烏丸ルヴォワール (講談社文庫)

  • 講談社 (2013年10月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784062776806

作品紹介・あらすじ

京都に伝わる稀覯本(きこうぼん)『黄母衣内記(きぼろないき)』。その所有者が謎の死を遂げた。事故か他殺か。そして継承を巡り兄弟争いが勃発。私的裁判・双龍会(そうりゅうえ)が開かれることに。その準備の中、瓶賀流(みかがみつる)は伝説の龍師「ささめきの山月(さんげつ)」から、一人の少女と行動を共にすることを依頼される。だがそれは仲間達との敵対を意味していた。(講談社文庫)


京都に伝わる稀覯本(きこうぼん)『黄母衣内記(きぼろないき)』。その所有者が謎の死を遂げた。事故か他殺か。そして継承を巡り兄弟争いが勃発。私的裁判・双龍会(そうりゅうえ)が開かれることに。その準備の中、瓶賀流(みかがみつる)は伝説の龍師「ささめきの山月(さんげつ)」から、一人の少女と行動を共にすることを依頼される。だがそれは仲間達との敵対を意味していた。

予測のつかない謎は、貴方を虜にする。「ルヴォワール」シリーズ、第二弾。

みんなの感想まとめ

予測不可能な展開が魅力の作品で、登場人物たちの個性が際立つ中、物語は進行します。特に、前作からのキャラクターたちとの再会や新たな仲間との関わりが、読者の心を掴む要素となっています。ミステリーの要素はや...

感想・レビュー・書評

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  • なんてったって、〇〇さん(ネタバレ)がかっこいい。それに尽きる話であった。
    シリーズらしくキャラが立ち、それぞれへの思い入れもあり、関わり合いが楽しく見られた。
    しかし、肝心のミステリー・事件が弱い。ルヴォワールシリーズ醍醐味の弁舌戦も、水掛け論のように感じたり、「え、それ認めて進んでいいの?」と感じるところがありました。
    しかし、高校パートの驚きと最後の駅の邂逅は非常に面白かった。今出川•河原町に大きな期待をもっての⭐︎4としました。

  • 私事だが、たまたま京都に向かう車中で読了。双龍会(擬似法廷)シリーズの第二弾。稀覯本とその所有者の娘を巡り、争いが起こる。
    京大ミステリかつメフィスト系の系譜を継ぐ作風だが、エンタメ、アニメ的な感じが強すぎて馴染めない。ミステリとしての要素がなんか弱すぎるような気がしてならない。多重解決ものとも言えず、、、
    謎だけはめちゃくちゃ凄くて解答が台無しという清涼院流水とはまた違う感じのメタミス。(当時は壁本とか言われてた)
    烏有(なにもないという意味)という号を持つ登場人物が出てきますが、これは麻耶雄嵩リスペクトでしょうね。

  • 最初にお断りしておきますが、以下のレビューには、少なくとも前作「丸太町ルヴォワール」を読んでいないとわからない表現が幾つか出てきます。
    解説の冒頭で法月綸太郎さんも述べておられるとおり、前作を読まずして本作を読むことはあり得ませんので、前作を読まずに本作やこのレビューを読もうとしている方々は、即刻、書店や図書館に走って前作を読んでください。
    それでは本題です。
    まずは、前作と変わらぬリーダビリティで、出だしの龍樹落花と瓶賀流のやり取りからグイグイと物語に引き込まれます。
    前作を読んでから少し間が空いていたのですが、「あー、そうそうこんな感じ」とお馴染みのキャラと雰囲気を思い出しているうちに。。。第一章のラストから早くも騙されました。
    自分が見ていたものが、見えていたものが一瞬にしてシームレスに姿を変える瞬間、快感が脳を突き抜けます。アハ!ムービーも真っ青ですね。
    そんな驚きも冷めやらぬまま第二章に突入。伝説の龍師「ささめきの山月」や元龍樹家の龍師であった私立探偵の鳥辺野有など、新たな登場人物も加わって物語は「双龍会」に向かって動き始めます。
    ネタバレしないように、物語の紹介はこれくらいにしておきますが、あと一つだけ。
    流、達也、論語、撫子、そして落花など登場人物が多く、誰が主人公とは特定はできませんが、今回はそのうちの何人かの過去に関わるエピソードも出てきます。
    それらは時に痛快で、でも時に切なくほろ苦く、「ああ、青春やなぁ」と心を熱くさせられます。
    生馬の目を抜くような壮絶で厳しい双龍会の場面と比してのメリハリもよく効いてます。
    そしてクライマックスでは、再び騙されていたことに気づき(信じられへん!)、意味深なラストを読み終えるとすぐに、続きが読みたくなること請け合いです。
    ああ、続きがあるありがたさ!次作も楽しみです。

