砂の王国(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1134
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776868

作品紹介・あらすじ

私はささいなきっかけでホームレスになった。世間の端に追いやられた男たちと手を組んで起こした新興宗教。究極の逆襲が始まる!

感想・レビュー・書評

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  •  ささいなきっかけから全財産が3円になるまで転落してしまった男。彼は二人の男の出会いから新興宗教結成という計画を思いつく。

     主人公の転落の様子、ホームレス生活、宗教団体結成後とどれをとっても非常にリアルに描かれています。細かいエピソードも丁寧に拾い上げ、人間心理を巧みに描き、犯罪小説的な一面もあり、ところどころに荻原さんらしい言い回しもあって、まだ上巻ながらとても納得のいく完成度の高い作品でした。そうしたエピソードの完成度に加え文体もライトで読みやすかったため、物語の進行はどちらかというと遅めの作品だと思うのですが、それもあまり気にすることなくどんどん読み進めることができました。

     登場人物たちも人間らしい人物もいれば、仲村というどちらかというと人間離れした人物もいて、そこら辺の書き分けがしっかりしていないとダメな作品だと思うのですが、それもばっちり!三人とも個性がしっかりしていて彼らのバラバラながらもチームプレイで、会を大きくしていく様子はどこかがんばれと思ってしまいます。

     宗教にはまっていく人たちの描写もリアルでその分余計に恐ろしい……。普通の人を描くのが何より巧い荻原さんなので、その分リアルさが増しているように思います。オウムもこんな感じで人々を取り込んでいったのか、と思うと改めて自分も心理誘導には気を付けないといけない、と思ってしまいます。

     ゆっくりと確実に成長していく新興宗教「大地の会」。その行き着く先はどこなのか、非常に下巻も楽しみです。

  • 上下巻である、現代社会ものである、荻原浩作品である。
    絶対面白いやつじゃん。ハマるやつじゃん。各系要素。
    あぁ、また読み始めてしまった。

    私の好物の「流浪の民」ものから始まる。
    ホームレスの視点、ネットカフェ難民と言われる人々の生活
    そういうものを描きつつ、展開していくストーリー。
    主人公と、出会ってしまった一癖(以上)ある人物たち。

    もう…重要登場人物の一人の「脳内イメージ」が、平井堅。
    勝手に私の中の平井堅が鉄板になってく。抜けない。
    すこぶる面白い。

    もう下巻を半分ぐらい読み始めてしまったから、読み終わる
    のがまた、もったいなくなってきてる…
    心鎮めてレビューを書き込み、クールダウンしつつ…
    続き読みます。読ませていただきます。

  • 久しぶりの荻原浩さん。やはり面白い!
    大手証券マンから無一文のホームレスに成り下がった男が、出会いきっかけに再びのし上がる物語。ホームレス生活のつらさ(飢えや寒さの描写)や、そこから絶望して死すら考えるまでの心の動きの描き方がリアルで壮絶だった。
    下巻も楽しみ。

  • 昔読んで面白かったので、人に薦めたらまた読みたくなって再読。すごく日本的だと思います。とにかく現代の心の闇を捉えていて、前半は人生の大切なことは、全てなくしてみないとわからないと思わせる内容。でもやっぱり2回目は中だるみしてしまって、最初に読んだ時の方が面白かったかもしれない。

  • サラリーマンからホームレスへ。主人公は急転落したが、その後、2人のホームレス仲間を誘い新興宗教を設立し、起死回生を目論むー。始めのホームレス時代はリアルやな。私は自分が雨露がしのげて、暖かい雑炊がすぐ食べられ、安穏とベッドで眠れる現状を改めて有難いと思ったわ。そして仲間の1人、誰かれもが驚愕する美貌のホームレス、ナカムラ君がかなり気になる存在。今のところ、うまくいきすぎ?なくらい順調な主人公だが、これからどうなるの?ってところで下巻へ~

  • めちゃくちゃリアル。

    特にホームレス生活がリアルすぎて、作者の体験談なのでは?と思うほど。新興宗教を発足させる過程もリアルかつ納得できる仕組みで、これを参考に本当にできてしまうのではと思える。

    しかし話が進めば進むほど、成功していく新興宗教とは反対に主人公のメンタルが追いやられていって、不安ばかりがつのっていく。下巻も途中まで読みましたがしんどくなってやめてしまいました。

    それでも前述した点での緻密さや登場人物の心理描写の細かさ、無理のなさなどが素晴らしい作品。人間の愚かさをよく描けている。

    そういった類の小説が読みたいひとにはおすすめです。

  • 1807 ホームレスの元証券マンが宗教を立ち上げる話。ドン底から這い上がれるか。。

  • 全財産は、3円。私はささいなきっかけで大手証券会社勤務からホームレスに転落した。寒さと飢えと人々からの侮蔑。段ボールハウスの設置場所を求め、極貧の日々の中で辿りついた公園で出会った占い師と美形のホームレスが、私に「新興宗教創設計画」を閃かせた。

  • ホームレスに成り下がった元証券マン山崎が、ホームレス仲間の謎のイケメン仲村とイカサマ占い師龍斎と組んで一世一台の大芝居。世間への逆襲なるか?

  • 下巻読了後に記載予定

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。『砂の王国』『花のさくら通り』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『極小農園日記』など著作多数。

「2018年 『それでも空は青い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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