砂の王国(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776875

感想・レビュー・書評

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  • 元ホームレス三人の逆襲劇はとりあえずこういう結末に.

    フィクションの中のさらにフィクションの言葉なのに,妙に説得力のある大地の会の言葉.実在してたら入信してしまうかもしれない 笑
    人の欲って怖いなと同時に宗教って怖いなという.
    盲信とは正にこの本編ラストあたりのことかと.

    少し風呂敷広げすぎというか,明かされなかったこと・解決されなかったことが割と残ってる気がするけど,上下500弱のページ数の割に読みやすかったですね.

  • 勢いで一気に読了しました。
    上下巻で900ページくらいあるのですが、
    その分量を思わせないくらいの面白さでした。
    何だか荻原浩流の愛と幻想のファシズムだなぁと
    そう思ってしまった作品でした。
    それくらいに力も入っていたでしょうし、
    内容も濃いものでした。

    ただ、終わり方がねぇ・・・というところです。
    この物語は山崎を主人公とした、
    宗教団体のはじまりと終わりの物語なのかな?
    と思いつつ読み進めていたのですが、
    結局は山崎の私小説だったような終わりと言いますか。

    回収されないままの奥さんの伏線とか、
    なぜあんなに簡単に仲村が龍斎の意見に頷くのかとか、
    そもそもこの団体の行く末はどうなるのよ?とか。
    気になるところ大過ぎのラストでした。
    そりゃ山崎にとっては知りえない部分になるのでしょうが、
    そこは描いてほしかったなぁと思うのです。
    もし続編があって、山崎の逆襲が描かれたら、
    壮大な前ふりとしてこの物語が機能することでしょう。

    一番残酷だったシーンは、
    やはり吉江香椰との車内のシーンでしょうね。
    荻原さんらしい、トップから一気にボトムに落とす
    大きな落差を生む突き放し方でした。

    ともあれ、上巻は本当に息をつかせぬくらいの
    リアリティとテンポで宗教団体が形になっていく過程を
    見事に描いてくれています。
    それだけでも読む価値があるほどの小説です。
    ぜひご一読を。

  • 2014/01/22読了。レビューは上巻にて。

  • 立ち上げた「大地の会」は巨大に膨れ上がり,主催者の木島のてから離れていく。
    展開としては篠田節子の「仮想儀礼」とだいたい同じ。
    終わり方は,これはどう解釈したらいいのだろう。
    書いてあるまんま,「俺達の戦いはこれからだ!」な展開なのか,木島の妻が言っていたように,酒に呑まれている時の木島視点は全部妄想?

  • 巨大に膨れあがった宗教団体が一気に崩壊する、盛大なラストを予想していたんだけど、そんなこともなかった。
    夢中で読むほどおもしろかったんだけど、最後はあっさりとしていて肩すかし感が残る。
    主人公の奥さんはなんだったのだ。

  • ホームレスの男が同じホームレスの青年をかつぎあげ、新興宗教を立ち上げる。下巻では、その宗教「大地の会」が肥大化していく過程を描いている。集団内に位を作り、競争心をあおる。タレントの入会。宗教が拡大していくところはリアリティがある。広げまくった物語の収束としてはラストは少し物足りない印象があった。公園で寝泊まりしてい男のカリスマ性はどこからくるものだったのか。ゲイである必要はあったのだろうか。惜しいです。

  • 宗教で人生一発逆転を狙ったホームレスたちの物語。
    終わり方にいろいろ意見があるようですが、私的には良い終わり方だったかなと。

  • ホームレスとなった元証券マンが新興宗教を興すまでを描いた上巻は、とても面白く引き込まれるものだったのに、下巻で激しく失速。「大地の会」が大きくなっていく様に説得力がなく、仲間同士の軋轢、その後の話の展開もいまいちピンと来ない。上巻が良かっただけに残念だった。

  • 今年は占いに行ってみようと思ってたけど、すっかりその気が失せた。
    この小説はテーマが複数あり。宗教が作られていくまでの意外とシンプルなプロセス、人の心理の操作方法、トラウマを持って成長した子供がそのトラウマ体験の元凶に近づいてしまう心理、少しだけど自閉障害を持った人の心理、等々。
    印象に残ったのは、信仰を捨てて初めて真理が見えるんだっていうようなフレーズ。確かに宗教は心理を見せてくれないだろうな、と思うけど、こう思えるのは日本人だから?
    その他、この本は上下巻で構成されてるけど、途中やや中弛み…もう少し短縮できるのではと思う。あと後書きにもあったけれど、もし続編があったら読んでみたいな。

  • 必ずしも成功が心を満たすわけではない。心を満たさない成功から滑落する様子は壮絶だけど、最後はどこか穏やか。ちょっと穏やかすぎるけど 笑

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。『砂の王国』『花のさくら通り』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『極小農園日記』など著作多数。

「2018年 『それでも空は青い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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