  • ミステリの体裁を取りつつ、読み口がハイパーにエキサイティングなのは本当にすげえよ
    こんなん「「「面白い」」」じゃん!!の最高火力を出し続けている 
    この、双龍会という「お約束ごと」に読者を巻き込むのが上手い。

  • 「丸太町ルヴォワール」がおもしろかったので、続けてルヴォワール第2作。敵か味方か、めまぐるしく攻守がかわる裁判戦。回想をまじえた第1章もよかった。

    私語(ささめき)という言葉を覚えた。ささめき哉、ささめき哉。今のところ使いどころはない。
    誘い文句「最強の龍師が名も無き龍師に声をかけている。機会が二度お前のドアを叩くと思うな」
    バッファローマン!元はシャンホールという方の箴言らしい。
    瞬間記憶能力者が多すぎん?

  • 2作目になってキャラクターや作風が馴染んできたけれど、やっぱり少しくどい。こういうミステリの遊びを許容できる方はどうぞ。

  • 時系列のトリックに騙され過ぎて、途中まで何が起きたのかさっぱり理解できなかった。笑。ただ終章で明かされた答えの微笑ましさというか、天上の才能を描く一方で人と人の繋がりもきちんと魅せてくれる辺りがバランス良く、最後まで楽しんで読み終えることができた。もっと容赦のないミステリの方が好きだけど、これはこれで面白い。

  • うゆうさんなんだよなあ〜!

  • 記録

  • どうしてもこういうものの性として、1作目の特別な輝きと比べるとくすんでしまうものの、それでも負けず劣らず様々な企みが施された作品。徐々に龍樹以外の存在も明らかになり、ますます先が楽しみになる一作。

  • 過去の話と現在の話の入り乱れ感がわかりにくくて、これがきっと計にかけられてる状態なんだろうけどむずかしい…烏有さん系列は初恋泥棒なんですねぇ

  • 一作目と間違って購入してしまった…案の定最初からついていけず早々に挫折。

  • 「ルヴォワール」シリーズ第2弾。

    「双龍会」にかけられることから免除されるという『黄母衣内記』を所有する綾織耕作が死去し、『黄母衣内記』は娘の繰子に相続されます。繰子を引き取ることになった耕作の弟の文郎は、もう一人の弟の武郎が耕作を殺害したのではないかといって、落花に仕事を依頼し、御堂達也たちは双龍会のための準備を開始します。他方瓶賀流は、落花のかつての師だという「ささめきの山月」という男に声をかけられ、彼とともに達也たちと対峙して、双龍会に参加することを決意します。

    前半は、流と彼女が預かることになった一人の少女との交流がていねいにえがかれており、キャラクターの個性に焦点があてられています。前作とおなじく、後半は次々に思いもかけないどんでん返しがくり広げられる展開になっていますが、推理の内容そのもののどんでん返しではなく、双龍会の展開自体が思いもかけない方向へ推移していくことに翻弄されます。といっても、けっして読みにくいということはなく、流たちのキャラクターの魅力が次々に提示されていく展開になっていて、おもしろく読みました。

  • ○ 総合評価  ★★★★☆
    ○ サプライズ ★★★★☆
    ○ 熱中度   ★★★★☆
    ○ インパクト ★★★☆☆
    ○ キャラクター★★★★☆
    ○ 読後感   ★★★★☆

