悪と仮面のルール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 707
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776790

作品紹介・あらすじ

僕は顔を変え、身分を変え、ただ彼女の幸福だけを願う。巨大な陰謀の裏には、誰にも知られることのないひとつの小さな物語があった。

感想・レビュー・書評

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  • 面白すぎる。面白すぎて読み終わるのが悲しくなるくらい。 思春期に感じた純粋なもの。大人になったばかりの虚無感。 無意識から支配されることの恐怖。 様々な心理描写に引き込まれ、感情移入しまくり。 頭クタクタになりそうだが、読みたくてしょうがなくなる。スゲー一冊。 本の中の香織に恋してしまった。笑

  • 主人公は久喜家が代々行われている悪の生成として生まれる。
    11歳の時にその事実を知らされ14歳の時に絶望を与えられることを告げられた主人公は
    同じ家に養子?にきていた香織を父によって汚されることを確信し14歳の誕生日を前に父親を殺害。
    その後罪の意識にさいなまれながら何者かに追われる。
    悪にどんどん手を染めざるを得ないなか、兄にいつか香織を汚すことになることを示唆されるが
    香織との時間、愛情が彼を支え続ける。
    顔を変え、名前を変えても悪となっても彼女を守り続ける。

    父親殺害のシーンの描写が力ずよくひどく印象に残る。
    最後のシーンも美しい。香織を車に乗せ
    あなたといた時間が幸せでしたとの言葉に救われる。

  • 最近のマイブーム(?)
    映画化される作品を読むこと。

    すごく重くドロッとしてます。
    人が死にます。
    悪意がはびこります。
    個人的な悪意というより
    家系を通して繋がってきた悪のようなものが。
    主人公がどうなっていってしまうのか、
    と気になりながら読み進みました。

    ただ、ドロドロしてるのとか
    哲学?的なところとか
    難しい話も多く、すらすらっとは読めません。

    殺人に対する考え方、生き物の本質とか、
    主人公が一番大切な価値のあるものを
    守るためならそれ以外はどうなっても、
    という考えはなんだか納得しました。

    映像の方がわかりやすいのかな?
    気になります。

  • まだ読んでなかったし、映画化されるということで読んでみた。邪の家系を断つ為に、少女を守る為に、男は顔を変え生きていく。悪と恋。いつものように、グレーのフィルタを通して見ている世界のようで、悪と闇の心の深いところ、今回もしっかり浸かれました。悪に関することは十分だけれど、少女に対するに思いがもう少し深く書かれたらと思う。そして、終わり方が予想外だったかな。

  • 滅茶苦茶面白かった。今作の謎設定・明かされないロジックは、実に僕好み。但し、ハードル高すぎるかもしれないけど「掏摸」を超えるに至らず。もう少し短くまとめてもよかったかも。
     
    これまで読んだ中村作品の中で、いちばん登場人物が魅力的。ひとりだけ純真無垢な香織に留まらず、設定とは裏腹にやけにウェットな医師、探偵、刑事もいいんだよなあ。

  • こちらのレビューは、自分よりも素晴らしい言葉で綴られてる方が多数いましたので、割愛します。

    個人的な感想を以下に綴ります。
    これまでの著者の作品の傾向を思うと、エンターテインメント性が増えたにも関わらず、その面を如何様にも膨らませられるのに、素材の一部としてしか扱わず、あくまでも主人公の内面をひたすらに深く掘り下げようという変わらない傾向が続いています。なので、スケールが広い物語を想像すると肩透かしを食らう構造でしょう。
    あとがきには、本書は恋愛小説である様な旨が書かれてます。しかし、細部はやっとと呼ぶと不謹慎であり、作者が懸念していた事象が最近は大きなニュースで取り上げられたり、過去の事故になりつつある原発についての事が少なからず記されており、文学から現代へと遅れた啓蒙を感じるような気がしました。

  • 中村文則サンは教団Xに続き2作目。
    ストーリーは思想や哲学的な内容に溢れ中村ワールド全開だけど、難しい内容もわかりやすく書いてあるので読みやすい。
    でも、、読んでると気分が落ちていく。。
    本を読んで落ちたくないので、もう中村サンの本は読まないだろうなぁと思う。
    本作はラブストーリーと解釈した。
    ラストは救いがあって良かった。

  • 中村文則詣でが続いています。
    これで今年8冊目。
    「邪」の家系に生まれ育った少年は、愛する少女を守るため、父親の殺害を決意します。
    大人になった少年は顔を整形し、他人の身分を手に入れます。
    少女は既に大人の女となり、さらに美しくなっていました。
    その彼女に、再び「邪」の魔の手が伸びます。
    舞台となる同じまちでは、テロ組織による連続殺人事件が相次いで起きています。
    少年は、少女を守るため、ある行動に出ます。
    と、そういうお話です。
    「過去」から「過去・現在」、そして「現在」へと至る3部構成で、なかなか込み入ったつくりになっています。
    本書のテーマは、「本質的な悪」。
    中村さんが長年追い続けている根源的なテーマで、作中に漂う不穏な空気と相まって、本質的な悪を炙り出すことに成功しているように思いました。
    ただ、うーむ、どうなんでしょう。
    やっぱり、私はより純文学色の強い「何もかも憂鬱な夜に」「銃」あたりが好きです。
    中村さんの持ち味のひとつは、濃密な文体である気がします。
    その濃密な文体は登場人物たちのリアルで切実な苦悩を描く際に最高度に効果を発揮するように見受けられますが、ミステリ色の強い作品では作為を際立たせてしまっているように感じてしまうのです。
    はい、分かっています。
    大ファンゆえの無い物ねだりです。
    これからも参詣を続けますよー。

  • 中村ワールドらしく陰湿で暗いストーリー展開は期待を裏切らず素晴らしく良かったと思うが、戦争や戦争兵器ビジネスの部分は少し話しが長かったと思う。もう少し、新谷、香織、探偵に交えた展開があったほうがいいように感じた。中村文則にしては珍しくエンタメぽかった。

  • 斬新な恋の定義。歪みをもって歩む辛さ。

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著者プロフィール

中村 文則(なかむら ふみのり)
1977年愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。『遮光』で野間文芸新人賞、『土の中の子供』で芥川賞、『掏摸』で大江健三郎賞、『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞。2014年にはノワール小説への貢献から、デイビッド・グーディス賞を受賞している。
その他の代表作に、映画化された『去年の冬、きみと別れ』『悪と仮面のルール』などがある。

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