砂の王国(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776868

作品紹介・あらすじ

私はささいなきっかけでホームレスになった。世間の端に追いやられた男たちと手を組んで起こした新興宗教。究極の逆襲が始まる!

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭のホームレスとなった飢餓感がすごい。
    そして無性に天ぷらそばが食べたくなったので、これから食べてきます。

  •  ささいなきっかけから全財産が3円になるまで転落してしまった男。彼は二人の男の出会いから新興宗教結成という計画を思いつく。

     主人公の転落の様子、ホームレス生活、宗教団体結成後とどれをとっても非常にリアルに描かれています。細かいエピソードも丁寧に拾い上げ、人間心理を巧みに描き、犯罪小説的な一面もあり、ところどころに荻原さんらしい言い回しもあって、まだ上巻ながらとても納得のいく完成度の高い作品でした。そうしたエピソードの完成度に加え文体もライトで読みやすかったため、物語の進行はどちらかというと遅めの作品だと思うのですが、それもあまり気にすることなくどんどん読み進めることができました。

     登場人物たちも人間らしい人物もいれば、仲村というどちらかというと人間離れした人物もいて、そこら辺の書き分けがしっかりしていないとダメな作品だと思うのですが、それもばっちり!三人とも個性がしっかりしていて彼らのバラバラながらもチームプレイで、会を大きくしていく様子はどこかがんばれと思ってしまいます。

     宗教にはまっていく人たちの描写もリアルでその分余計に恐ろしい……。普通の人を描くのが何より巧い荻原さんなので、その分リアルさが増しているように思います。オウムもこんな感じで人々を取り込んでいったのか、と思うと改めて自分も心理誘導には気を付けないといけない、と思ってしまいます。

     ゆっくりと確実に成長していく新興宗教「大地の会」。その行き着く先はどこなのか、非常に下巻も楽しみです。

  •  グッと冷え込みが厳しくなった今読むと、路上生活の辛さが容易に想像できてやるせない気持ちになる。確かに一度転落すると這い上がるには高いハードルを越えなければならず、支援も行き届いているとは言い難い。その外見から偏見の眼差しや見て見ぬふりをしてしまうが、好きで路上で暮らす人は少数であることを認識しておかなければならないと感じた。龍斎のような怠惰な人間もいるが、行き過ぎた自己責任の国であってほしくない。新興宗教が軌道に乗り始めたところで下巻へ。

  • ホームレスになった辺りはつらすぎて読む速度が遅かったけど、堕ちてもへこたれない主人公に詐欺まがいな事をしていても悪い事してる…じゃなくてガンバレと思ってしまう。。そう思わせる文章力なのか、、

  • ホームレスあるある的な出だしだったのが
    仲間が増えて宗教らしきのを始める。
    あぁ、こういうふうに人って騙されるのかと
    勉強にもなるね。
    ちょっとづつ儲かってきて
    なんだか少しワクワクしてしまう。
    下巻が楽しみ。

  • 群衆心理を知りたいときに読むといいんじゃないかと思う。
    ほころんだ時に、都度都度修正していかないと、どんどん落ちていく人の果てを描いている。
    長編だが、非常に興味深い。

  • 2022.11.10

    Kindle Unlimitedにて読了。
    なんだこれ、めちゃくちゃ面白い。。
    久しぶりに手が止まらない本に出会えた…
    下巻も楽しみ!

  • ★購入済み★

  • 古本屋で上下巻セットだったので購入。

    長編だが、ページが進む。

    クリスマスを迎える東京。ホームレスとなった山崎遼一は途方に暮れる。

    安心して寝られる公園を見つけ、占い師と容姿抜群の先輩ホームレスに出会い、山崎はなんとかホームレスで年を越せた。

    元証券会社社員の山崎が考えたホームレス脱出の手段は宗教。
    公園で知り合った占い師と先輩ホームレスを焚き付け、事を起こしはじめる。

    金はどうしたか?とか、ここまでたどり着く手段はネタバレになるのでやめておく。

    下巻もあるので全体の感想は下巻で。

  • 読み出すと止まらない。どんどん次が読みたくなる本だった。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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