     丸田町ルヴォワールに続くシリーズ第2弾。この作品は「黄母衣内記」(ぎぼろないき)という古書を中心とした物語である。平安時代から続く伝統的な私的裁判である「双龍会」の存在がポイント。双龍会は、下手に負けると大火傷を負う。
     「黄母衣内記」を欲しがる人物は多い。その「黄母衣内記」を所持しているのは絢織耕作という美術教師。前作、丸田町ルヴォワールにより龍樹家の龍師になった御堂達也(發王)、城坂論語(白澤)、瓶賀流(亜鴉)、龍樹撫子らが、綾城耕作の兄である綾城文郎の依頼を受け、「黄母衣内記」を手に入れるための行動を起こす。達也が絢織耕作が勤める学校に侵入することになった…というところで回想シーンが入る。
     回想シーンは、達也が高校に入学した頃の話が描かれる。図書館の本の文字が盗まれ、ページが白紙になった本が見つかるという話。これを素直に読むと達也が絢織耕作が勤める学校に潜入しているシーンと誤信してしまう。円居挽得意の叙述トリック。前作、今出川ルヴォワールの1章では、後半の叙述トリック(女性を男性と誤信させる叙述トリック)を匂わせていた。この作品でも、この回想シーンの存在が、「時制を錯覚させる叙述トリック」の存在を匂わせている。
     「烏丸ルヴォワール」を通じて最大の謎は「ささめきの山月」という龍師が誰かということ。真相は、ささめきの山月は黄昏郷。青蓮院という双龍会を仕切っている団体のトップで1000年生きているという噂の男だった。「ささめきの山月」は1000年生きるという黄昏郷のお忍びの姿だというもの。これは意外性があった。意外性がウリの小説ではないが、どこかに意外性を用意するということが円居挽の作風なのだろう。
     作品全体の筋としては、綾織文郎と文郎の弟の綾織武郎が「黄母衣内記」を巡って対立し、綾織文郎は龍樹家の龍師を雇って、綾織武郎が「ささめきの山月」を雇って双龍会に挑む準備をする…と見せかける。しかし、実は綾織文郎と綾織武郎は手を組んでおり、綾織耕作の子どもであり綾織操子が耕作を殺害したとして、双龍会を開くというものだった。この話の持って行き方にも意外性がある。総じて驚愕というほどではないが、十分な意外性があり、何より先が気になって読み進めることができる。
     龍樹家のメンバーが双龍会に挑む準備をするのが物語前半。ここでは鳥辺野有という、もと龍樹家の龍師だったものが出てくる。この鳥辺野有の存在がこの物語のポイントの一つ。鳥辺野有が龍樹家の味方なのか、ささめきの山月の手先なのか。その辺りがあいまいでどちらにも取れる。この鳥辺野有の視点から描かれたパートに叙述トリックがある。鳥辺野有が少女と一緒に行動しているが、ここに9年前のシーンが含まれている。龍樹落花がかつて青蓮院に誘拐されようとしたときに、それを防ぐためにささめきの山月が仕掛けた双鴉の計。落花の影武者として9年前に京都の町で一緒に過ごした鳥辺野有と瓶賀流の姿が挿入されている。これがラストの鳥辺野有と瓶賀流との再会につながる。ここから、そもそも鳥辺野有がささめきの山月の影武者として瓶賀流に仕事を与えていたこととの関係、鳥辺野有と瓶賀流の師弟関係の含みが見て取れる。烏丸ルヴォワールの読後感が良いのもこの叙述トリックがあってこそだろう。
     黄昏郷=ささめきの山月とすると、黄昏郷は青蓮院のトップとしての仕事をしながら、個人的に瓶賀流の誘拐を阻止したことになる。そして、この物語では自身の娘である綾織繰子を助け、青蓮院に来ることを阻止し、恵心に引き取らせる。この辺りの動機・真意は想像するしかない。実はいい人ということなのか、更に裏があるのか。これはシリーズの後に描かれるのかもしれない。
     さて、「烏丸ルヴォワール」の評価。黄母衣内記を巡る攻防と綾織繰子を御贖(被告人)とする双龍会がテーマ。鳥辺野有と瓶賀流が9年前に京都で過ごした時間を叙述トリックとして挿入し、ラストで驚きと良い読後感を与えるという構成は円居挽らしい話づくりの上手さを感じる。綾織耕作殺しはトランクのすり替えという陳腐トリック。双龍会でもいくつかの可能性が推理として披露されるが、披露される推理はそれほど面白みがない。双龍会でのやり取りとしては、達也、論語、瓶賀にも見せ場があり、最後は落花がささめきの山月の正体を暴いて終わる。形はしっかりできている。総合的に見て、この作品の評価を考える上で気になる部分は、1000年生きるという黄昏郷の存在や、青蓮院、天親、龍樹といった龍師の一族の存在といった子供じみた、漫画っぽい雰囲気を好きになれるかどうかだろう。こういった部分が嫌いな人にとっては、根っこにある話づくりの上手さはあるが駄作に見えると思う。漫画っぽい雰囲気を楽しめるのであれば十分楽しめる良作。根っこの話の作りはそれなりに上手い。
     個人的には、このシリーズの漫画っぽい雰囲気がかなり好きである。なので評価は甘め。ただし、話づくりの上手さはあるが、メインとなる謎やトリックがそれほど優れていない点も踏まえ、ギリギリ★4というところ。

