ宮部みゆきさんの、4話連作になっている本作品はやはり心にグイグイと迫る秀逸な物でした。

  • すっごくすっごく、あったかくて
    ずーっとずっと、大事にしたい一冊でした。

    花ちゃん、ピカちゃん、
    テンコ、コゲパンちゃん、
    みーんなみんなそれぞれの愛し方で
    周りの人を愛していて、
    そんな関係が
    ものすごーくうらやましくなった。

    『おまえが自殺未遂なんかしても、オレもテンコも認めねえから。無駄だから。絶対にやるなよ。』

    こんなことを真正面から言える
    花ちゃんが
    本当にかっこよすぎです。

    人は人の中で生きている。
    そんなことを感じさせてくれた本でした。

  • 古い写真館に住まう英一の家族とその友人たち。みな優しくて繊細で良い。スリルやサスペンスはなし。その代わり、人とのふれ合いや心配り、過去や心にしまってあることが丁寧に書かれている。ともすると退屈になりがちなんだけど、そこは宮部みゆき。登場人物がみな魅力的でずっと読んでいたい気持ちになる。
    個性的すぎるモテ男の親友テンコ。下駄箱にいれとくと靴がカビないというほどサッパリした性格の女子コゲパン。口が悪く無愛想で影のある不動産屋の事務員垣本純子。
    英一とその家族には7年前にとても不幸な出来事があった。自分たちでも気がつかないほどの心の傷を負っていた。
    でも周りにいる人たちがそこにいて心配したりおせっかいしたり。その存在に救われていく。
    ちょっぴり切なくて暖かくてやさしい気持ちになれる青春ストーリーかな。

  • 宮部みゆきは推理ものしか読んだことがなかったので、新鮮だった。
    描写のおもてなし感とでも言おうか、登場人物一人一人の心の動きだったり、想いだったりが丁寧に書き込まれていて、読んでて胸に響く小説。
    ちょっと変わってるんだけど、登場人物が皆優しい人で、ほっこり心暖まる作品。下巻も楽しみ!

  • 登場人物たちの悩みや後悔など、表にならない思いが少しずつ伝わってくる。写真を使って過去と今をつないでいる感じがワクワクした。
    序盤少し飽きました、ちょっと冗長な気もします、、。

  • 【昔読んだ本】
    いつかのお正月に読んだ。
    良い話。良い話だけど…長くてちょいちょい退屈した。

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