  • すごく一生懸命読んだのです。『丸太町』は楽しくて仕方なかったから、この『烏丸』だって一所懸命、一生懸命読んでいれば、そのうちわかるにちがいないと思って。だけど凡人のアタマにはムリでした(泣)。私的裁判「双龍会」で繰り広げられているのがとても面白いことだというのはわかるのに、何が起こっているのかついていけなくなり、登場人物の誰が今しゃべっているのかもわからなくなる始末。『丸太町』の読了後すぐに読めばなんとかなったのでしょうか。わからないのにカッコイイ、「落花狼藉、堪忍な」。私もちょっぴり狼藉を働きたいのだ!

  •  ここがトリックだとわかっているはずなのに、気がついたら騙されているという快楽。すごい。

  • 達也の過去とか気になる書き方してくるし、仕掛けもしっかりあって意表を突かれました。前作に比べると、双龍会自体の盛り上がりにやや欠けていたかな。

  • 展開が複雑過ぎてついていけない。正直しんどかった。めくるめく!というわけではなく、普通に不快な感じでわかりづらい。特に達也の回想シーンはどこから回想に入ったのか全くわからず。
    相変わらずのラノベ臭、中二病。特に、賢い女性というキャラクターが通り一遍。丸太町のルージュと達也の学校のセンセが全く同じキャラじゃないか。
    流にはすごく共感した。達也や論語のように特別なものを持っているわけではなく、撫子のように英才教育を受けたわけでもなく、落花のような天才でもない。でも生きていかなきゃいけないし、生きていくしかないんだよなー。すごくよくわかるよ。
    著者がラノベに出会うことなく作家になっていたら、どんなによかったろう。
    今回は京都っぽさが前作より薄まった気がする。
    ただ、妖怪みたいな神みたいなおっさん、電車での別れ、神社、学生街、などなど、京都を多面的に切り取っているのは今回もすごく魅力的。
    どっかの某森見登美彦みたいに、学生街という側面に依存していない。街が街としてちゃんと作品内に存在している。

  • ロジックの連打と騙しのためだけに作られた精緻なミステリで、久々にあのトリックにやられた。
    いわゆる私的裁判の話しなんで、そこまで行くのにいろいろな騙しはあるのはわかってよんでいて、最初に一回やられ、次はロジックの連打で真実の様相の変化に酔い、そして最後のあかしにもやられました。
    この人の作品は最初の作品には感心したけど、硬さに少し苦手かなって感じたけど、シャーロックノート以降ハマり、この作品もよかった。
    あと二作も読む。

  • 仮に真っ当な本格ミステリーとして読むとすれば、ド派手な飛び道具がバンバン撃ち込まれてくるので、決して読者から見てフェアな作品であるとは言えないが、各キャラクターがしっかり立っており、多彩な技が散りばめられた長編は純粋に読み物として面白い。
    特に舞台が京都であるというだけで、私にとっては尚更。
    2作目にして、レギュラーメンバーたちの素性も徐々に明らかになってきて、シリーズものとして広がりも感じさせる。

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著者プロフィール

1983年、奈良県奈良市に生まれる。小説家としてデビューしたが近年はゲームシナリオや漫画原作の仕事ばかりしており、本業が解らなくなりつつある。好きな食べ物はラーメン。城崎にて5杯分の蟹を貪り喰った。

「2024年 『城崎にて 四篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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